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掬われたかった


誰かの作品を見て 胸を 抉られて
嫉妬でいっぱいになって、苦しくなる 何も作り出せないことが悔しくて少し死にたくなる それはわたしだけじゃないでしょう、と勝手ながら思っている

負けたくない、負けたくないと思って、そんな時、絵が描けなくなった それは高校生のとき
なにかを作り出せるような柔らかい心じゃなかった、精神的に荒んでしまった もう描けない絵を描くことが嫌になった 何も楽しくなかった

描けない事実に直面したくなくて、何かと理由をつけて絵を描くことを避け続けた 先生に咎められても、部室には顔を出さなかった 絶対にこの劣等感を見透かされたくなかった そんな時なんかすげー死にたくなった、ずっと死にたかったのかも
心には逃げた時の吐瀉物がずっと残っていた

自分の好きな人たちがとんでもないものを生み出しているなかで、自分が何も出来ていない時、じぶんがほんとにほんとに地の底にいる気分になる どういうわけかその時の気持ちが水をかけたみたいに蘇ってきた

まだ硬い春に置いていかれた絵と嫉妬に顔を出したい 裏側まで見てやる

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