見出し画像

幡野さんが書いてくれた『優』の文字。本当にやりたいことを選んでここに来れたことが、これからは、わたしの背中を押してくれる。

cakesでの連載記事を読んでからすぐ、それまでの記事も全部読んだ。その他、色々なところに掲載されている幡野広志さんの記事を探して読んだ。


刺さるような気がした。
見たくないものを見たような気もした。
でも、救われたという気持ちがわいてくる。
知っていたんですか。
と言いたくなる。
なんで、それを知っていたんですか、って言いたくなる。
そして
ありがとうございます、と。

幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう(月曜日更新)
https://cakes.mu/series/4217
ラブレター
https://ninaru-baby.net/baby-comic/hatano-hiroshi

それで、ずっと連載を追いかけていて、とうとう写真展が開かれるということになった3月。

それは延期された。

季節が過ぎて、来年のカレンダーが販売された。
予約購入していて、届いた次の日のこと。
突然のツイートで、行ける範囲内に来られることを知った。

手は贈り物をつくり出した。
頭はついていかなかった。

急なことに、段取りができない。
どうしよう。



子どもがそれをみて、

行った方がいいよ
と言った。

わたしが記事を追いかけていて、本を買っていること、写真展も行ってきたことを知っている。クリームソーダのバッジを嬉しそうに持っていることも。

姉にも伝えた。


幡野さんが来られる、って。

前に来られた時、一日違いで行けなかったのを知っている。
わたしが、ものすごく、会いたい方だと知っている。

わたしは起きれないかも知れないけど、
Uちゃんはがんばるべき。


と言った。

子どもの言葉と、出来上がった贈り物と、姉の言葉が背中を押してくれた。
すぐにあきらめたがるわたしが、戻れないくらいの距離まで。

現実と思えない、と思いながら、会場に向かう。

幡野さんがおられた。

にこにこと会話に応じておられる。

列に並んで順番が来た。

お待たせしました。
お名前は?

写真集の『優しい写真』のページを選んで、お願いした。

あ、ここに?

優くんの字と同じだから、漢字で書いてもらえると期待して
図々しくお願いした。

ひとつずつ確認して名前を書いてくださった。

読めないね
そうなんです。読んでもらったことないです。

この名前があったから、いまのわたしがいると言っても過言ではないと思ってきたその名前。
すんなり読んではもらえない名前。
親がくれた名前。
わたしはなんだか必要以上に名前にこだわってここまできたと感じた。


ふと、縛っていたものが、とけた気がした。

書いておられるお手元の写真、撮ってもいいですか?
いいですよ

全部、いいですよ、って言ってくださって。

似顔絵のおふたり
くまですか?
ときいた失礼なわたしに
ねこです
絵は下手なんです、写真ならマシなんですけど

とおっしゃって。
え、写真、写真はめちゃくちゃうまいじゃないですか
いやー、うまくはない

と。
ここは、なんでやねん!ってツッコムとこだったのでしょう。
緊張のあまり、できませんでした。悪しからず。

緊張しています
と伝えると
ぼくは全然緊張してないです

その後も30分くらい滞在できる権利があったので、部屋のすみっこにいた。

幡野さんがおられて、次々にやってくる方が、みんな笑顔で、お話されて、サインされていて、その雰囲気がものすごくあたたかくて居心地がよかった。
そこにいることが、許されている、という雰囲気があって、緊張感がない。特別感がない。

なんで僕に聞くんだろう、では、あんなに鋭く回答されているけれど、それは、おひとりで深く考えるときくみ上げた深層水みたいなもので、ここにいる幡野さんは、ただただあたたかい空気をつくりだしている。

わたしは今日のことを体に刻んだ。



家を出る前、昼ごはんを作っていたら時間が推して、「ムリ!ムリ!」って泣きそうになりながらあきらめなかった、

休日にわたしが会いたい人に会うためだけに出かけるなんてわがままじゃないか、と自分にダメ出したけど、

本当にやりたいことを選んでここに来れたことが、これからは、わたしの背中を押してくれる。

親が生まれたとき書いてくれた、優の字と
幡野さんが今日書いてくれた優の字を
わたしの中に沈めて、今日生きて、明日も生きてるつもりで生きていく。

連載ラブレターより
いまこの瞬間までずーーーっと生きてきたのだ、明日も生きているとおもうに決まってるじゃないか。明日もきっと生きていると信じるから、今日を穏やかにすごせる。ぼくだって明日も生きていると信じているから、来月のスケジュールを埋めるのだ。(言葉 幡野広志さん)

https://ninaru-baby.net/90015#main_content

家族は大好きだけど、家族の中だけでじっとしていられないわたしに、こんな時間を許してくれてほんとに、ありがとう。

幡野さんの『優』

幡野さんに贈った『優』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?