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【編み物自由研究】本当に満足できる円の継ぎ目消し法を徹底検証[2024.4更新]

はじめに


かぎ針編みの円の継ぎ目の処理方法は
多種多様にあり、有り難いことに
今は編み物クリエーターさんたちが
SNSでシェアした工夫や方法論は
簡単に数多く手に入ります。

情報が豊富にあるにもかかわらず、
いまだに個人的に一番しっくり来るやり方に
出会えずにいます。

なんだかんだで
常に新しいやり方をサーチしたり、
我流を考えたり、複数のやり方の間を
行き来して微調整したりしています。

そろそろ本腰を入れて、
一度各種やり方を精査して
現段階のマイ正解を固めておこうと
思いに至りました。

今回は、主流のやり方の中で
特に効果的な編み方を厳選し、
自分の工夫や試行錯誤も加えつつ、
サンプルに編んで改めて検証、研究します。

ゴールは、当面これにすると思える
マイベストのやり方を見つけることです。

思えば初めてかぎ針を手に取って
最初に編んだものが円でしたが、

まさかそれの編み方を探す旅が
あれからずっと続くとは
予想しませんでした。

今回で最終最強ファイナルアンサーと
出会えるとは正直思っていませんが、

一度ここでちゃんと
向き合ってみたいと思いますので、

お付き合いの程よろしくお願いいたします。


検証方法と流れ


全体の流れはシンプルです。

厳選した7種の
円の継ぎ目処理方法を
順にサンプルに編み、
良い点と気になる点のCON/PROを
並べて比較検討していきます。

便宜上の仮称を編み方ごとにつけましたが、
浸透した正式名称ではないので
ご注意ください。

手順などが分かりやすいように
先人クリエーターさんの
関連動画も合わせてご紹介します。


継ぎ目以外の部分で
個人的に採用している円の編み方は、
下記の通りです。

補足:継ぎ目以外の部分の編み方について

・サンプルは細編み
 (長編み、中長編み特化の継ぎ目処理について今回は割愛します)
・サンプルは6目スタート6段まで
・サンプルは同じ白の極太アクリル毛糸を使用
・角張り対策として各段増し目の位置が縦に並ばないようずらす
・段の最初の立ち上がりに特殊処理がない場合、奥側半目を拾う
・増し目は一目め手前側半目拾い、二目め頭全体拾う(足割式を除く)

それでは、はじめます。

検証の前に:継ぎ目問題の再確認


継ぎ目問題とは、
円の各段の立ち上がりが
悪目立ちすることを指します。

特殊処理を行わずに普通に円を編む場合、
各段の終わりと始まりの継ぎ目部分が
ボコッと浮き出てしまう現象です。

このように各段の立ち上がりが縦に並び、
継ぎ目として目立ってしまいます

各段の最初に立ち上がりを作らず、
続けて編む「ぐるぐる編み」を使えば
当然継ぎ目問題を生みません。

ただ、ぐるぐる編みの応用範囲に
限界があります。

立ち上がりを作らず
ぐるぐる編んでいくやり方は、
どちらかというと立体作品に向いています。

コースター、鍋敷き、マットなどの平面作品、
或いは形状と色の変わり目の管理が
必要な作品には向いていません。

理由は、ぐるぐる編みはらせん状に
円を広げていくため、
立ち上がりがないと、編み終わりに
前段との距離差を埋めるためのものがなく
ガクッとした箇所が処理できないためです。



らせん状に広がるぐるぐる編みは
この部分が埋められません


したがって、効率と仕上がりが安定する
立ち上がりありの円の編み方は絶対必須の
基本装備の一つとなります。

では、一緒に見ていきましょう。

検証1:うね式


検証結果レビュー

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補足コメント

何よりもほとんど通常と変わらない
手数の少なさに対し、効果がしっかり
実感できるところが一番のメリットです。

通常ではぷっくりと浮き出る箇所が
半目分へこむので、厚さのムラの緩和が
顕著に感じられます。

何よりも楽です。
労力対効果のコスパ(大事なことry(

検証2:鎖式

検証結果レビュー


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補足コメント

うね式の派生差分に近いものです。

うね式の場合継ぎ目ラインの
横線が緩いのが気になることがあり、


その対策として
次段頭の奥側半目の代わりに、
より近い、立ち上がりの鎖の目を
引き抜くことで、段と段をつなげる引き抜き
ラインが跨ぐ距離を半目弱分縮められます。

写真だと分かりづらいのですが、
だいぶ緩みが解消され、
ピタッと締まります。


検証3:前面式

検証結果レビュー

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補足コメント

使用毛糸を選ぶ方法だと思いました。

最も気になる点は、
段の最初の目は4本を包んで細編みするため
その部分だけ厚みが2倍以上になり、
増し目よりも突き出てしまうことです。

使用毛糸にもよりますが、
通常の継ぎ目消しのために
別の気になる違和感を出してしまう
方法です。



関連動画



検証4:ずらし式


検証結果レビュー

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補足コメント


ずらし式は前面式とは 
立ち上がりをどこに持っていくかについての
ロジックが同じで、
近い親縁関係にある処理方法と言えます。

前面式では4本分編み込んだ分厚い
継ぎ目処理箇所が縦一列に並んでしまい
違和感が出てしまう問題は、
ずらし式では毎段分厚い箇所を
ひとつ後ろにずらしていくことで、
分散、緩和しています。

