前回の補足:詩織さんは混乱していたのに花見に行った?

詩織さんが事件当日に受診した産婦人科のカルテには山口敬之さんとの性交渉が「午前2時から3時」であった旨が記載されていました。
この記載によって、「Black Box」のP49からP51に描写されている午前5時からの強姦致傷事件が成立しなくなります。のみならず詩織さんが当初高輪署に訴えていたであろう時間不詳の準強姦も前提を失います。

控訴審の東京高裁は、カルテの記載は真実であるが当時詩織さんが混乱していたから医師に対して午前2時から3時と申告してしまったと判断しました。
これが不正判決である旨は前回の拙noteで書きました。
そこで書き漏らしたことを今回は補足したいと思います。

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「Black Box」の記述を追うだけで、詩織さんに事件直後「混乱」などなかったことが分かります。自身をレイプ被害者と認識していたのかも疑問です。

詩織さんは事件当日に妹とカフェに行き、夜は友人と花見に興じることができました。(「Black Box」P64)
「Black Box」には、妹や友人が詩織さんの異変に気づいたという描写はありません。
この日、詩織さんは産婦人科を受診しているのですが、受付の職員や医師が詩織さんの混乱した様子に反応を示したという描写も同書にはありません。

事件当日の早朝、ホテルから出て行く詩織さんの様子を収めた防犯カメラ映像からも、彼女の取り乱した様子など見受けられません。

詩織擁護派によれば「レイプされた被害者が精神のバランスを保つために無理に平生と変わらないように振る舞うことがある」と彼女の行動を正当化します。
しかし、これはレイプ被害が存在した場合の説明です。
伊藤詩織さんの事件については、レイプがあったのかどうか、それさえ不明なのです。
レイプがなかったとしたら、花見に行くのも妹とカフェ巡りを楽しめるのも当然のことです。

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詩織さんが最初の記者会見を開いた2017年5月。その直後に彼女が出演したTBSのラジオ番組(6月)。ここでは、「仮名・鈴木さん」こと友人Kが詩織さんと共に出演しました。
その中で詩織さんが事件翌日に友人Kの家族との食事会に出席したエピソードが披露されています。
友人Kでさえも詩織さんが混乱しているように見えたとは言っていません。ただ、「疲れているのかな」「元気がない」「食欲がない」「具合が悪い」ように見えたそうです。
しかし、翌日整形外科を受診しなければならないほど膝が痛かったのなら、元気がないのも納得です。

次の音声の26:00から28:30まで。

そもそも詩織さんが混乱状態にあったのなら、友人Kの家族の誰かは気づくでしょうに。

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要するに詩織さんの行動だけを追っていると「混乱していた」とは到底思えないのです。

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