MTG単語帳

【緒言】 

MtGAの日本語版実装により、多くの新規プレーヤーに参入してもらえることとなった。彼らの中には、強くなるために情報を集めようと記事を読んだり、放送を見たりしている人も多いと思う。しかしながらそこで一つの問題に直面することが考えられる。その問題とは、MtGプレーヤー間で使われるスラングがわからないことだ。これは私自身も経験したことである。幸いにも、一つ一つ調べればわかることではあるのだが、それは手間であろう。そこで私が今回そんな初心者の方のためにスラングや、わかりにくいルール用語をまとめることにした。 ここにまとめたのはあくまでスラングであり、知らないといけないわけではないし、現状身内で使っている表現を廃しこちらに統一するべきという意図もない。あくまで上達を目指した初心者の方々の一助になることを期待したものである。

【スラング一覧】


ア行

・アグロ
 軽いクリーチャーで素早くゲームを終わらせることを目指したビートダウンデッキのこと。
・アクト
ターン終了時まで一時的に相手のパーマネントのコントロールを得るカードの総称。語源は《反逆の行動/Act of Treason》から。
・頭でっかち
 パワーは高いがタフネスが低いこと。対義語にお尻でっかちがある。
・アドバンテージ
得を得ること。例として《予言/Divination》で二枚引くと手札が一枚増えるため1アドを得たことになる。手札アド、カードアド、テンポアドなどがある。略してアドとも。
・アンセム
自軍のクリーチャー全体に永続的なパワータフネスの上方修正を与えるパーマネントの総称。語源は《栄光の頌歌/Glorious Anthem》から
・アンブロッカブル
ブロックされないクリーチャーや能力のこと。略してアンブロとも。
・アーモドン
3マナ3/3の総称。リミテッドではシングルシンボルならばこの時点でそこそこの性能といえる。語源は≪訓練されたアーモドン/Trained Armodon≫から。
・インフェスト
全体にマイナス修正するカードの総称。語源は≪蔓延/Infest≫から。
・板
安定した行動やデッキのこと。語源は日本語の鉄板から。
・オールイン
一つの戦略やコンボにすべてをかけたようなプレイやデッキのこと。
・エディクト
相手に自身のパーマネントを選んで生贄に捧げさせるカードの総称。布告除去とも。語源は《悪魔の布告/Diabolic Edict》から。
・奥義
プレインズ・ウォーカーの一番下の起動能力のこと。多くの場合ゲームエンドに直結するほどの効果がある。
・置物
アーティファクトとエンチャントのこと。


カ行

・確定除去
破壊する、追放するなどと書かれたカード群の総称。クリーチャーのタフネスに依存しない、ダメージやマイナス修正を用いない除去のこと。
・火力
「ダメージを与える」と書かれたインスタントやソーサリーのこと。
・キーワード能力
 飛行や先制攻撃などのこと。
・キャンセル
確定打消し呪文の総称。語源は《取り消し/Cancel》から。
・キャントリップ
「カードを1枚引く」と書かれたカードのこと。複数枚引く場合は該当しない。略してキャントリとも。
・共鳴者
自分の手札を捨てることをコストとする起動効果を持つカードのこと。
・旧枠
 2003年に発売された第8版以前のカードのこと。外枠が今のカードと比べて茶色がかっている。第8版以降のカードを新枠と呼び、特に基本セット2015以降のものを新新枠と呼び区別する。
・熊
2マナ2/2のカードの総称。リミテッドではこれになんらかの追加効果がついたカードがデッキのベースとなる。語源は《灰色熊/Grizzly Bears》から。
・ケア
特定のカードやコンボにより状況が不利にならないようなプレイングをすること。
・ゲイン
ライフを得る、および回復すること。
・クラゲ
ETB効果でバウンスする効果を持ったクリーチャーの総称。語源は《大クラゲ/Man-o'-War》から
・クロック
場にあるダメージとライフから後何ターンで倒すことができるかの指標。転じてダメージを与える手段そのものをクロックと呼称したり、〇点クロックのように与えるダメージ量を表現することもある。
・クロックパーミッション
少数のクロックを展開し、相手の行動を妨害しながら相手を倒すデッキのこと。略してクロパとも。
・コンボ
数枚のカードで大きなアドバンテージを得たり、勝利にたどり着いたりすること。またそれを目指したデッキのこと。
・コントロール
除去や打消しなど、相手を妨害することを主眼におき、そこから少数のフィニッシャーにつなげてゲームを終わらせることを目的としたデッキのこと。
・コンバットトリック
インスタントタイミングでパワーやタフネスに修正を与えたり、先制攻撃などを付与したりするカードのこと。略してバットリとも。
・コンマジ
パーマネントのコントロールを奪うカードの総称。語源は《支配魔法/Control Magic》から。

