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[水族館レビュー] 島根県立しまね海洋館アクアス 2023/08/05訪問


2023夏の水族館巡り、2館目です。幼少期からずっと行ってみたかった水族館についに行くことになりました。

今回も構成は
・基本情報
・順路構成
・見どころ紹介
・個人的に良かったポイント
・写真集
・総括

となっています。文章読むのめんどい!という方は目次から写真集の方へ飛んで頂くことを推奨します。

では、今回も最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

基本情報

  • 営業時間 9:00~17:00(時期によっては18時閉館)

  • 入館料 おとな1550円

  • アクセス JR波子駅から徒歩約15分 or バス停「アクアス前」から徒歩3分

  • 公式HP

館内にはシロイルカ(ベルーガ)をメインコンテンツとして、島根の近海や世界の海に生息する400種1万点の生物が展示されています。

それでは、早速本編の方へ入っていきたいと思います。

順路構成

大きく分けると、
・近海の海中風景や地元の神話を再現した「日本の海」
・世界の様々な海域を再現した水槽が並ぶ「世界の海」
・水族館の人気者たちに会える「海獣ゾーン」

の3つのエリアがあります。

この3部構成になっている水族館はちょくちょく見かけます。オーソドックスな切り口ですね。実際、日本の水族館におけるほとんどの展示はこの3つのいずれかに大別することができると思います。展示エリアが4つ以上ある他の水族館も、この3つの展示エリアに分類できるケースが多いです。順路に沿って並んでいるとは限りませんが。

また前回も書きましたが、公営の水族館は民営の水族館に比べて社会教育的な展示や解説の量が多い傾向があり、ここアクアスにも当てはまっています。さらに追加情報として、入館料が安いという特徴もあります。民営の水族館は規模や立地によって2000〜3000円が相場となっている一方で、公営の水族館は1000〜2000円が相場となっています。

見どころ紹介

ここでは、水族館のメインコンテンツとされる展示エリアなどを中心に解説していきます。いわゆるメジャーな展示ですね。

①唯一無二のシロイルカパフォーマンス

2頭のベルーガとダイバーさんが登場します。
パフォーマンススタジアム概観。

この光景が見られるのは開館直後と閉館直前だけです。今回は開館直後の様子を撮影しています。朝イチで入館すると人気のスポットを独占できるのでおすすめです。

水槽内には遊び道具のボールが入っています。
可愛い!!

現在国内でシロイルカ(ベルーガ)を飼育・展示している水族館は以下の4館となっています。
・鴨川シーワールド(千葉県)
・横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)
・名古屋港水族館(愛知県)
・島根県立しまね海洋館アクアス(島根県)

このうち、名古屋港水族館以外の3館はシロイルカパフォーマンスを行っています。しかしタイトルは「唯一無二のシロイルカパフォーマンス」としました。その理由は、ここでしか見られないオリジナルの特技にあります。

アクアスのパフォーマンスはシロイルカの特徴や生態の解説を中心に、さまざまな特技を披露する構成になっています。この時点では鴨川のものと大差ないのですが、ここでしか見ることができない「3つのリング」が大きな差別点となっています。

1.バブルリング

口から小さな空気のリングを出す技です。


2.マジックリング

頭上の噴気孔から大きめの空気のリングを生成する技です。


3.ミラクルリング

マジックリングを発生させると同時にその中をシロイルカがくぐる技です。

noteには動画を載せることができないので、ここでは画像のみ掲載します。実際の動画はYoutubeで検索すれば出てきます。

これらの特技は、元々シロイルカの遊びの一環で行われていたものをパフォーマンスとして取り入れたものだそうです。

実際に見ると写真や動画以上の感動があるので、ぜひ見に行ってみてください。

②シロイルカを日本一綺麗に見れる水槽「別館シロイルカ繁殖プール」

概観。

アクアスにはパフォーマンス用のプールだけでなく、繁殖を目的として別館に作られたプールもあります。

そしてこちらの別館シロイルカプールは、国内の水槽の中ではダントツで綺麗にシロイルカを見ることができます。その理由を3つの観点から説明します。

先ほども紹介しましたが、現在国内でシロイルカを飼育・展示している水族館は
・鴨川シーワールド(千葉県)
・横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)
・名古屋港水族館(愛知県)
・島根県立しまね海洋館アクアス(島根県)
の4館でした。

