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なぜ斜に構える【埴輪紹介所その17】追記、大手前大学史学研究所の3Dモデル発見(20200518)

あいつだけナナめってる。いい態度だ。ところどころ黒いし。

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4条の突帯は水平に巻かれている。だから、本体が斜めなのは作ってるときにわかっていたはず。でもそのまま焼いた。墳墓に立てた。
これが埴輪。

ところで、この埴輪は何の埴輪でしょう。

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口はひらいてはいるものの、壺形埴輪のような二重口縁じゃない。単口縁。
円筒は円筒ですね。

答えは朝顔形円筒埴輪でした。

スタンダード型とはちがう朝顔形円筒埴輪。
変わりものだけに斜に構えてしまうのか。
スタンダード型の持つシルエットの美しさとはまた別の魅力があるとは思うが。

ちなみに、黒斑は野焼きされた証拠。埴輪の中でもお年を召しているほう、ということになる。1600歳前後か。

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何か言いたげ。

京都府向日市の乙訓古墳群の寺戸大塚古墳出土の朝顔形円筒埴輪。
寺戸大塚古墳は国の史跡に指定されています。出土品の所蔵はたぶん向日市。
撮影は2016年の列島展(江戸東京博物館)にて。

ところで、列島展、と聞いてピンとくる人は結構いるはず。
正式には「発掘された日本列島(ここに西暦が入る)」展です。

「全国で毎年約8,000件を超える発掘調査が実施されておりますが,国民がその成果に実際に触れる機会は,極めて限られています。このため,平成7年度から,近年発掘され特に注目された出土品を中心とした展示を構成し,全国を巡回することにより,国民が埋蔵文化財に親しみ,その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として始めました。」(主催の文化庁のサイトより引用)

はにこは2008年から毎年通っています。埴輪がレギュラー出演しているので、見逃せない。

今年度はどうなるかなあ。人気の展示だからこそ危険か。特に江戸博は。人数制限されても撮影禁止になってもいいから開催してほしいが。

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またね。

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追記(20200518)
大手前大学史学研究所によるこの朝顔形円筒埴輪の3Dモデルが公開されています。

ぐるぐる回せます。底なしであることが確認できます。

またね。

お読みいただきありがとうございます。サポートいただきましたら、埴輪活動に役立てたいと思います。