サ行

・サーチ
デッキから特定のカードを探すこと。
・竿
リアニメイトするためのカードの総称。
・サクる
パーマネントを生贄に捧げること。
・サイクル
同パック内で特定のコンセプトに基づいて制作された類似のカード群。
・さまようもの
1/1のこと。語源は《さまようもの/Wandering Ones》から。日本ではなぜか人気がある。
・ジャイグロ
インスタントでパワーとタフネスに修正を与えるカードの総称。語源は《巨大化/Giant Growth》から。
・シャクる
カードやルールの挙動を利用し、そのカード単体で本来得られる効果に比べ、はるかに多大なアドバンテージを得られるようにすること。一例として複数体でブロックされた際にバットリなどを使って一方的に複数体のクリーチャーを打ち取ることが挙げられる。
・昭和
MtGは平成定期。マジックは本来すべて平成なのだが、昔のカードや環境のことを昭和と表現することがある。
・シナジー
複数枚のカードが互いに効果を強めあうこと。コンボは単体が弱いものを組み合わせて大きな効果をもたらすことを指すのに対し、こちらは単体で強い者同士が組み合わさってさらに少し強くなることを指す。
・ショック
2点火力の総称。語源は《ショック/Shock》から。
・スーサイド
ライフを払う代わりに強力な効果を持つカードや、それを利用した戦略のこと。語源は自殺を意味する英単語から。
・スケイズ・ゾンビ
3マナ2/2のこと。リミテッドですらバニラだと弱い。語源は≪スケイズ・ゾンビ/Scathe Zonbies≫から。
・スタック
呪文が唱えられた後解決を待つ間に置かれる別空間のようなもの。このスタックにある間に別の呪文や効果を重ねることもできる。
・スペル
広義では土地以外のカード全部。狭義ではクリーチャー以外の呪文、またはインスタントとソーサリーのこと。
・ソフトカウンター
相手に追加のマナの支払いを要求し、支払わなければ打ち消す打消しのこと。対義語として対象の呪文を確実に打ち消すハードカウンターがある。

タ行

・タイムワープ
追加ターンを得るカードの総称。語源は《時間のねじれ/Time Warp》から。
・タッパー
起動効果でパーマネントをタップするカードの総称。
・タツヨシ
3/2速攻のカードの総称。語源は《ヴァルショクの狂戦士/Vulshok Berserker》がボクサーの辰吉丈一郎選手に似ていたことから。
・ダブブロ
一体のクリーチャーを二体のクリーチャーでブロックすること。三体ではトリブロ。
・茶色
アーティファクトのこと。昔のカードはアーティファクトの枠が褐色だったことから。
・チャンプ
一方的に破壊されてしまう戦闘のこと。チャンプアタックやチャンプブロックと使う。
・チューター
カードをサーチするインスタントやソーサリーのこと。語源は教示者サイクルから。
・ディッチャ
アーティファクトやエンチャントを破壊するカードの総称。語源は《解呪/Disenchant》から。
・ティム
起動効果でダメージを与えるカードの総称。語源は《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》が魔法使いティムに似ていたことから。
・テラー
黒の確定除去の総称。語源は《恐怖/Terror》から。ダーバニとも。こちらの語源は《闇への追放/Dark Banishing》から
・テンポ
マナや行動回数のこと。詳しくはここでは説明しきれないので割愛する。
・ディスカード
手札を捨てること。
・常盤木
テーマや背景世界に関係なく収録される基本的な効果やカードのこと。
・トップ
デッキの一番上にあるカードのこと。
・ドロソ
カードを引くカードの総称。キャントリップは含めないことが多い。