まずこの中で、シロイルカをはっきりとメインコンテンツに据えている水族館はアクアスだけであるということです。鴨川と名古屋ではシャチの影に隠れてしまっていますし、八景島もかつてはCMなどに登場していましたが、現在ではそこまで強くPRされなくなった印象です。さらに、4館のうち2つ以上の展示エリアを有しているのはアクアスのみです。これらの情報から、館内におけるシロイルカの立ち位置が明らかに他の水族館と違うことがわかります。これほどまでにシロイルカに対する愛と情熱を感じる水族館は初めてで、力の入り具合が違うなと感じました。

大きい方のプールにはメスのベルーガが3頭います。

次に、水槽の構造です。ショーでしか見れない八景島は言わずもがなですが、鴨川は通路の床よりも高い位置に水槽があるため、大人はともかく子供は見上げる形になってしまって間近で見ることが難しくなっています。また名古屋港では楕円形の水槽に沿ってアクリルガラスが設置されているため、水槽の近くで見ようとすると屈折の関係で目の前に来た時しか綺麗に見えません。アクアスのパフォーマンススタジアムも同様ですね。アクアスの別館は平面のアクリルガラスでかつ、アクリルガラスが床の高さから貼られているため、他と比較にならないほどの見やすさが保証されているのです。

最後に、水槽の色です。鴨川と名古屋港は水槽内の色に緑が混ざっています。特に名古屋港では展示名が「オーロラの海」となっており、水槽内は青色よりも緑色に近くなっています。一方でアクアスは綺麗なライトブルー。前回のスナメリと同様に、体の灰白色が最も綺麗に感じられる展示となっています。

また開館直後は水槽の透明度が高く、iPhoneのカメラでも綺麗に写真が撮れました。他館ではシロイルカを上手く撮るのは難しいのですが、ここ別館シロイルカプールでは簡単に良い写真を撮ることができます。

バブルリングで遊ぶ姿も。
サムネの写真。こちらが無加工ver.です。

③サメのトンネル大水槽「神話の海」

「日本の海」の中にある大水槽です。水量はちょうど1000トン。水量の大きさは日本で20番目くらいに該当するかと思います。切り口は大きな1面+トンネルの2つというシンプルな構成。

概観。サメが泳いでいるのが見えます。

この水槽は、地元島根の近海における神話がモチーフになっています。かつてサメはワニと呼ばれ、人々の暮らしに深く関わっていたそうです。水槽内には有名なネコザメやシュモクザメをはじめ、様々なサメとその近縁種であるエイが展示されています。

