詩織さんは、なぜ後になって強姦致傷を創作したのか

「Black Box」に描かれた強姦致傷の被害。
なぜ、伊藤詩織さんは後々自分の首を締めることになる嘘を書いたのか、ずっと私は不思議に思っていました。

答えは簡単でしたね。
彼女が当初主張していたであろう準強姦被害では犯罪が成立するかどうかさえ怪しかったからです。
そのために、「決定的な何か」を付け加える必要があったのでしょう。

     *     *     *

前回も書きましたが、詩織さんが「Black Box」で主張しているレイプ被害は次のようなものです。

1)朝5時ごろに、詩織さんが意識不明状態から突如覚醒したらレイプされている最中だった。(P49)
2)トイレに逃げ込んで鏡を見たら、『体のところどころが赤くなり、血も滲んで傷ついた自分の姿が映っていた』(P50)
3)ベッドに引きずり戻され、『抵抗できないほどの強い力で体と頭をベッドに押さえつけられ、再び犯されそうになった』(P51)
4)加害者が強引に詩織さんの脚をこじ開けようとしたために、膝を大怪我した。(P51、P66)

私は、2)から4)はもちろん1)も虚構だと思っていますが、一種の思考実験として、実際にあったものと仮定して話を進めます。

詩織さんが「Black Box」で描写する、激しい痛みで目覚めたらレイプされているさなかだったという1)の場面。
これは悪辣非道な行為のように見えます。
が、刑法犯としての準強姦罪が成立するかどうかは微妙です。
というのも、彼女は前夜の鮨屋のトイレからこの時に目覚めるまで、意識を完全に喪失していたという設定になっているからです。
その意識不明の間に、相手に性交渉の同意を与えなかったとは言い切れないのです。

詩織さんは、鮨屋のトイレから出た後も、居合わせた客とおしゃべりしていました。
その後、タクシーの中でも山口敬之さんと会話していました。
ホテルに到着してからも、山口さんに助けられながらも、自分の足で歩くことができました。(詩織さんの主張では、引きずられたことになっています)
完全に意識が喪失していた状態でありながら、目を閉じて眠りこけていたわけではなく、これだけのことができていたのですから、性交渉について同意を付与する能力があった可能性を排除できません。
意識喪失状態だったという設定を作ってしまったために、詩織さんは、鮨屋のトイレから朝5時までの間に性交渉について同意を与えなかったとは自分では主張できなくなったのです。
主張してしまったら、意識が無かったという設定が破綻してしまいますから。

また、詩織さんが見た目には意識不明状態とは思えない言動を続けていたことから考えると、山口さんに「抗拒不能状態に乗じて」という準強姦罪の故意を認定することは困難でしょう。

ちなみに、問題にすべき詩織さんの「同意」は性交渉以前のものです。
同意を付与して性交渉をもったのに、後になって、「いいや、同意などしなかった。アレはレイプだった」と言い出しても、倫理的な問題はさて置いて、刑法犯としての強姦罪の成立は難しいでしょう。

というわけで、1)だけでは犯罪の成立がおぼつかないわけです。
逮捕が直前で中止になったと彼女が騒いでも、「でも、犯罪そのものが成立していないから」と返されてしまうのです。
レイプドラッグについての詩織さんの主張は、客観的根拠などありませんしね。

     *     *     *

詩織さんの当初の目論見では、ホテルの防犯カメラ映像さえ見せれば、準強姦で山口さんを警察に捕まえさせることができる、はずだったのではないでしょうか。

La Pensee Sauvage-lisanha's site
伊藤詩織2017年5月29日記者会見の全内容
2021.01.27 2020.11.26
https://lisanha1234.com/%e8%a3%81%e5%88%a4%e8%b3%87%e6%96%99/2017529-2/
捜査員の方に「ホテルの防犯カメラを調べてもらえば、私の言ってることが本当だとわかるはずです」と訴えました。

しかし、防犯カメラは決め手になりませんでした。
映っていたのは、山口さんに助けられながらも、自分で歩いている詩織さんの姿でしたからね。
だから、捜査員A氏の次の態度も不条理ではないのです。

「Black Box」P90-91
『四月二十七日。担当捜査員のA氏から連絡があった。ホテルの防犯カメラ映像を見てからは、多少は前向きに対応してくれていたA氏の態度はこの日一変し、
「逮捕はできません。証拠がないため厳しい」
 と断定的に言った。
 証拠がないとは、DNAのことだろうか。それなら、ブラのDNA検査はこれからお願いするはずだが、と聞くと。
「それが出たとしても、触っただけで行為があった証拠にはならない、とお話ししましたよね。精液さえない。人ひとり裁くのは、それほど厳しいということ。疑わしきは罰せず、の原則です」
 と強い口調で言った。』

「Black Box」P116
『なぜ、新しい局面のたびに捜査姿勢が後退してしまうのか。A氏と話しながら、とうとう涙が出た。』

捜査を進めれば、意識不明状態のはずの詩織さんが、鮨屋のトイレから出てからも他の客と話をしたり、タクシーの中でも山口さんと会話していたことが分かるはずですからね。
『新しい局面のたびに捜査姿勢が後退してしまう』のも宜なるかな、ですよ。

詩織さんが当初から強姦致傷の被害について話していたなら、警察もこの線で捜査したことでしょう。
が、詩織さんが提出した告訴状に記載されているのは時間不詳の準強姦でした。
捜査員が消極的になるのも無理ありません。

そして、検察はこの事件を不起訴にしました。

2017年に舞台を刑事手続から民事訴訟に切り替えるに当たって思いついたのが、2)から4)の強姦致傷のストーリーではないでしょうか。
5月6日のメールに膝等のケガについて書かれていることから推測すると、膝の不具合を利用することは、この時点から後に思いついたのではないでしょうか。
これはこれで致命的に自らに祟ることになるのですが・・・。

     *     *     *

私の推測が間違っているのなら、詩織さん、どうぞ警察との会話を秘密録音した音声データを公開してください。
その中に、本当に詩織さんが果たして今と同じ話を訴えていたのか収録されているはずです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?