パラオwithおとん:戦争の舞台を訪れた。
2015年9/26~30パラオwithおとん。
小学1年生の夏休みの登校日に、忘れられない衝撃的な映像を見させられた。核実験の模様や動物を使った戦争の為の実験…戦争ってあんなに怖いんだ。と、忘れたくても忘れられず、帰宅後はご飯が食べられなかったほど。おかんに、食べないと死んじゃうよ?と言われて、死ぬって、戦争で死んだ人たちみたいになるってこと?と思って、辛い夏休みだったのを思い出す。
中学生になると巡回に来たアウシュビッツ展に家族で訪れて、これもまたかなりの衝撃だった。人毛の毛布、人の脂肪で作った石鹸、ご飯も排泄も一つの洗面器を使用する、金歯やメガネのフレームの数々…戦争でこんな酷い事があって、人間が人間から搾取する恐怖が忘れられず、夜は妹と一緒のベッドで寝たのを思い出す。
そんな下地があるので、戦争は絶対にしてはいけないと心に刻まれてる。
広島・長崎はもちろん尋ねたし、知覧にも行った。ベトナム戦争資料館、サイパンも平和への祈りを捧げに行ったことがある。
今回も、前回のサイパンの平和への祈りの旅同様、おとんとともにパラオへ。
夜便でパラオに深夜1時着。送迎バスガイドさんが、パラオは島全体が工事の為今日は断水になると教えてくれた。大体の宿泊施設はタンクで給水だから大丈夫とのこと。宿に着いて、ひと眠り。7:00am起床。トイレに行くと既に断水…ってことは、この宿はタンク無しってことね…
ご飯なしのフリーツアー。朝食は近くのカフェで済ませた。午後にオプショナルツアーを入れたから、それまでは歩ける所を歩いた。南国の色鮮やかな花…綺麗。
オプショナルツアーはガラマスオの滝。軽いハイキングをして、森林を抜けると滝が!白糸の滝みたいな細い流れがいくつもあって、ガイドさんによると日によって水量が違うから見え方も違うとのこと。太陽の光が当たって虹ができてた。自然を満喫。
夕飯はパラオのシーフードレストラン。刺身。発泡スチロールケースには南国の色した魚や、大きい伊勢エビ、元気なカニ、奥のケージにはフルーツしか食べないコウモリ…
刺身はボリュームがあって美味しかった。隣の中国系カップルがコウモリ注文してた。スープで食べてた。身はほとんどない小さいコウモリだからね…
一応宿はパラオ中心部だが、お店は少ない。土産物屋も数件…非常にこじんまりした町。
翌日はフリーツアーに付いてるシーカヤックとミルキーウェイ。ボートで静かな海まで行って、人生初シーカヤック。日差しはヤバイが、無風で穏やかな海面。おとんと息を合わせて漕ぐ。我々は集団行動が苦手なもんだから、他のツアー客達から離れて楽しんだ。海水の透明度が素晴らしく、場所によって異なる海面下は不思議な世界。小さいオレンジ色の可愛いクラゲがたくさんいる所は楽しかった。オールが当たらないように注意した。
休憩の島に着いてお弁当。ここは色んなツアーの人たちが休憩してる島だった。中国系のツアーはその場でBBQしたものを盛ってる弁当で、羨ましかった(笑)。食後はこの島の浅瀬に足を浸からせながら歩いた。生温くて気持ち良い。
本日ハイライトのミルキーウェイ。海底に沈んでる白い泥が名物。かなりのエステ効果があるとのこと。ガイドさんが潜って泥をバケツに一杯持ってきたのをツアー参加者は船上で全身に塗りたくり、乾いたら石膏の彫刻状態。TDSにこういうパントマイムの人いたよね…塗りたくったあとは、ミルキーブルーの海へ飛び込んで泥を落とす。
自分は海水が塩っぱくて苦手。飛び込んでで口に海水が!「しょっぱ~いッッッ!」で叫んでしまった。近くにいた参加者に笑われてしまった…
この後は人生初でシュノーケリング。ヘェ~。こういう海の中の世界があるって事を初めて知った。水族館の中にいるみたいで、ずっと顔をつけてても飽きなかった。このシュノーケリングで、腿裏焼けたね…
最終日。我々の目的の平和の祈りペリリュー島へ。この日の天気は最悪。肌寒いし雨だし。ボートに乗ってることが修行。レンタルした合羽を羽織るものの、ボートは窓がないからフードかぶって、その口を手で押さえつけて合羽の中で小さくなって早く着くことを祈る以外なかった。
やっと到着。まずは、防空壕。島の結構な距離を掘った様だ。中には瓶類などが残ってた。米軍が上陸したオレンジビーチ、作戦会議をしていた今は廃墟となった建物、飛ぶ前に攻撃された戦闘機、戦車…サイパンにも戦車や似たような防空壕があったけど、パラオのは草木が覆って戦争の虚しさをより濃く留めている気がした。資料館も見学した。
昨日体験した綺麗な海があるこの島で、戦争資料が雨ざらしであった。パラオに来たら見るべき、知るべき事実だと思う。
昼食のお弁当の後、また雨足が強くなった。午後は中川中将が最期自決された場所へ。ツアー参加者はこの雨の為、バスから降りない人たちがほとんどだった。我々と女子大生2人を連れて、ガイドさんがその場所に案内してくれた。山の中で、歩き出すとすぐにスニーカーはビショ濡れ。おとんにこの事を言ったら、「兵隊さん達は、こんなことで文句は言わなかったはずだぞ」と言われてしまった。おっしゃる通り。中将が自決された場所にお線香をあげて、現在の日本の平和はあなた方の犠牲の上に成り立ってます。どうか安らかにお休みくださいとお祈りした。中将のご遺体はパラオのどこかに埋められてるとのことだが、今となってはどこなのかは分からないという。お子さんがいらっしゃらなかった中川中将は若い兵士をとても可愛がってたとのこと。中将が自決されたご遺体の引き取りを、奥様は若い兵隊さん達のご遺体が帰って来ないのに、中将だけ帰ってくるのは許されないとおっしゃって、拒否されたとのこと。だから、中将はパラオの地に眠っているとのこと。
つくづく、この戦争は何だったのだろうと思う。しかも、人の領土で繰り広げてしまって。パラオの人たちに申し訳ないと思った。
帰りのボートも修行。でも、こういう思いをした方が、少しは当時この地に赴いた兵士達の苦労を1mmは体験できたのかな…そのくらい、身体的に辛いツアーだった。
パラオ。人気のドーナツ屋さんは、午後には売り切れ続出。本当に美味しいドーナツだった。あとは、貝のラーメン。これには参りました。貝のから出た良い出汁と濃厚クリーミィーなスープが絡まり、本当に美味しかった。喉乾いても後悔しない!と思ってスープを飲み干した。
パラオは、色んな体験をさせてくれた。自然と海と戦争の爪跡。行って良かった。
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