水槽の前には座れるスペースが。

大水槽前にこうしたスペースを設けている水族館、良いですよね。水族館は歩きっぱなし立ちっぱなしが多いので、こうした工夫があるだけで快適に館内を回ることができます。

横からもちょっとだけ見れます。

奥へ進むとトンネルの入り口が見えてきます。

下から見上げるサメは迫力満点です。
レモンザメ。水槽内では大きい方です。コバンザメもくっついてますね。


④アシカ・アザラシプール

普段はショーをやっているようですが、訪問時はアシカの出産に伴い休止中でした。

概観。
日陰で寝ています。子供に特等席を譲るお母さん、素敵ですね。
新しく生まれた赤ちゃんアシカ。
同じプールにゴマフアザラシもいます。

この写真のように、水面が下から映る角度で撮影するのが最近のマイブームです。

個人的に良かったポイント

ここでは、見どころ以外で個人的に良かったと思ったポイントを紹介します。要は、ちょっとマイナーな展示や視点で感じたことを書くコーナーです。

クラゲ展示のミステリアスな照明

カラージェリーフィッシュ

ご覧いただいている通り、真ん中にスポットが当たっています。水槽の底面よりも若干狭い範囲を照らすように照明を設定しており、非常に幻想的な景観が出来上がっています。

スポットが当たっているところでは生き物がよく見えるので、体の構造など、解説板や壁面の展示で学んだことをその場で確認することができます。

カラージェリー。青系の色で統一されていますね。
ハナガサクラゲ

こちらも同様の照明の使い方がされています。

近くで見るとこんな感じ

3つの角度から見るフンボルトペンギン展示

水族館では定番の生き物ですが、見せ方の違いが際立つポイントでもあります。解説することはあまりないので、写真を中心にお楽しみいただければと思います。

順路通りに行くとまずは上から。

海獣ゾーンの入り口を飾っています。快晴なのもあって、無機質なコンクリートと、自然を感じさせる岩の対比が美しいですね。

フンボルト、ケープ、マゼラン、ガラパゴスの違い、見分けられますか?
屋内では水中を見ることができます。
ドーム型の覗き窓

ドーム型の覗き窓を見つけたら、とにかくアクリルガラスに近づいて見ましょう。光の屈折の関係で見え方が全然違ってくるので、一番奥のギリギリまで顔を近づけてみてください。以下のように見えます。

iPhoneカメラ、無加工でこのレベルです。実際に見るとペンギンの動きに合わせて水面と光が揺らぐため、更に綺麗に見えます。

下からも見えます。アクリルも水も非常に綺麗です。
横から見るのとはまた違った景観です。

写真集

解説する上で必要以上と判断したため載せなかった写真や、ここまでで登場しなかった展示について軽く紹介していきます。こちらを軽く見るだけでも水族館の様子が伝わるんじゃないかなーと思います。

エントランスにある「石見万葉の磯」
岩場の上には灯台が。作り込みすごい。
浅瀬特有のエメラルドグリーン。深い青とはまた違った美しさがあります。
アマモ水槽。めちゃめちゃ明るいです。

「日本の海」の序盤では、暗い水槽が並ぶ中に極端に明るい水槽が点在しており、目が順応するのに逐一時間がかかってしまいました。ここはレイアウトを変えたり明暗調節したり出来たらもっと全体的に見やすくなるんじゃないかなーと思いました。

軟体動物コーナー。雰囲気が素晴らしいです。
「神話の海」大水槽、大量のネコザメ
「世界の海」のコーラルリーフ、かなり高さのある水槽です。
「世界の海」の一角。マングローブ水槽を中心にテーマ別の小水槽が並んでいます。
「世界の海」にて沖縄の海を再現した水槽。
目線を下げて下から見るとこんな感じです。透明度抜群。
こちらは特別展示で、地元の淡水域に生息する生き物を展示したコーナーです。
中はこんな感じ。常設で日本の淡水展示がないのは珍しいですね。
こちらから日本の周辺国の水域を再現した水槽が並んでいます。
天井のオブジェクト。青々とした照明が美しいです。
アマゾンの淡水展示は水色や赤色など、多彩な照明が使われています。
極地に棲むペンギン。照明が緑色なのはオーロラの再現かな?
海を見渡せる広い展望コーナーもあります。

こちらはシロイルカ繁殖プールで見られる、オスの「ランゲル」です。見所で紹介したプールのすぐ左にある水槽で飼育されています。体長は4、4メートルと、アクアスの中でも一番大きい個体です

新聞形式で施設の歩みを学べるコーナーもあります。
繁殖プールは上からも見ることができます
アシカ・アザラシの紹介も非常に丁寧

総括

開館時間の9時に合わせて行き、16時半頃に出たので滞在時間は7時間半ほどでした。

やはりシロイルカ展示が圧巻でしたね。国内で展示されている4館の中でもダントツのクオリティだったと思います。シロイルカをきちんと見たいなら、ここ一択です。

行くまでにかなり時間がかかりますが、労力をかけるだけの価値は十分にある水族館だと思いました。島根旅行の際には是非行ってみてください!

おわりに

最後までご覧いただきありがとうございました。

構成や内容に関するコメント等あれば、気軽に書き込んでいただけると嬉しいです!

次回は北海道に飛んで、おたる水族館です!お楽しみに!



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