分散されることで、
全体を見るときの悪目立ち度が
かなり軽減されました。

ただ該当箇所の分厚さは変わらないので、
使用毛糸にもよりますが、
編み地から突き出ているところの
違和感は多少気になります。



関連動画


検証5:足割式


検証結果レビュー

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補足コメント

上品な放射状に広がるV字柄と、
全体的に厚く丈夫に仕上がる編み地が
特徴な編み方です。

編み地の厚さがほぼ完璧に均一で
滑らかな触り心地になるのは
今回検証したすべての方法の中で、
この方法のみ叶えられます。

効果は間違いなく高いと言えますが、
他の方法と比較し、
労力、作業負担、消費時間などが
常時倍以上もかかるため、

コストパフォーマンスが良いとは言えず、
量産や普段用の編み方には不適です。

見栄え重視の平面作品やポイント使いなどに
活用したいと思いました。


もう一点は編み地の厚さです。
ここに注目して使い分けるのもポイントと
思いました。

通常は頭の2本の下の目を拾って
細編みするところを、
さらに下の足を割って編むので、
段と段の重なりが通常より増えます。

これにより、編み地全体が分厚く丈夫に、
仕上がりサイズが小さくなります。
結果消費毛糸も増えます。

かご底やコースターなど、
耐久性と安定性を求めて
二重底をつけたくなるものには最適で、

逆に柔軟性や伸縮性を必要とする
作品では避けた方が無難です。



関連動画


検証6:糸端式


検証結果レビュー


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補足コメント


この方法の編み方動画が公開されたときに
神か、と思い、しばらく感動的な
衝撃に浸っていたものです。

何よりも思想が本来の編み目の
自然の仕組みに沿っているため、
無駄と無理がない
洗練された美しさがありました。

個人的についつい気になってしまう点は、
糸端で作る段終わりのフェイク細編みは、
その前後の頭を上から括っているので、

足が作られず、
糸端目に隙間が出来てしまうことです。

段終わりの目が増し目である場合、
せめて-1の目の足がつくので、
違和感はほぼ気になりませんが、

増し目ではない単独細編みの場合、
段が重なっていくとどうしても
隙間が気になってきます。

また、この方法でも
細編みの場合、
継ぎ目ライン部分の編み地の厚さと
他の部分と比較するとムラが出ます。

じっくり見たり、
手で触ると継ぎ目ライン周囲に
違和感があります。

継ぎ目の目のキツさ調整などで
多少厚さや硬さのムラ軽減はできますが、
完全になくすことは不可能です。

強いて言えば、
この編み方の特徴でもある
段終わりを糸端で処理するという点を
利用して、通常糸で次段立ち上がりをする際
前後に1目程度ずらせば立ち上がり位置が
各段において分散され、より完全犯罪に
近づけるという発想はありましたが、

ずらし式と同様、
増し目位置計算に影響がでるので、
手放しに喜べない考えです。

隙間問題の解決にのみ注目した
派生方法は、次の検証で見ていきます。


関連動画



検証7:糸端式派生


検証結果レビュー


2024.4更新 最後の足作りに2本のループを使う形にアプデ

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補足コメント


糸端式の、段終わりが単独細編みの場合
隙間が出来てしまう問題への
我流対策の一つです。

段終わりの目からの引き出しループで、
その中を通った端糸を程よく締めておき、
これらの重なりが高さが足の隙間を埋める、
というカラクリです。

毛糸消費量が少なく、手順が複雑にならずに
効果をしっかり出せる方法です。

継ぎ目ラインのジグザグ形状を
若干強化してしまうことは残念ですが、
隙間を埋めることに加え、
締まり調整で継ぎ目ラインの全体を
細くするのにも有効ですので、

全体で見た時は継ぎ目の存在感を
より消せていることになります。

余談ですが、似たような発想の応用で
個人的に次段立ち上がりの際の引き抜きまで
糸端を使い、すぐさま通常糸に持ち替えて
鎖を作ることもあります。

これにより、立ち上がりの鎖完成後、
または次段最初の細編みひと目完成後に、
糸端を良い感じに引っ張って調整すると
立ち上がりの存在感をさらに消すことが
できます。

ただし節度とバランスは大切です。
締めすぎると立ち上がり部分の編み地だけが
硬くなり、また立ち上がりの高さ不足により
編み地が継ぎ目ラインを中心にねじれます。
したがって毛糸の性質も加味して、
ほどほどに調整し、最適な手加減を
探してあげる必要があります。

結論


お疲れさまでした!

ポピュラーなものの中で特に効果的な
7つをご紹介しました。

いかがでしたでしょうか。

ご紹介した各方法の効果は
使用毛糸と作品特徴との相性、
編み手の手加減と調整技術によって
変わってくるものです。

画像で伝えられる内容の限界もあり、
今回の検証結果を、
あくまでも相対的なものと
お考えいただけますと幸いです。


さて、目的である
個人的に今後当面の間採用したい
マイスタイルですが、
下記の内容と決まりました。


些少でも何かの参考になれば幸いです。
ご査収ください(o_ _)o

【総合力の基本スタイル】    糸端式派生(7)
【効率重視スタイル】      
うね式(1)または鎖式(2)
【見栄えと丈夫さ優先スタイル】 
足割式(5)


今後もまた何か気づきや
新しい編み方を思いついたら、
ご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

Wish you find your BEST Perfect Circle~
◯◎。- ̗̀ ( ˶'ᵕ'˶) ̖́-。◎◯


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