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片翼の愛おしさ【埴輪紹介所その121】

上部に浮かび上がるやじり。

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その下には、この写真では分かりにくいですが、直弧紋が描かれています。矢入れのユギです。
背板は右が一部残っている。左と上は欠けている。
ともかく、矢は守られた。

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背面の棒状の支えは展示用。たぶん。

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背部の円筒がわずかに残っている。

片翼の愛おしさ。
アンデルセン『野の白鳥』を連想する。片翼では、飛ぶことも矢を射ることもできない。

大阪府羽曳野市の墓山(はかやま)古墳(応神(おうじん)天皇陵飛地(とびち)ほ号(史跡墓山古墳))出土のユギ形埴輪。現状高さ97.1㎝、現状幅55.4㎝。

所蔵は宮内庁。

撮影は『発掘された日本列島2013』(江戸東京博物館)にて。

またね。

お読みいただきありがとうございます。サポートいただきましたら、埴輪活動に役立てたいと思います。