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モーニング娘。2ndアルバム「セカンドモーニング」を語る

今回は名盤、1998年7月にリリースされたセカンドモーニングです。
前回に引き続き、参加メンバーは1期、2期のみ。


1.NIGHT OF TOKYO CITY

妖しげなシンセサイザーの音から始まります。「ファーストタイム」は爽やかに「Good Morning」から始まったわけですが、セカンドはダークな入りです。NIGHTとナイト、CITYとタウンで、サマーナイトタウンを意識させるような曲名です(曲調もアレンジも似ている)。なので勝手にサマーナイトタウンのその後を歌った曲だと思っています。彼とドライブしていた街が「サマーナイトタウン」、彼に捨てられて孤独を彷徨ったのが「NIGHT OF TOKYO CITY」と解釈しています。つんくは、サマーナイトタウンという曲名が発表された時に飯田圭織が言った「良い。モーニングなのにナイトだから」と言ったのをとても気に入っていました。(飯田的にはただのダジャレみたいな感覚だと思いますけど)
とても勝手な解釈ですが、飯田のその一言を受けて、抱いてHOM!以降の方向性とこのセカンドモーニングの作風が誕生したと思っています。

この曲はアレンジが本当にカッコいいです。スタッカート気味のピアノで作られたリズムは小気味良くてノれます。特にラスサビ前のピアノアレンジはジャズピアノ系のアレンジで1番好きです。
コーラス、ハモリのボーカルの重ね方も綺麗で聴いてると自然にハモりたくなります。
モーニング娘。全体で、好きな曲ランキングTOP10には入る曲です。ライブなどであまり披露されていないのが惜しい。

2.真夏の光線(Vacation Mix)

5thシングル。僕には何がvacation mixなのかさっぱりわかりません。シングルverと何が違うのか。でも何かは違うんでしょう。
「トウモロコシと空と風」(安倍なつみ)と合わせて、「ハロプロ2大爽やかソング」だと勝手に思っています。どっちもメイン安倍なつみです。声の透明感と爽やかさでなっちの右に出るものはいないと思ってます。なっちありがとう( ● ´ ー ` ● )←古のネタ

3.Memory 青春の光

4thシングル。今でもたまにカバーされたりする名曲です。矢口のハモリ(通称:やぐハモ)をいっぱい浴びることができます。
この曲は歌詞が好きです。特に好きなのは、

疲れきった恋愛にこの部屋の鍵をつけて返すわ

Memory 青春の光

メモは破って捨てていいよ でも最後まで読んでよ ねぇ

Memory 青春の光

の2節。毎度思いますが、切り取り方が上手い。
振られて、合鍵を返さなければならないという行為の哀愁。 彼氏から合鍵をもらったときは本当に嬉しかったことでしょう、最大級の信頼の証ですから。鍵ってなくさないようにストラップを付ける人が多いですよね。主人公がそのタイプだったら、その鍵につけていたストラップ、どうするんでしょう。返すときに外して、捨ててしまうのか、物に罪はないし再利用するのか。僕ならもう見たくなくて捨ててしまいます。
そして、書き置いたメモ。手紙ではなくメモという呼び方なのは2人がよくメモ書きを置いて行っていて、今回の行為はその延長だからだと思います。○時に帰りますとか牛乳買ってきてとか、過去色んなメモ書きがあったと思うんですけど、最後のメモ書きの内容はなんだったんでしょうか。恨み節なのか、感謝なのか......。こんな風に色々妄想できるのがつんく詩の好きなところです。具体的なアイテムは出てくるけど、細部を書きすぎていない、絶妙なバランスです。

4.好きで×5

4曲目。なっちメイン、曲調はとびきりジャジーです。シングル4曲に挟まれているのに全く見劣りしない存在感のある曲です。歌詞は結構切ない片思いです。というか、ちょっとメンヘラっぽい。もう振られてるのにずっと好き好き言って泣いてるそんなイメージ。(ワイやん)