ナ行

・ナカシュー
5マナ3/5の総称。語源は日本が誇る殿堂プレーヤー中村修平氏が≪スレイベンの純血種/Thraben Purebloods≫が二枚入ったデッキパワーの低いリミテデッキで3-0したことから。
・肉
クリーチャーの言いかえ。
・鍋
攻撃とブロックを禁止するエンチャントの総称。語源は《平和な心/Pacifism》が平和なべに見えたことから。英語名からパッシーとも。
・ネクラ
ETBでクリーチャーを破壊するクリーチャーの総称。語源は《ネクラタル/Nekrataal》から。

ハ行

・バーラン
自軍のクリーチャーすべてにエンドフェイズまでのパワー修正を与えるカードの総称。語源は《踏み荒らし/Overrun》から。
・パーミッション
打消しを多く積んだデッキのこと。パーミッションを相手にするとき、相手に許可を求めるように動かなければいけないことから。
・バーン
プレーヤーにダメージを与えるカードやそれらをメインにしたデッキのこと。
・バウンス
パーマネントを手札に戻す効果のこと。
・パイロ
全体にダメージを与えるインスタントやソーサリーのこと。語源は《紅蓮地獄/Pyroclasm》から。パウパーやレガシーでは《紅蓮破/Pyroblast》のことでもある。
・バニラ
効果がないクリーチャーのこと。基本的に弱い。派生してバニラに飛行や先制攻撃などのキーワード能力が少しだけついたものをフレンチバニラと呼ぶ。
・ハンデス
相手の手札を捨てさせる効果を持つカードの総称。ハンドデストラクションから。
・パンプアップ
自分のパワーを上昇させる起動効果のこと。
・ビートダウン
クリーチャーで殴り相手のライフを削りきることを目的としたデッキ、戦略。
・ピーピング
カードの効果で相手の手札を見ること。
・ピッチ
マナを払う代わりにライフを払ったり手札を捨てたりすることで唱えられるカードの総称。語源はこれらのカードを投げるように使ったことから。
・ファッティ
マナコストの重いクリーチャーのこと。
・フィズる
対象となるカードが解決前に死亡したり、呪禁を得たりすることで対象不適正となり呪文が消失すること。
・フォーマット
 スタンダードやモダンなどといった使用可能なカードを分ける取り決め。代表的なものにスタンダード、モダン、レガシーなどがあり、後に述べたものほど範囲が広い。
・フォグ
そのターンのダメージをなくすカードの総称。語源は《濃霧/Fog》から。
・ブリンク
パーマネントを一時的に追放し、その後もとに戻すカードのこと。一瞬だけの場合と、エンドフェイズまでのものがある。明滅、ちらつきとも。《語源は一瞬の瞬き/Momentary Blink》から。
・フルパン
すべてのクリーチャーで攻撃すること
・ボーライ
頭でっかちな速攻持ちクリーチャーの総称。語源は《ボール・ライトニング/Ball Lightning》から。

・ほぞ
1マナ以下のアーティファクトのこと。
・ボブ
毎ターンライフと引き換えにカードを引く効果を持つクリーチャーの総称。語源は《闇の腹心/Dark Confidant》のモデルとなった実在の人物から。
・墓地肥やし
墓地のカードを増やすこと、またその効果をもったカードのこと。墓地を参照するカードとコンボを形成する。
・ボトム
デッキの一番下にあるカードのこと。
・本体
プレーヤーのこと。顔とも。

マ行

・マストカウンター
打ち消さなければ大きく不利になるカードのこと。略してマスカンとも。
・マストブロック
ブロックしなければ負けてしまうクリーチャー、状況のこと。
・マナクリ
マナを生み出す効果を持ったクリーチャーの総称。
・マナスクリュー
土地が引けず、必要枚数以上の土地が置けなくなること。対義語に必要以上に土地を引いてしまうマナフラッドがある。
・マナファクト
マナを生み出す起動効果を持ったアーティファクトの総称。
・丸い
安定して一定以上の成果を上げてくれるカード、またそういったデッキやプレイングのことを表す形容詞。
・ミシュラン
一時的にクリーチャーになる効果を持った土地カードの総称。語源は《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》から。
・ミッドレンジ
マナ域をバランスよく散らし、序盤中盤終盤隙を失くしたデッキタイプのこと。弱点は少ないが逆に尖った強みも少ない。

