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【#27】ボクの細道:ボクを作ったもの (加筆修正版)

朋有り遠方より来る、また楽しからずや。そう、とりえずこれが言ってみたかった。だが、いざ友人を迎える番となって、ドイツでは季節が夏が過ぎて冬が来た。夏は「UNO!」と言わずにあがってしまったし、秋はスキップカードによって手番を飛ばされてしまった。そして、ボクはというと急激な気温の変化というワイルドドロー4にすっかり翻弄されて、風邪をひいてしまっていた。

最初の一日は、なんとか体を張って歓迎したけど、やっぱり持たなくて寮で一日寝かしてもらったりしながら、なんとか体調を戻した。が、そのころには友人も見事に風邪をひいていた。(ちなみにその前にはファミリーが来ていたりしていてどうにも疲れていた)

そんな風に原稿を書かなかった言い訳はこれぐらいにして、2022年秋の企画は、表題の通り「ボクの細道」である。察しの良い方はお気づきの通り、奥州道中と欧州道中を掛けただけの捻りもないタイトルである。早速だが、内容についても説明しておこう。

ボクは友人とふたり、我が町ドイツ・ハイデルベルクを発ち、ミュンヘン、プラハ、ウィーン、ブラチスラバ、そしてブダペストを経て、もうひとりの学芸の友人がいるポーランド・クラクフを目指す旅に出る。ポーランドで何泊か邂逅を楽しんだ後、そこからさらにひとりでセルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアを経てイタリアまで到達する旅に出る。(元気だったら)この旅行は全部で21日間の行程である。

それに対して、旅のカリスマこと松尾芭蕉は148日間で徒歩で、江戸・深川から奥州を徘徊して美濃・大垣までを旅している。その際、51首の秀逸な俳句を残している。

今回の企画では、近代兵器つまり鉄道やバスを利用する私に分があるので、芭蕉は前回の旅で貯めたマイレージをフルに活用して、「奥の細道」の7倍のペースで移動してもらう。記事執筆時点で試合開始から3日が経過しているので、本来の芭蕉であればまだ鹿沼にいるあたりだが、7倍芭蕉であれば余瀬と野羽で十分すぎるぐらいの休息をとったのちもうすでに那須・雲岩寺に到達している。

今回の企画でさらに重要なのは、7倍芭蕉は7倍のペースで俳句を詠むことだ。大垣までの間に計51首を詠むのである。これに対抗して私は21日間の間に芭蕉と同じ、51首を詠まなくてはいけない。ただし、芭蕉が7倍のスピードで移動するということは、特殊相対性理論の立場から見れば(見てないが)、当初の俳句の17文字から7倍の139文字程度になるのは妥当である。

140字。つまり、ツイートひとつ分程度の自由律詩を芭蕉より先に詠みあげて、ゴールへ到達しなくてはならない。なお、現在時点でひとつしか詠めてない私が圧倒的に不利である。なお、詩作の投稿は毎回記事にして出そうと思う。

そしてテーマは旅に関するものでもいいし、もしくは世間からだいぶズレて出来上がったボクを作ったものにする。

もし、EU圏外地域でWIFIが繋がらないことがあれば、生暖かい眼で見守ってほしい。それでは、月日は百代の過客にして、行き交う時もまた旅人開始。

溜めていたマイレージ使い旅へ出る松尾芭蕉とボクの細道
ハイデルベルク

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