見出し画像

パツォウスカーの仕掛け絵本の世界へ

X「あなたがピラミッドのピエロさん!」

紙の街_1

白い紙の町にピンクの髪の女の子が住んでいます。色のついた大きな街にはピラミッドのピエロ、文字の兵隊、丸い背中のなめくじ、ねぼすけの黄色い色鉛筆たち...。独特の画風と自由な発想、仕掛け絵本が得意なパツォウスカーの世界。

紙の街_02

チェコのアーティストであり絵本作家であるクヴィエタ・パツォウスカー。彼女の作品と初めて出会ったのはおそらく10年くらい前、東京のちひろ美術館に行った時のことです。ほとんど記憶にないのですが、絵本の企画展ということで気が向いて足を運んだのだと思います。覚えているのは、その展覧会会場でばったり出くわした友人にこの本を買ってもらったことだけ...。彼は私が最も尊敬する、そして人生に影響を受けたダンサーであり、私が舞台へ足を踏み入れるきっかけともなった人物です。それはさておき、その時彼の傍らには奥様もいて、彼女が彼に「いつもお世話になってるんだから一冊買ってあげなさいよ」と。あたふたして選んだのがこの本でした。数年後、チェコにお熱になった私はふとこの絵本を思い出し、再びこの「紙の街」へ向かうのでした。

紙の街_03


クヴィエタ・パツォウスカーの本は日本語訳されている本もいくつかあるのですが、こちらの本は日本のちひろ美術館のために描きおろされた絵本です。当初、この美術館が所蔵しているパツォウスカーさんのリトグラフ限定本「すずの絵本」(著アンデルセン)をオフセット印刷で復刻版を作る企画があったそうなのですが、当時70歳であったパツォウスカーさんは、「自分には残された時間が少ないから新しいものを創造したい!」と反対をしてこの本を作ったそうです。(これはこれで欲しい、、、)そしてこの絵本の文字も彼女自身が手書きしています。もちろん彼女は日本語はできないので日本語訳してもらったものを見て書いています。それだけでもパツォウスカーファンとしてはノックアウトされてしまうエピソードです。
このクヴィエタパツォウスカーさんはプラハ生まれで、2020年5月現在91歳。
挑戦することに年齢は関係ないのだ!とつくづく思わされます。

すかっりファンになった私はチェコに行き彼女の本を買い求め書店に行ったところ、新刊書店では取り扱いが無く「古本屋にしかないよ」とのことでした。同時期のチャペックやトルンカの本は今もなお版を重ね新刊書店に新品の本が並んでいるのに、何故パツォウスカーの本は無いのじゃ!?どなたかご存知の方、教えてください。そして、彼女の本はむしろ日本での方が手に入りやすいというミラクル現象が、、、!


水曜ノッツ 毎週水曜夜10時よりinstagram LIVE開催中です!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?