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9 競争的研究助成金の獲得

 今日は少しお金の話をしてみたいと思います。人間先立つものがなければ生活できないのは当たり前なのですが、生活基盤を保ちながら研究を進める場合、どうしても研究費獲得という非常に頭の痛い問題に直面します。非常勤講師時代、職務として研究活動は求められていないにせよ、自分としては「どうしても研究したい」、という強い意志がありました。学会内での「あの人は非常勤だから」などというネガティブな風評を一掃したい、なんとか業績をあげたい、という気力に満ちた強い意志がありました。ただ、非常勤務校では、科学研究費助成、いわゆる科研費を申請するための研究者番号は与えられませんでした。「非常勤の先生方は研究活動に関わっていない」という理由です。自分としては非常に理不尽な解釈としか考えられませんでしたが、愚痴ってもしょうがないので、門戸が開かれた民間団体からの競争的研究助成金を申請し、専任教員になるまで2回にわたって運よく採択されました。
 研究費獲得には、研究計画書を書く必要がありますが、採択されるためには、自分の目論む研究内容について先行研究を踏まえて、その研究のオリジナリティーを強調しながら、その研究内容の社会的意義を説得力を持った言葉で説明する必要があります。そのため、採択へ向けては、普段の研究活動を踏まえた進捗状況と照らし合わせながら計画書を書く必要があります。ほとんど研究活動もしていない、全く白紙の状態で研究計画書を書くことはほぼ不可能でしょう。
 毎日、ほんの少しずつでもいいので、研究していれば、研究上の独創性へのヒントをつかむことができるわけで、それが研究費獲得へつながっていくのだと思います。言い古された諺ですが、Constant dropping wears the stone.

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