使えるマナの量には限りがある

それはそうなんだが、それにしたって自分の使いたいカードに合わせて土地やマナソースを入れているだろう。今回はその上でデッキ全体が使えるマナの量というものについて話をしようと思う。マナベースというのはいつどれだけの量のマナが必要か、ということを基準に組み立てる必要があって、マナ加速もそれに準じた適切な量というものがある。今回はそれに沿った話をしよう。

土地はどこまでいっても1マナ出るだけのカード

土地を引きすぎてもいけないし、引かなすぎてもいけない理由は全てこれに尽きる。《目くらまし》のように戦場に《島》があればいいだけのものもあるし、《踏査》のように手札の土地をどんどん出すカードもあるし、《暗黒の深部》のように速やかにゲームを終える土地も存在する中で、あえてこういった表現を行う。
呪文を唱えるにはマナが必要だが、そのマナを供給するカード自体は基本的に何もしてくれない。であれば、ゲームに勝つのに必要な土地が戦場に揃うまでの間を過ごす時間はかなり慎重になる必要がある。
そして、その間にもゲームを動かすためにカードを使っていく必要はある。基本的にカードは使えば減るので、土地は置けば置くほど手札が減っていくが、その割に何もしてくれないのでこうなると手にある土地は出し得というわけでもないということが伺える。これを踏まえて、もう少し使えるマナの量について考えてみよう。

手札を使い切りたいデッキ

手札を使い切って勝つ、と一言で言ったがそれが最終目標である、という話である。それが素早く手札を使い切って焼き切る【バーン】の類や、相手と有利トレードを繰り返して最終的に勝つミッドレンジ系のデッキどちらも目指すところは一緒、使い切って勝つとは今回はそういう話である。

最初からそういうデッキを組んでる以上、どういう順番でプレイすればいいかってことくらい計算に入っているだろう。だが、どのデッキにも対戦相手によって異なる小テクが存在し、それによって相性差が変わることすらある。これは時に手札のカードを使い切れずに負け、という状況を生み出すことがあるのだ。

極端かつ分かりやすい例として、【スニークショー】がある。半分マナソース、半分コンボパーツ、《意思の力》があるとなおよし、といった事情なので実際には7枚コンボと言えるようなデッキだ。
もちろん、簡単には揃わないので《思案》や《渦まく知識》などを使用する訳だが、今回のお題で言えばこれらを唱えられる回数にある。唱えたら唱えただけ手札の質はよくなって勝ちに近づくが、対戦相手からライフは削られるし、こちらより早くそろえるコンボかもしれない。いずれにしても唱えられる回数に限界はあるだろう。勝つ時は使い切っているはずだが、逆に使えきれなかったら負けているはずである。
土地が詰まることも含めて、カードやマナを効率よく使えていない、ということだ。

フラッドはともかく、スクリューしている時に思うようにプレイできていない時はデッキのマナ総量と使いたいカードのマナコストがあっていないかもしれない、と考えるべきだ。土地の枚数等はこれから決めるといっても過言ではない。特に使い切って勝つ方はこれはとても重要な考え方だ。

しっかり構えて勝つデッキ

そんなデッキはコントロールしかないと思われるが、これだってしっかり考える必要がある。
とにかく使わない、そして少ないリソースで勝つ。逆に豪快に使ってありあまるリソースを獲得しながら勝つ、これはどちらでもそうだが使い切るデッキよりも繊細だ。

これらはいずれも長引くほど有利という性質を持つ。つまり、マナの使い方は中盤でとてもシビアになる。
使ったほうが強い時とそうではない時というのはもちろん場面によって違うが、使わされる時にこの差がとてもでる。付き合ってこちらの動きができないのはマナが足りないのかカードが足りないのか、というのはマッチアップ以上にお互いの力量が出るのだ。

カードが足りなくなるのは仕方ない。使い切って負けたのであればこちらの意図するゲームはさせてもらえないということだ。しかし、足りてるのに負けるのはなぜだろう?マナの効率が悪いからに他ならない。
多色化をはかった時にマナの支払いを間違えるなんて経験、きっと誰しもしたことがあるだろう。そうして失った1ターンの重みが死に直結することがあるのがMTGなので、今回の議題である「マナを効率よく使う」というのはこういうところにも当てはまる。

使うのも使わないのも悪手がある

マナ効率というのは時間効率とも密接した関係にある。1マナのアクションが3択あって、これを間違えた時、つまり次のターンに行う2マナのアクションが取れなくなったりすることがある。これは何が起きたかというと、本来次のターンに取るべき行動が取れない。それはそうなんだが、とんでもない量のリソースを失っているのだ。

・択を誤ったプレイしたカード
・カードをプレイしたそのターン
・次のターンに最適なプレイができなかった場合、さらにこのターン

ただでさえこれだけのカードと時間を失っているのに、最適なプレイができなかったことで次のターンも最適なプレイができずにさらに時間を失いそして死んでいく。何もできずに負けた、なんてよくある話だが何かしているつもりでも何もしていないゲームがあるかもしれない、ということに気づいたはずだ。
何かしたつもりで負けたゲームのほとんどはこの時間効率とマナ効率を見誤った結果である。もちろん対戦相手のデッキも分からない状況で毎回適切なプレイができるとは限らない。ただ、少なくとも自分のデッキの信念はあるはずだ。信念を曲げればゲームも曲がる。そして死に至る。マナ効率とは時間効率でもあるということを強く意識する必要があるのは言うまでもない。

マナソースは土地?

《金属モックス》や《オパールのモックス》のような恒常的にマナを供給してくれる土地のようなアーティファクトや《暗黒の儀式》や《炎の儀式》のような使い捨てだが一気にマナが出るカードがある。ではこれらは土地と同様のカードなのか?いうまでもない、その通りだ。
ただ、土地と違って積極的に集めるカードではあるだろう。こういうカードを採用するようなデッキはその分、人より早く大量のマナを用意するために入れているはずだ。つまり、適切な量のマナソースは土地と違ってあればあるほど強いということになる。ビッグアクションというのはそれだけ派手であり勝利に大きく近づくものなのだ。もちろんこれだけ持っていてもだめなのは言うまでもないが、採用している以上、必要な理由というのはある。今後のキープ基準の参考になればいいと思う。

まとめ

いかがだっただろうか?使えるマナの量というのは時間によって大きく左右されるということについて今回は講義させていただいた。
カードを適切にプレイする、というのは使えるマナの量とゲームにかける時間で大きく異なる。もしかしたら諸君のデッキの構成そのものに変化があるかもしれない。
オリジナルを作る場合でも、既存のデッキをプレイするにもこれらを意識するだけでぐっとプレイが引き締まる。この話を通して、諸君がさらなる活躍ができることを期待しよう。



本記事は基本無料となっているがお賽銭箱を用意させていただいている。
もし、お賽銭が入っていれば喜ぶし入れてくれた方に沿って戦略記事を書くこともあるだろう。あぁ、もちろん聞き流してくれて構わない。しがない地方プレイヤーの戯言なのでね

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