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「挑戦せずに後悔するのは良くない」~マルサン醤油4代目社長の勝野さん~

こんにちは。飛田ゼミなんでも取材班3年生の砂畑龍太郎です。

本日は飛田ゼミの大きなプロジェクトの一つ、「女子商マルシェ」の一環で福岡女子商業高校にて講義をしてきました。

今回は大学生が女子高生にアントレプレナーシップとコレクティブ・ジーニアスを授業形式で教えるという内容です。その授業の中で「地元の経営者はどのようにこの二つの能力を発揮して会社経営をしているのか」ということも伝えるために、那珂川にあるマルサン醤油さんにお伺いし取材をしてまいりました。

この取材は、その様子を撮影し編集し動画として高校生に見せることで内容を伝えていきます。

取材自体は飛田ゼミなんでも取材班に関係していないのですが、僕がインタビュイーをつとめましたので、こちらにも記事として書いていきたいと思います!

それではインタビュースタートです!

インタビュー

勝野社長「マルサン醤油4代目社長の勝野です。今日はよろしくお願いします。」

ーはい!こちらこそよろしくお願い致します。まず初めに、マルサン醤油さんのことについてお聞きしたいのですが理念にはどんなものがありますか?

勝野社長「理念ってものが明確にあるわけじゃないんだけど、なにがあるかなと振り返ってみてこれだなと思うのがありまして。以前から、『3歩以上は駆け足で』ということですかね。これはもちろん行動においてもなんですが、醤油屋さんっていわば、技術者さんの集まりなので、まさに『人へんに動く』と書く働くんですね。だから、頭ももちろん使うんですが人が動いて活動していこうというような感じですね。」

ーなるほどですね。そういうものが文化としてマルサン醤油さんでは根付いているということですね。

勝野社長「そうですね。従業員にもよりますが見ていて気持ちがいいのはきびきびと行動している人ですね。」

ー従業員さんは皆さんで5名ですよね。そのうち技術者さんは何名くらいいらっしゃるんですか?

勝野社長「2、3人技術のことをしていて、2、3人お店のことをしている感じですかね。」

ーなるほど。では社長から見てマルサン醤油の従業員さんはどんな方たちですか?

勝野社長「自由ではありますかね。大きな企業になると報告やら何やら細かいと思うんですが、ちいさな企業でそれをすると従業員の方も委縮してしまいますので。なので、思うことがあれば気を遣わずに何でも言ってねと日頃から声掛けをしています。」

ー従業員の方から社長に意見を言うということですね。実際、活発に意見は出てきますか?

勝野社長「はい、出てきますね。その意見を集めて、これはできるよとかこれは難しいねと話して進めていきます。」

ー自由にやらせているとはいいつつ、皆さんが同じ目標に向かって活動している感じですか?

勝野社長「はいそうですね。お客様に良い商品をお届けして喜んでいただくということを頭において活動しています。」

ーお客さんのことを考えて働いている活発に意見も出てくるんですね。こうして作られているマルサン醤油の製品だからこそ長い間お客さんからの信頼を得ているように思います。ですがやはり、目上の社長に意見を伝えるというのは簡単なことではないというか、委縮してしまうように思えますがそうならない秘訣などはありますか?

勝野社長「その点の環境づくりでいえば、人に厳しく言う時ってまずは自分に厳しくないといえないということがありまして。私だってミスをするし、もともと私もほかの会社で従業員として働いていたこともあるので、従業員の気持ちも考えることもしながら活動していますね。あんまり、独裁的ではありたくないなと思って活動しています。」

ー勝野社長のお人柄が表れているマネジメントだと思います。会社で務めていたことがあるからというお話がありましたが、どのような経緯で今につながっているんですか?

勝野社長「私はもともと、こことは関係のないところに勤めていたんですよね。そのまま結婚をして嫁いで隣の市に住んでいたんです。姉は一人いて海外で働いているのですが、私自身は後継ぎのことはあまり考えていなかったんです。たまに遊びに行くというような感じで。」

ーそうだったんですね。企業に勤め、ご結婚された勝野社長がマルサン醤油を継ぐことになったきっかけは何だったんですか?

勝野社長「少し長くなるんですが。11年前かな、福岡で大雨が降った時期があったんです。それでうちの会社の前を見ていただければわかるように那珂川が流れていて、今よりも川の幅が狭かったのであふれてしまって、お店の方も工場の方も水につかってしまったんですね。それで全部使い物にならなくなってしまって。」

ーそんなことがあったんですね。

勝野社長「そうなんです。私は水が全部引いてしまってから実際に見たんですけど、やっぱり悲惨で。そこで親と話したときに『廃業しようかな』という話を聞いたんです。」

ーお店も工場も、作っていた商品もすべて使えなくなってしまうなんて、想像できないくらい大変ですよね。

勝野社長「それで親からのその言葉を聞いて、何というか、小さい頃から当たり前にあったものがなくなってしまう寂しさというものをすごく感じて。だけど、親も滅入ってる様子で。ここはやっぱり私がやらなきゃいかんだろ、と考えたんです。」

―そこがきっかけだったんですね。

勝野社長「そうなんです。私も経営をしたことはなかったけど、何もやらずに後悔するよりも、挑戦して失敗した方がいいかなと思ってやってみたんです。」

ーまさにアントレプレナーシップですね。その時の従業員さんとはどのような声掛けとか話をされたんですか?

勝野社長「その時はまだまだ経営者として何も分かっていないようなものだったので、『私も頑張るから、みんなで一緒に頑張ろう』ととにかく声掛けをしていきました。」

ーみんなで一緒に頑張ろう、素敵な言葉ですね。そうやって壁を乗り越えてきたからこそ今があるんですよね。

勝野社長「そうですね。そこで壁を乗り越えていかなければ経営者としてはやっていけないなと思って頑張りました。」

ーそうやって乗り超えていまがあるわけですが、代変わりをして製品の面でも実際に変わっていった部分はありますか?

勝野社長「やっぱり醤油ってそんなに毎日使われるものじゃないんですよね。しかも福岡に醤油屋さんって100軒以上あるんですよ。だからこそ醤油だけではなかなかやっていけないんです。そこで考えたのが料理にかけるソースやドレッシングなんです。お母さんたちの味方になるような製品を作ることにしたんです。」

ージャポネソースもその一つですね。そうやって新しい商品が作られたのも、マルサン醤油の意見を言い合える環境があってこそなんだと思います。では最後にこの動画を見る女子高生に一言お願メッセージします!

勝野社長「はい!経営者になるにしてもならないにしてもみんなにも壁があやってくると思います。そこで失敗してもいいから挑戦することで次につながると思いますので挑戦していってもらいたいなと思います!私も頑張ります!」

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はマルサン醤油4代目社長の勝野さんにインタビューをしました。お話の中に、アントレプレナーシップとコレクティブ・ジーニアスを感じるエピソードがたくさんありました。

この動画を見た高校生たちはどう感じたのでしょうか。

身近な経営者もアントレプレナーシップとコレクティブ・ジーニアスを発揮しながら活動をしているということを知ってもらい、より自分に近づけて考えてくれたら幸いです。

次回の記事もお楽しみに!


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