【SS】ケンカするほど仲が良い…?(TCRS_02)

前回のお話はこちら。

前回出てこなかったキャラが(一瞬だけ)出てきます。
新キャラの軽い設定は下に載せておきます。
既に出ているキャラは前回のお話に書かれているので、そちらを参照すると幸せになれるかもしれません。

・エス Es
コフィのお姉さん。冷静で真面目。
口数が少なめなせいか、少し怖い印象を受ける。
妹のことはそこそこ気にかけているらしい。



-ある日の昼休み-
ティア「むむむむ……」
コフィ「んー……」
ティア「コフィちゃんのばかー!もう知らないっ!」
コフィ「ふんっ! ティアちゃんだって悪いんだから!」

-放課後-
ティア「スーちゃん、いっしょに帰ろっ」
スイ 「ふぇ、スイと? 今日はコフィちゃんと帰るって…」
ティア「いいの! 今日はスーちゃんと帰るのっ!」
スイ 「……そっか。じゃあ帰る用意するから、ちょっと待ってて?」
スイ (ティアちゃんどうしたんだろ…… 何かあったのかな)

スイ 「よいしょ…… お待たせ、用意終わったよ」
ティア「じゃー帰ろっ」
スイ 「うん……」

ティア「わ、雨降ってる……」
スイ 「ほんとだー。 今日は くもり だけど降らないって言ってたのに…… ティアちゃん傘持ってる?」
ティア「あー、置いてきちゃった…… 取ってくるね」
スイ 「うん、じゃあここで待ってるよ?」
ティア「うんー、まっててー」

ティア「えーっと…… あ、あったあった。 よかった……」
???「あっ……」
ティア「んん? あっ、む……」
コフィ「んー……」
ティア「ふんっ」
コフィ「……」

スイ 「あっ、ティアちゃんおかえり〜。雨、さっきよりは少し収まったみたい。 今のうちに帰ろー?」
ティア「うん」
スイ 「……ねえティアちゃん」
ティア「なーに?」
スイ 「……今日は何かあったの?」
ティア「……」
スイ 「なんか、さっきから元気ないから…… どうしたのかなって」
ティア「……別に、なんでもないよ」
スイ 「本当に……?」
ティア「うん、ほんと」
スイ 「そっか…… わかったよ」

ティア「……」
スイ 「……」
スイ (いつもはずっと話しかけてくるのに…… やっぱり何かあったのかな)
スイ 「ねえ、ティアちゃん」
ティア「……」
スイ 「ティアちゃん? 聞こえてる?」
ティア「んあ…… なあに?」
スイ 「……やっぱり何かあった?」
ティア「……」
スイ「何かあったなら話して欲しいな。誰にも言わないから……ね?」
ティア「……」
スイ 「ティアちゃん……?」
ティア「……ちゃった」
スイ 「え? ごめん、もう一回……」
ティア「ティアのお気に入りのボールペンが壊れちゃったの……」
スイ 「あらら……」
ティア「ティアがボールペン落として、そしたらコフィちゃんが踏んじゃって……」
スイ 「うんうん」
ティア「それで、ティアが怒って、コフィちゃんとケンカしちゃった……」
スイ 「そうだったんだ……」
ティア「うん……」
スイ (となると、今日コフィちゃんと帰らなかったのもそれが理由かな……)
スイ 「ティアちゃん」
ティア「なにー?」
スイ 「コフィちゃんとは……仲直りしたの?」
ティア「……ううん、してない」
スイ 「そっか……」
ティア「うん……」
スイ 「……ティアちゃん、仲直りはさ、早い方がいいよ」
ティア「……」
スイ 「ケンカした後は話しかけづらいけど…… でも、時間が経つともっと話しづらくなっちゃうから……」
ティア「……うん」
スイ 「うん…… あっ、この辺でお別れだね」
ティア「ふぇっ? あー、もうここまで来たのかー……」
スイ 「ごめんね…… スイ、今日はお出かけしなきゃいけないから…… また明日、ね?」
ティア「うん…… ばいばい」
スイ 「うん、じゃあねー……」

