名前はまだないの独り教育再興戦略日記②

(1)GIGAスクール構想について②
 まずは、wi-fi環境の整備、またクラウドの活用が急務である。児童生徒にタブレットを配ったところで、インターネットを自由に使う環境がなければ、将来インターネットを使うための練習にしかならない。
 今までは練習でもよかった。年間に何度かPC室にクラスでいき、電源の入れ方やドラックのしかたを一つひとつ教えておけばよかった。いや、だからこそよくなかった。学校で行うパソコンの使い方の指導と、児童生徒が私生活で使っているスマートフォンの性能が乖離し始めたからだ。端的に言うと、私生活で使っているスマホの方が、圧倒的にフレキシブルで、楽しいものなのである。電話やメールなどの友達とのやり取りは当然のこと、SNSを使った不特定多数との交流、動画サイトの自由にサーフィンしたり、動画をアップしたりゲームをしたりしている。
 学校での使い方は古くて、つまらないもの、私生活での交流やゲームでの使い方の方が楽しい。このような状況を変えなくてはならない。つまり、学校でICTを使った学習活動を行う際には、圧倒的にフレキシブルで楽しい学びを与える必要がある。これからを生きる若者達にとって、学校は将来を生きる力を学ぶ、実践をする場所でなくてはならない。
 前置きが長くなった。前回は前置きだけで終わってしまった。さっさと本題に入りたいのだが、もう一つ前置きを。
 もし、学校にwi-fi環境が整っていたら、またクラウドの活用が進んでいたら。4月の緊急事態宣言後、1ヶ月ほど、職員を分散出勤にしたり、完全にテレワークを導入したりした組織は多かったと思う。学校も分散出勤にしたところが多かった。しかし、学校の個人情報は持ち出せない。PCも持ち出せない。家に何もない教員は、教科書を眺め、手書きで学習プリントを作るという昭和な仕事を極めて緩慢なスピードで行っていたようだ。家に機器がある教員でも、他の職員と会議を行うこともできず、電話などでやりとりし、あいまいな方針を共有して、個人で作業に当たった。おそらく生産性はとても低かっただろう。
 wi-fi環境があれば、職員同士でTV会議システムを使ったり、SNSのグループ通話を行ったりし、生産性の高い方針共有ができたはずだ。また、同じクラウドを共有していれば、学習プリントを同時に編集したり、必要に応じて細かいTV会議を行ったりすることもできたはずだ。学校組織のほとんどは、テレワークに対応できていなかったのだ。
 まずは、環境を整えること。職員の意識を変え、働き方自体を大きく変えること。環境さえ整えば、職員の意識さえ整えば、職員がもっと自由に働くことができる。自由な発想で、児童生徒に本当に役に立つ、生きる力を与える教育活動を行うことができる。
 では、環境が整った上で、どのような学習活動を行うことができるか。そのためのさらなる環境整備にはどのようなことが考えられるかについて、述べていきたい。と、また前置きでここまで書いてしまった。続きは次回書くこととする。

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