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80%子馬【埴輪紹介所その141】

かつて犬形埴輪とみなされていた。
しかし子馬形埴輪に訂正された。

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決め手は足元です。蹄です。

しかしこれだけでは犬ではないと言い切れない、とはにこは思う。
安定のために足の下端を広げただけかもしれない。吉備器台のように。

そして決定的な部分がない。

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しっぽがない。

しっぽが巻いていなければ犬の可能性を完全に否定できるのだが。
ただ、しっぽがあったと思われるお尻の上側の孔の大きさからいって、根本はかなり太い。
犬形埴輪のしっぽは細く、お尻の上にちょろっと巻いて乗っていることが多い。もっとも馬に比べ犬の出土数が少ないので、データ不足だが。
ともかく、馬の可能性のほうが高そうだ。

他をチェックしてみましょう。

結構キリッとした目は?

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どちらかというと馬寄り。
しかしまぶたがふっくらしていないので犬の可能性を残す。

耳は?

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やや長く反っているので馬寄り。

鼻づらは?

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どっちとも言えない。

他の動物の可能性があるとすれば、猪か鹿だ。

くびは

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わりあい長いので、鹿の可能性を残す。

たてがみは

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ない。猪ではない。

成体の馬でもない。ところで馬のたてがみっていつごろ生えるんだろう?

総括。80%子馬だが、犬と鹿の可能性あり。

大阪府四條畷市の忍ヶ丘駅前遺跡(しのぶがおかえきまえいせき)出土のたぶん子馬形埴輪。高さ27㎝、鼻からしっぽまで41㎝。
所蔵は四條畷市立歴史民俗資料館。

撮影は2020年『「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展』銀座メゾンエルメス フォーラムにて。

またね。


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