あなたのクセ真似をして泣いた ummm・・・

好きで×5

1番好きなのはここです。
失恋した後に、パッと無意識に好きな人の口癖を言ってたり、仕草を真似てたり、そういうのに気づいた時、すごく虚しいですよね。
好きな人が好きだったお菓子が食べられなくなったり、一緒に見たアニメとか映画とかに拒否反応が出たり、そうやって好きな人のこと思い出すトリガーになる外部のものをどんどん遮断しているのに、思いがけず、自分の口からあの人を思い出す1番の材料が出てきてしまう。あまりに虚しい。

このアルバムの中で、NIGHT OF TOKYO CITYと同じくらい好きで1推しです。

5.ふるさと  

6thシングル。もはや安倍なつみソロ。この曲は他の曲に比べるとあんまり好きじゃないです。僕は家族に自分のことを喋らないので歌詞に共感するところが全くない。自分が男性であるということも関係あると思うんですけど、「失恋」と「母の愛情」にシナジーを感じない......。あと、なっちヲタではあるんですが他のメンバーを全部後ろにやってコーラスにした布陣も好きじゃないです。(最初のモーニングセットのようなグループというコンセプトはどこいった)
曲自体は好きです(ずーっと入っているピローンという音がクセになる)
あと、Memory→好きで×5→抱いてHOMだったらちょっと作風が被ってて飽きそうなので、ここでふるさとが挟まってて曲順としてちょうど良い。

6.抱いてHOLD ON ME!(N.Y.Mix)

3rdシングル。シングルA面を前半に集めすぎだろとは思いますが、後半の曲もそこそこ強いのでご心配はいりません。こちらもN.Y Mixとなっていますがシングルverと何が違うのかわからない。この曲で紅白にまで出た初期モーニング娘。思い出の曲です。
この曲も曲は好きですが、歌詞はそんなに好きじゃないです。サビの歌詞が繰り返しすぎて飽きるし、細部の表現が適当な気がする。大好きな彼に振られそうで、でもなんとか繋ぎ止めようとしてるんだけど怖くて電話をかける勇気すらなくなっている主人公のセリフとして「OH NO HOLD ON ME 愛がない男ね・・・」てのはなんか違和感があります(僕だけですかね)
あと内容よりも語感で当てはめてるところが多くて好みじゃないです。
そして昔からダサいダサいと言われ続けているラップパートが本当にダサい。(笑)
後のDo it now!のラップパートは好きです。

7.パパに似ている彼

朝、家族がみんな寝てる隙に抜け出して彼氏とバイクデートする主人公。ちょっと罪悪感があるけど、でもお母さんは彼を気にいるはずだよ。だってパパに似てるもん。という、なんとも「つんくが作る曲のストーリー」らしいストーリー。こう説明しがたいつんくイズムを感じます。
男は母親に似ている女性を無意識に好きになると言われていますが、逆はあんまり聞かない気がする。

1番好きなのは、

髪の毛は (なぜだか) 赤いけど (だけど)
見た目より中身でしょ

パパに似ている彼

ここです。お前も良いと思ってないんかい!!というところが笑えます。
後の「彼と一緒にお店がしたい!」の

ムチャクチャな彼氏じゃないもん ほんのちょっぴり髪型変だけどそこが街で目立って 人気者だもんね

彼と一緒にお店がしたい!


に通ずるところがありますね。僕の後輩に彼氏の髪型にずっと文句を言っている女の子がいるのですが、それを聞くたびにつんくの歌詞世界の女みたいだなあとちょっと思います。


8.せんこう花火

ほとんど安倍なつみソロ曲。
彼と付き合い始めてから日記をつけている主人公。
いつの間にか日記帳も2冊目に。キスをした日にはハートの印を書くという浮かれっぷり。
今日は2人で線香花火をした。あなたの目に映った火がとてもきれい。2人の心の中の線香花火は、永遠に消えない花火にしようねって誓い合った。

