渦まく知識は実はソーサリー?

今回はレガシーの青い呪文の代名詞のひとつ、《渦まく知識》の話をしようと思う。

《渦まく知識》は他のキャントリップと違って一旦3枚引くことができる破格の性能を持つ。インスタントなのでピンチの時に解決策を探したり、手札を3枚入れ替えたらそのまま勝てる時もあるだろう。しかし、裏切られるシーンも同じだけある。カードを引く行為はゲームに勝利できないのでこれを強く使う方法をいろんなケースを想定しながら考えていきたいと思う。

7枚いい感じにキープできた。《渦まく知識》とそしてゲームを進めるためのカードもある。土地は2枚。あと1枚引きたいところだがそれより重要なカードを引けているので十分だろう。

あえて「ゲームを進めるためのカード」とぼやけた表現をさせていただいた。というのも、この《渦まく知識》の使い方はデッキによって全く異なるのである。なんなら先後の差もあるのだ。順を追って話をしよう。

デルバーのようなクロパの場合

ゲームを進めるカードは《秘密を掘り下げる者》や《ドラゴンの怒りの媒介者》だろう。つまり、これらのうちどちらかを先に出すはず。
そして上から《思案》を引いた時に問われるのが「どっちから唱えた方が強い?」
答えは《渦まく知識》だ。《意志の力》を使うことも考えると手札はすぐに枯渇する。《渦まく知識》に限らずどのキャントリップでも言えることだが手札が増える行為ではなく、あくまで入れ替えているだけに過ぎない。であれば、入れ替える選択肢が多いうちにさっさと使ってしまった方がいい。
では《思案》を唱えて構えてもいいのではないか?ということになると思うが《思案》は手札が少ない時にも選択肢を用意してくれる。つまり、賞味期限が短いのは《渦まく知識》ということになる。
そして、とても重要な小テクだが《目くらまし》を唱える時はマナを出してからピッチコストで唱えること。土地を手札に戻すことで選ぶ選択肢が増えるからだ。そこにフェッチランドがあればその分カードが増えてより広い選択肢が選べるだろう。このように他の呪文との噛み合いが非常に大きいのでインスタントのキャントリップとして使うのはあまりにもったいないということになる。
もちろん、これはほんの一部の例にすぎない。クロパは戦況に応じて攻めるのも受けるのも一筋縄ではいかないからだ。ドローの質があがるものではないことだけは免責とさせていただきたい。

ショーテルのようなコンボデッキの場合

ゲームを進めるカードというよりはゲームを終わらせるカードになるのでもちろん《実物提示教育》や提示するためのカードのことだろう。
引けているならもちろんいつ唱えるかなんて考える必要はない。手札でゲームが終わっているからだ。じゃあ何故唱えるか?それは万全を期すためである。
無策に《実物提示教育》を唱えたところで当然《意志の力》されるのですでに揃っている時は撃ち返すための《意思の力》が必要だろう。であれば《渦まく知識》は手札が多いうちに使って手札から土地をなくすのが理想。手札に土地がなければピッチコストはなんでもいい。そういう発想だ。
これに関してはそこまで言うことはない。目的のカードを引くための呪文だし、目的を達成したら《意志の力》のコストに充てられる。十分だろう。
また、これは【ANT】のようなストーム系のコンボデッキでも同じようなことが言える。必要なカードがデッキによって違うだけで根本的な「手札を整える」という作業に関して明確な違いはない。ただし、カードをドローするのではなくそもそも唱えることに意味のある特殊なケースも存在するが今回は割愛させていただこう。

奇跡をはじめとするコントロールの場合

ゲームを進めるカードというよりは打ち消しや除去といった序盤を凌ぐカード妨害を十分持っている時であろう。《氷牙のコアトル》があるとよりキープしやすいであろう、といった具合である。
この場合の《渦まく知識》は他のデッキと違いとにかく唱えない。負けるぐらいなら唱えて《意志の力》を探しに行くべきだが、十分に土地が伸びてないうちは《渦まく知識》も《思案》も唱えない方がいいのだ。
逆に、土地が十分に伸びればやはりメインから唱えたい。対戦相手もこちらに対するアクションはあるはずなので3枚もあればそろそろ目の前の脅威に立ち向かう準備をする必要があるだろう。
そして、ゲームの序盤からいきなり使わないことにはもう一つのメリットもある。いざという時に《渦まく知識》があるかないかの違いは非常に大きい。先ほど「負けるくらいなら唱えて《意志の力》を探しに行くべき」と述べたが、手札が多い状態のままゲームを進行することができればこの動きは逆転の手を同時に用意することができる非常に強力なプレイングとなりえることもある。対戦相手のビッグアクションをカウンターでやり過ごした後でこちらも《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《精神を刻む者、ジェイス》を叩きつけることができれば勝利は目前のはず。
もちろん、対戦相手次第ではこんなに時間をかけることができなかったり手札を温存し続けることなんかできない時がある。これは基本動作であってゲームに勝つための技術とは違うということは強く主張しておこうと思う。

すべてのデッキで共通していること

そもそもなぜ《渦まく知識》はメインから唱えていくか?ということになのだが、終了ステップにカードを3枚入れ替えたとして、次にドローするカードは不要牌になる。フェッチランドがあるかもしれないが、ドローステップのドローで有効牌を引ける保証はない。手札が少ない状態で有効牌を引き入れにいったものの満足な結果を得られなかった時、仮にフェッチランドがあったとしてもその《渦まく知識》は事実上の不発に終わり、次の自分のターンを迎えた時に何もすることがなくなり、そしてゲームに負けるだろう。
この最悪な事態を避けるためにはそうならないように手札がある程度ある状態でこの呪文を使い切ってしまうことが重要になる。そして、手札がある状態という点において必ず手札がある瞬間、それがドローステップを通過したメインなのだ。インスタントである分器用なことができるだけで、基本的にはソーサリーであるのは全てのデッキで共通していることと言えよう。

さいごに

1ターンキルが許されているレガシーにおいてカードを引く行為はこのターンにゲームに勝てないことを意味することが圧倒的に多い。それではなぜ人はカードを引くのか?
手札の質が高ければその分ゲームに勝利する確率はあがる。それをサポートするのはキャントリップであり、つまりは再現性をあげるものである。
全てのレガシープレイヤーに幸運を。

本記事は基本無料となっているがお賽銭箱を用意させていただいている。
もし、お賽銭が入っていれば喜ぶし入れてくれた方に沿って戦略記事を書くこともあるだろう。あぁ、もちろん聞き流してくれて構わない。しがない地方プレイヤーの戯言なのでね。

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