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ドラマ『MAD MEN』

60年代のニューヨークの広告業界を舞台にしたドラマ。人間の欲望、業の深さが垣間見える。

 既に放映が終了したBSチャンネル・D-lifeで毎週放送されていたアメリカドラマ。
シーズン3まで無料放送されていて、AmazonPrimeVideoでシーズン4から見始めた。日本のBSチャンネルでシーズン3までの放送になったのか何となく感じ取れる描写が多かった。
日本人やアジア人対するやや差別的と思われる表現があり、あまり気持ちのいいものではなかった。60年代の白人の視線はそういうものかと逆にリアルさを感じることで納得した。そこまで他のシーズンにも差別問題に繋がる表現はあるが、反面教師的な視点で見ると、何故世界で人種差別や性差別について平等を求められるか理解できるようになった。

 60年代のニューヨークには夢や希望もあるものの、日本でいうバブル的な無茶苦茶さもあり、ヒッピー的な薬物乱用もあり、狂乱の時代。そして、このドラマは一見ビジネス成功者のドラマに見えるが、一番面白い部分は人間の描写である。このドラマから私は人生の在り方を学んだ部分もある。

 前半辺りは自暴自棄とも思われるような無茶な仕事ぶりで、家庭も何も顧みず、出世、お金、名誉、欲望のために奔走する男達、またその家族や恋人たちの苦悩が描かれている。
60年代の自由と経済的な発展を会社や社員の成長、成功を共に味わえてとても面白い。

  後半は会社の斜陽と再生、そして、人間と愛についての表現がぐっと増える。
どんなに成功しても、沢山のお金を手に入れても、社会的地位を得ても、その根底には人があることを忘れてはいけない。物理的な豊かさなどでは補えない部分が人の心の奥底にあり、結局は全て自身の中にある愛が重要となってくる。それに気づき、どう向き合っていくのか。多少大げさに感じる部分もあるが、問題提起を投げかけられ、自身の人生の振り返りにも繋がり、共感できた。

 最初から最後まで全てがお勧めのドラマはそうはない。
しかし、このドラマはシーズンごとにテーマが変化していき、登場人物達と一時代を過ごしたような気持ちになれる。良いことも悪いことも全ての現実を受け止め、成長し成熟していく事を教えられたと思う。

是非、このドラマを観て60年代の人生を追体験してほしい。

MAD MEN(マッドメン) Wikipedia

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