この曲の歌詞、明らかに「赤い日記帳」に似てますよね。「幸せな赤い日記帳」みたいなイメージです。


赤い日記帳←→線香花火
・もうすぐ2冊目の日記帳を買いに行かなきゃいけないけど、振られそうだから迷っている←→ラブラブしてたらいつの間にか2冊目に

・他に好きな人でもできたのですか?と日記には書けるけど、聞けない←→キスした日にはハートの印

・愛は燃えるから消えるのですか?←→2人の心の中の線香花火、ずっと消えない花火にしようって誓ってくれた

同じ題材で二つも歌があることを考えると、愛が燃えるように赤い日記帳に日記をつけていたというのは誰かの実話なのかもしれないですね。(つんく本人の話かもしれないし、つんくの知り合いの話かも)
完全フィクションなら、幸不幸どちらの角度からも成立させているつんくの妄想力は凄まじいですね。
余談ですが、なんとなく後藤真希メインは強い女なのに不幸で、安倍なつみメインは感傷的ながらも幸せな曲が多い気がします。つんくはそういうイメージを2人に持っていたんでしょうかね...。

9.恋の始発列車(Album.version)

真夏の光線のB面です。この曲はちゃんとアルバムver.とシングルver.でアレンジが結構違います。シングルの方がギターバリバリでロックな感じ、アルバムverはピアノとシンセがメインで可愛い仕上がりになっています。その名の通り恋の始発列車というのは付き合ったばかりの2人のことで、この列車の行き先はわからないけどあなたとならどこにでも行くよ〜という歌です。これも夏の曲で、セカモーはとにかく夏のイメージで暑くなると聴きたくなります。

10.乙女の心理学

保田圭と市井紗耶香のメイン曲。今作の変化球枠です。変な曲ですが、パパ彼→せんこう花火→恋の始発列車と王道続きからの10曲目というめちゃくちゃちょうど良い場所にあるのでああ!丁度こういうの聴きたかった!となります。
歌詞は結構ふざけてます。私のこと好きですか?千葉県好きですか?とか言います。(保田は富津市、市井は船橋市出身。)つんくは後々セリフで大々的にふざけるようになるのでもしかしたらその元祖と言える曲なのかもしれない。(後述のダディドゥデドダディ!と合わせて)

11.Never forget(Large Vocal Mix)

福田明日香ソロ。この曲、本当に大好きで過小評価気味だと思うんですよね。もっと評価されていい。卒業式で歌っても良いと思います。(言い過ぎか)
個人的な感想ですが、この曲福田明日香の声と合いすぎて、後々歌った保田圭や鈴木香音のverをあまり聴く気にならないんですよね。卒業公演自体は2人の方が在籍日数も長いので感動するんですけど、Never forgetだけはどうしても......。僕はかなりのオリメン厨なのでこういうめんどくさいのが多いです。先に謝っておきますすみません。

12.ダディドゥデドダディ!

ラスト!この曲はそれはもうセリフで大遊びしています。むしろセリフが本体です。チェキっ娘をいじったり、他の曲の歌詞をぶっ込んだり結構無茶苦茶です。でもらこういう大団円的な終わり方は結構好きです。
1番好きなのは、

中学時代の思い出と ちょっと恋をしたり
サッカー部もいい 野球部もいい ブランドがいい
「かっこよくない?」 (矢口)
「だっさ」(市井)

ダディドゥデドダディ!

ここの市井の「だっさ」。1回聴いてみてほしい。
本当にださいものを見たときにしかでない100点の「だっさ」です。

総括

セカモーはやっぱり構成がいいです。途中で飽きない。最初暗く始まって、最後にハッピーになれるのも良いです。夏が始まるくらいの時に絶対聴きたくなります。
特に、
「NIGHT OF TOKYO CITY」
「好きで×5」
の2曲はシングルに劣ってない超名曲だと思います。この2曲と市井の「だっさ」だけは聞いてもらいたいですね。

では次は問題作「LOVEパラダイス」でお会いしましょう。

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