見出し画像

海へ行こう


「若いということは、
海が見たくなるということだ」


なんて言葉はない。
なんの根拠もない。
けど俺はそう思うことがある。

海は怖いけど、
行くのは好きだ。

学生時代には毎週のように
誰かしらの運転で夜な夜な海へ繰り出していた。
横浜から九十九里浜までいろんなところへ。

最近は釣りにハマっていて、
友達を誘ってはよく針を垂らしている。

もちろん素人がそう都合よく
釣れるわけもなく、
何度も何度も竿を振るわけだが
俺にはその時間さえも愛おしい。


髪を撫でる磯臭い風や繰り返すだけの波音、
小さな魚影、揺れる海藻たちが
深い藍色の広い海の底にはたくさんの生き物たちが確かに暮らしていることを感じさせてくれる。


そしてその多様な生き物たちのことを思うと
自分も含めた数多の生命たちの故郷であることを改めて知らしめられる。

俺の大好きな歌詞に

「人が海に戻ろうと流すのが涙なら
抑えようがないね」

っていうのがあってさ、

すごくロマンチックだと思わない?
初めて読んだ時に
「なんて素敵な歌詞なんだろう」
って思ったんだよね。

こんなところで他人の歌詞を解説するなんて
野暮はあまりすべきではないと思うんだけど

「海」と「戻」と「涙」

漢字を使う民族として、
日本人として日本語で歌詞を書くなら
こんな歌詞を書きたいと思う。
もちろん日本語を話さない人にはなかなか伝わらないと思うけどそれでもいいから書きたい。

実は具体的に書いてないだけで
海を目指してたり、海辺にいるような歌詞は
いくつかあるんだよね。



なんか命と海には切り離せない絆みたいなものがあるような気がするなぁ。
憧れとも少し違うけど、尊敬とか信頼みたいなそんな気持ち。

小さい頃は空の青さは、
海の濃い青を太陽の光の白で薄めたから
水色なんだと思ってた。

大きくなって全然違うってのはもちろん知ったわけなんだけど、
理屈では説明できない遥な存在だとは思ってた。

だから都会の喧騒に嫌気がさしたら
海に行ってみてほしい。

お気に入りの一曲を連れてでもいいし、
大切な人とでもいい。
朝でも夜でもいい。

なにか解決してくれるわけではないけど
そこにあるだけ。いるだけ。

なんか音楽と同じかもね。
4分ちょっとが宇宙旅行になるように、
そこいる間の時間は安らぐと思うから。

いつか海の見える街に住んでみたいな。

レイメイ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?