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星組ブルーのマスクで観劇を

23時に男役憑依で帰宅する三十路越え

昨日、お義姉さんと東京宝塚劇場にて星組公演『1789 バスティーユの恋人たち』を観に行きました。

宝塚観劇はいにしへの小学生時代にテレビでものすごく観ていて以来になります。天海祐希さんや今でいうガールクラッシュな女性にトキメキを覚えたのはこの頃からです。

今回伺った公演が宝塚友の会(宝塚の公式ファンクラブ)優先公演というもので、基本的には会員しか観ることが出来ない公演でした。

つまり、来場者は全員ガチ勢。

誘ってくださったお義姉さんもまたガチ勢ということになるので、ガチ勢やお義姉さんにも失礼のないよう清楚でエレガンスな衣服を調達し、当日のお出掛け前にはお風呂に入り直して身を清めました。

来場者は9割強が女性で、身なりは意外にもエレガンス系からカジュアル系まで多種多様な印象を受けました。

全体の雰囲気としてはやはり宝塚愛好家の皆様、そこはかとなく気品に溢れており、界隈によってこうも漂う空気や香りが異なるのかとおすまし顔で非常にワクワクしておりました。

そして一番ドキドキしていたお義姉さんは大変フレンドリーな方でした。

宝塚のことを教えてくださったり、雑談で一緒にゆるっと盛り上がってくださったりと開演前までもれなく楽しく過ごすことができて、すぐ大好きになりました(チョロ義妹)。

そしていよいよ開幕。

『1789 バスティーユの恋人たち』は、贅沢三昧の貴族達によって貧困を強いられた民衆達がフランス革命の発端となる「バスティーユ襲撃」を起こすまでの物語を描いています。

貴族に父を殺されパリの革命派へ身を投じることとなった青年と、マリーアントワネットに仕える侍女が混沌の世の中で恋に落ちていく物語です。

お義姉さんがゲットした席は1階席5列目の真ん中寄りという推しのライブだったら相当良いファンクラブ席のような場所だったので、役者さん達や舞台と銀橋の間から聞こえるオーケストラの演奏、華々しい舞台演出の迫力がダイレクトに全身を駆け巡りました。

役者さん達が銀橋に来たときはほぼほぼ等身大を見上げるかたちでの観劇。あまりの近さに戻れなくなるんじゃないかと思うほど世界観に没入してしまいました。

私が特に胸打たれた場面はマリーアントワネットのこの上なくゴージャスな登場シーンとヒロインであるマリーアントワネットの侍女の可憐可愛さ、ルイ16世の弟のシビレる邪悪妖艶さ。

マスクに格納された口はずっと開きっぱなしでした。

また、重厚な物語の中に登場するひょうきんな秘密警察3人組によるお客さんいじりがあったり、ジャンル豊かな楽曲やダンスに魅了され続けたりと、小学生時代にテレビで観ていた宝塚とはひと味もふた味も違う物語展開がとても楽しかったです。

物語のラストシーンは開いていた口がマスクから飛び出しそうになるくらい開いてしまいました。いやもう飛び出ていたかもしれません。

私達が今当たり前のように享受しているこの自由は物語に出てきた彼らの存在や数多の犠牲や悲しみの上に成り立っているのだなあと思いました。

物語が終わると、これまたテレビでしか見たことがないショーが始まりました。

ラインダンスや役者さん達が優雅に降りてくるあの階段、娘役の方々の伸びやかな高音、男役の方々の凛々しく美しいダンス、あの煌びやかな衣装、花とリボン、トップスターが背中にまとう豪勢な羽。

私は完全に口を閉じる機会を逸してしまいました。

劇中ではヒロインの侍女を演じていた娘役トップの舞空瞳さんが最後にまとっていたピンクのミニスカートにエメラルドのニーハイブーツの衣装が思考が宇宙に飛びそうになるくらい可愛くて胸がときめきました。

ショーが終わったあと、劇中では主人公の青年を演じたトップスターの礼真琴さんのご挨拶がありました。

「今回は友の会特別公演ということで"今日はお友達が見に来てくれているぞ!"という気持ちでステージに立ちました」と仰られていたのがほっこり面白くてとても印象的でした。

初めての宝塚生観劇がこの公演で本当に良かったな、良すぎたかもしれないなと思うほど素敵な時間を過ごせました。

お義姉さん曰く、宝塚観劇は友の会に入っていてもチケット入手がなかなかに難しいとのこと。

機会に恵まれることがあれば、また是非観に行きたいなと思いました。

サポートいただくと明日がちょっと愉快になるとかならないとか。