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 気持ちの整理

 時々、自分の気持ちがわからなくなる時が、人にはある。特に、人の好き嫌いが絡んだり、自分の力だけではどうにもならないことが起きたりすると、自分の気持ちが行方不明になってしまうことがある。「もやもやする」と一般的に言われる状態がそれである。

 どうしたもんかと夜中とかにうだうだ、なんとなく落ち着かずスマホを意味なくスクロールしたりしてみても、悪い方向に、よくわからない方向に思考が向かっていって、余計に暗い気持ちになったり、ネガティブなことばかりが頭の中を去来したりする。

 つい最近、そんなことがあったけれど、どうしたらいいのか、私自身がその方法を忘れていた。
 気持ちの整理をつける唯一の方法、それは「落ち着いて腰を据えて、真っ白な紙やノート、画面でも文字数制限がなるべくシビアでなく、余計なものが極力表示されないところに、素直に書いてみること」だった。思い出したよ。

 そういえば昔は、とても人には見せられない、呪詛みたいな言葉をノートにとりあえず書いていた時期があることも思い出した。誰に言えるわけでもないし、ちょうどやっていたバンドがうまくいかなくなって、お金もないし、生活もどん底で、マジでやるせない気持ちをノートにとりあえず吐き出すことでなんとかメンタルを保てていたような気もする。
 その時よりは、ネガティブな言葉は並ばなくなっているようにも思う。もちろん苦しいことや嫌なことが全くないわけではないし、ちょっと気持ちがごちゃっとすることもあるけど、内面から出る言葉を書き連ねていくことで自分の気持ちの整理がつけばいいし、その内面から出てくる言葉が人にも見せられるような言葉の時、そして、そこそこの文字数の文章を書ける状態の時は、自分の心の調子もよいのだろう。
 そうやって内面の言葉を、手で形にしながら、自分と向き合っていけたらいいと思う。

 蛇足だけれど、高校の時の生物の教師の口癖は「手は外に出ている脳みそだ、だから積極的に動かせ」だった。
 その教師は菅野完をもう少しやかましくしたような感じの人で、正直そのテンションが苦手だったけど、今考えたら、いいこと言ってたんだなと思う。

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