読書録2018#1
2018年1冊目
沢木耕太郎 無名
本の選び方はいつも適当。
大体好きな作家の書棚に行って、その付近の本も見て、目に留まった作品の帯、裏表紙の解説を見て決める。
今回は、元々好きな沢木耕太郎の作品に加え、父親との関係についての作品だと、裏表紙の解説から知り、即決した。
私は多分、この世代の女性としては、ものすごく父親が好きな方だと思う。
というよりこれまで嫌いになったことはない。父親の下着と自分の下着を一緒に洗濯しないで、みたいな感覚も未だに分からない。
そんな父親が高校の時に病に倒れてから、ものすごく、家族関係の作品に惹かれるようになった。そんな訳で今年の1作品目はこちらに決めました。
とにかく、筆者にとっての父親という存在の大きさが伝わってくる作品。それが所謂大黒柱としての父親像とは異なるところがまた興味深く、共感できる部分でもありました。
父親はなんでも知っている、どんな質問をしても答えてくれる、それは私にとっての父親像もまた同じ。いつになっても追いつけない、そんな存在。
筆者は父親をずっと畏れていたという記述がありますが、きっと、書くことを仕事にしている人にとっては非常に大きなことなのだろうな、と感じます。
人の死と向き合うこと、命と向き合うことがどうしても苦手で(得意な人なんていないと思うけど)、人一倍引きずってしまう気がしている私にとって、これから迎えるであろう家族のその時までに、しなくてはいけないこと、しておきたいこと、そんなことを考えるきっかけになった気がします。
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