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デジタル化で効率UPは意外と幻し

デジタル化で仕事の効率がアップする。

私は社会人初年度からそう信じて疑わず、デジタル化には一番力を入れていました。
特にデスクワークひと筋だった私。デスクワークはデジタル化の恩恵を一番受けると言っても過言ではなく、実際に楽になることは多々…ありました。

しかし、何十年もデスクワークをしていて気づいたことがあります。それは
手書きの方が意外と早い…ということ。

別に新しいことが受け入れられないわけではありません。

そもそも私が社会人になった頃は、「職場にコンピュータはあるけど先輩が使いこなせていない」時代でした。(少なくとも私の職場では)
もちろん、業務用ソフトの使い方は経験値が高い先輩の方が詳しいのですが、その業務用ソフト以外でコンピュータをうまく利用するという視点は低く、先輩に聞けないので自分で調べて解決する必要がありました。

実例としては、自社ソフトへの伝票入力は全員できるのに、いざ「表を作って」と指示されると手書状態。エクセルが活用されていても手計算、と言った感じでしょうか。
誰にも聞けず時間はかかりましたが、少しずつ便利になっていく業務改善は大変楽しく、むしろ新しいことを取り入れるのが大好きでもありました。

だからこそなのか、私は便利に囚われすぎる傾向にあります。

デジタル化・オンライン化もその「便利」の一つで、デジタル化できるものは迅速に申請してきました。
国の提出物もやっとオンライン申請が浸透してきたので、これでやっと申請も楽になる、と。

しかしフタを開けるとどうでしょう。
確かに便利になった部分も多いのでしばらく気づかなかったのですが、その新たに取り入れたシステムのトラブルに対応する時間もかなり増えていました。

特に行政手続用のe-govでは恐ろしく手がかかり、2年ほど使って最近やっと全てを解決することができたくらいです。
もちろん導入し始めは時間がかかることを予想していますが、その後も定期的にトラブルがあり、その原因はシステムのエラーなこともあれば、私の理解不足、PCの問題、さまざまなものがありました。
けれど、いずれの問題にしてもある程度原因を突き止めるための作業をしなくては、どこに何を確認すればいいのかさえわかりません。
申請書の書き方がわからないというより、そのソフトが立ち上がらなくてつまずくのだから非常に馬鹿らしいですが、いざ入力しようとしたら行政書類らしく分かりづらい構造になっていて二重苦状態です。

これはシステムに特化した部署がなかかったり、独自の業務用ソフトを外注していない中小企業に多い問題かもしれませんが、そういった会社は多いと思います。


ふと、契約締結のためログインし、時には証明用や会員用の料金を払って承認ボタンを押しながら、過去、紙に押印して相手の返信用封筒に放り込んで終了だったことを思い浮かべます。

「半角しか入力できません」という警告を見ながら、過去、手書き文字の大きさで注意されたことがあっただろうかと振り返ります。

プログラマでもないのに自動化を頑張り、便利になったと定時過ぎの事務所で喜ぶ私も、
電話では一言で済むものをメール文章として組み立っている私も、
業務によって違うポータルサイトにログインしている私も、
数えた方が早いカウントを表計算でしている私も…
よくよく考えると本末転倒的なことは多いと思います。

だからデジタル化をやめようという話ではなく、逆にデスクワーカーとして今後も積極的に取り入れていく予定です。ですが、
デジタル化で仕事が完全に効率化し早くなるという勘違いだけはしてはいけないと思います。
それは己もそうですし、上長にも勘違いせず、理解してもらう必要があると思います。

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