ティア「……」
   「ただいまー……」
   「……」
   「つかれたー……」
   「……」
   「スーちゃん、仲直りしなって言ってたよね……」
   「うーん……」

ティア「……」
???「はい…… あ、貴方は……コフィの友達?」
ティア「あっ、えーっと、コフィちゃんのお姉さん……?」
エス 「そう。 コフィなら部屋に居ると思うから、上がって」
ティア「はい…… おじゃまします」

ティア「……コフィちゃん」
コフィ「へっ、ティアちゃん……?」
ティア「……」
コフィ「……は、入ってきていいよ」
ティア「うん……」
コフィ「……」
ティア「ご、ごめんなさいっ」
コフィ「いや、そんなっ、こっちこそ…… ごめんね……」
ティア「ティア、いじけちゃったから……」
コフィ「ううん、私もよく見てなかったし……」
ティア「うん…… 仲直り……しよ?」
コフィ「うんっ……!」


-後日-
コフィ「ティアちゃんティアちゃん」
ティア「?」
コフィ「今度の土曜日、ちょっと2人でお出かけしない?」
ティア「おでかけー!? やったー!行くー!」

コフィ「ふー…… 着いたね〜」
ティア「ふわあ…… たくさん歩いたから疲れたー……」 
コフィ「そうだね…… ティアちゃんもそろそろ自転車乗れるように頑張ってよー……」
ティア「うっ…… が、がんばります」
コフィ「ふふっ、まあいいや。 とりあえず中入ろう?」
ティア「うんっ!」

ティア「やっぱりここは広いね〜」
コフィ「ねー、色々売ってるし、目移りしちゃう」
ティア「そういえば、今日は何しに来たのー?」
コフィ「お買い物だよ〜。 とりあえず、ついてきて?」
ティア「うん!」

コフィ「えーっと…… ここだね」
ティア「……ぶんぼうぐやさん? って言うんだっけ?」
コフィ「そうそう。この前、ティアちゃんのペン壊しちゃったから…… お詫びに……ね?」
ティア「ふぇ!? い、いいの……?」
コフィ「うん! ティアちゃんが好きなやつでいいよ。 ……あんまり高いのはムリだけど」
ティア「わーい! なにがいいかな〜」
コフィ「あっ、ちょっ、走らないのー!」

コフィ「あっ、ここに居た」
ティア「あー、コフィちゃ〜ん」
コフィ「もう…… 急に走らないでよー」
ティア「えへへ、ごめんごめん」
コフィ「……ところで決まった?」
ティア「ん〜…… おなやみ中だったり……」
コフィ「そっかそっか。 ゆっくり選んでいいよ? 私も色々見てるから」
ティア「は〜い」

コフィ(あっ、これ可愛い……)
ティア「むー……」
コフィ(ん、これお姉ちゃんが持ってるやつだ。結構いいお値段するんだ……)
ティア「ぐぬぬ……」
コフィ(あ、これ私が持ってるやつだ。新しいカラーのも出たんだ……)
ティア「……よしっ!」
コフィ「ん、ティアちゃん決まった?」
ティア「みてみて〜これ」
コフィ「んー? ……って」
ティア「ネコちゃん描いたの〜 かわいくできたよ〜」
コフィ「もー! ティアちゃんってば!」
ティア「あっ…… 忘れてた……」
コフィ「まったくー……」
ティア「え、えへへ……」

コフィ「そろそろ帰ろっか」
ティア「そうだね〜」
コフィ「結局あれでよかったの?」
ティア「うん!ティアじゃ決められなかったから、コフィちゃんが言ったやつが一番かな〜って」
コフィ「……そう。 ま、まあ良かった」
ティア「うん! ありがとねコフィちゃん!」
コフィ「ううん、ティアちゃんが喜んでくれたなら良かったよ」

 ……その後、家に帰ったティアちゃんは新しいボールペンをしばらく眺めたり、カチャカチャしたりしながら、月曜日が来るのを今か今かと待ったのでした。
そして月曜日には新しいボールペンで勉強を…… と思いきややっぱり落描きに使ってましたとさ。めでたしめでたし。


-おわり-

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