ヤ行

・痩せてる
デッキが軽いカードばかりで構成されていること。
・優先権
呪文を唱えたり起動効果を使ったりする権利のこと。

ラ行

・ラスゴ
場のクリーチャーすべてを破壊、追放するカードの総称。略してラスとも。語源は《神の怒り/Wrath of God》から。
・ランデス
土地破壊するカード、戦略のこと。ランドデストラクション。
・ランパン
通常のセットランドとは別に土地を置きマナ加速を行うカードの総称。語源は《不屈の自然/Rampant Growth》から。
・ランプ
マナ加速すること。またそこからファッティにつなげる戦略やデッキのこと。
・リアニメイト
墓地のクリーチャーを場に出すこと、またそれを主眼に置いたデッキや戦略のこと。語源は《再活性/Reanimate》から。略してリアニとも。
・リクルーター
デッキからクリーチャーカードをサーチするクリーチャーの総称。
・リーガル
そのフォーマット内で使用されるカードのこと。またルール上適正なプレイングのこと。
・リムソ
クリーチャー呪文を打ち消すカードの総称。語源は《霊魂放逐/Remove Soul》から。
・リング
戦場に出てからそれが場から離れるまで他のカードを追放するカードの総称。語源は《忘却の輪/Oblivion Ring》から。
・ルーティング
カードを引き捨てる効果のこと。捨ててから引く場合も含める。この効果を持つパーマネントをルーターと呼称する。語源は《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》から。
・ロード
特定の部族や能力持ちに永続的なパワーやタフネスの上方修正など有利な効果を与えるクリーチャーの総称。

アルファベット

・APNAP
Active Player Non Active Playerの略。現在のターン進行をつかさどっているプレーヤーがAPである。最初は優先権はAPが所持しており、APが行動を行った後にNAPに優先権が渡される。
・bye 
不戦勝のこと。大会によってはプロプレイヤーやPWP一定値以上などの条件を満たすと最初の数ラウンドのbyeがもらえることがある。
・CMC 
Converted Mana Costの略。点数で見たマナコストのこと。マナシンボルを考慮せず、必要なマナの総数だけを数えたもの。「Xマナ以下のカードを」などと書かれたカードはCMCを参照する。マナコストを払わない、軽減され変化した場合などでもCMCは変化しない。
・ETB(cip)
Enter the Battlefield( Comes into Play)の略。場に出たときに誘発する効果のこと。
・gg
 good gameの略。負けを認めた側が先に言う言葉であり、有利な側が先に使うのは煽り行為と扱われることが多い。
・ID
Intentional  Drawの略。合意の上での引き分けのこと。ルール上認められている。
・tier
環境におけるデッキの立ち位置を示す指標。Tier1は一番数が多いデッキを示す。割合の話であり、必ずしも強さを表すわけではない。
・pig
Put into Graveyardの略。墓地に行くことで誘発する効果のこと。
・PWP
Planes Walker Pointの略。イベントに参加することでたまっていく。参加資格にPWP一定値以上が設けられている大会もある。


【後書き】

 

初のMTGの記事執筆であり、至らぬところも散見されたかと思うが本記事を読了していただけたことに感謝申し上げる。 追加や訂正などは意見があれば時間の許す範囲で行う所存であるので、なにかあった場合は@MtG_Momiji_t_GにDMを送っていただきたい。 反響や要望次第で今後もなんらかの記事を執筆していく。

【謝辞】


この記事はたくさんの方から貴重なリプライを賜った上での成果であり、リプライをくださった方々や、RTによる宣伝を行ってくださった方々に深い感謝を申し上げます。また、本記事の校正を申し出てくださった、さんごしょ様(@humming_sango)に厚く御礼申し上げます。

【参考文献】


MTG Wiki(www.mtgwiki.com) 2019/03/17閲覧 

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