前回の続き:詩織さんに意識があったなら、民事の判決は無価値

この事件は複雑そうに見えて本質は単純です。
詩織さんのレイプ被害の主張を支えているのは「私は鮨屋のトイレに入って以降、意識を喪失していた」という前提です。
しかし、これは彼女が言っているだけです。客観的事実として、事件当時彼女に意識があったなら、レイプ被害の主張は崩れるのです。

会話を秘密録音された頓馬な検事も、詩織さんにホテルの部屋で意識があった可能性を指摘しています。

鮨屋のトイレから出てからも詩織さんに意識があり、かつ、彼女自身がそれを認識していたなら、準強姦も「Black Box」等で主張しているストーリーも前提を失います。
意識不明の間にレイプされたという主張は嘘だったということになります。

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「Black Box」の印象操作に引っかかった多くの人は、詩織さんは鮨屋のトイレで気を失って以降、翌朝目覚めるまで意識が完全に消えていたというストーリーを疑いません。
しかし、鮨屋のトイレから出て以降の彼女の言動を追うと、本当に意識不明状態だったのか疑問です。
そもそも、詩織さんは意識があったと解釈できる発言をBBCのドキュメンタリー番組でも語っています。

そして決定的な役割を果たすのが産婦人科のカルテです。
詩織さんが自ら、性交渉の時間を午前2時から3時の間と医師に申告したのですから、これほど確実な証拠はありません。

これに加えて、2016年7月に検事と面談した際の録音データでも、詩織さんは意識不明のはずの時間帯の出来事を覚えているようなことを語っています。

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詩織さんの意識喪失説はレイプドラッグの使用が前提となっています。
むしろ、意識喪失説とレイプドラッグ説はお互いを支え合っていると言ったほうが適切です。片方が倒れたら、もう一方も倒れてしまいます。

レイプドラッグ疑惑も詩織さんの主張だけが唯一の根拠です。
彼女の主張は概ねこのようなものです。「私はムチャクチャ酒が強い。それなのに意識を失ったのは、レイプドラッグを混入されたとしか思えない」
主観的推測のみが根拠なのです。山口さんが薬を盛るところを見たわけでも何でもないのです。

当時の客観的状況をみると、レイプドラッグの気配すらありません。
カウンター席で他に客がいる状況で山口さんが酒に薬を混入するなど不可能に近いでしょう。しかも山口さんは詩織さんをほっぽいて他の客の会話に聞き入っていました。
そもそも、その日の夜にやらなければならない業務の処理やアメリカ帰国のことを考えると、薬を使って詩織さんのレイプを計画するなんてことは極めて不自然です。

そして、前述のように詩織さんに意識があったのなら、レイプドラッグはどうでもいい話になります。

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ついでに言っておくと、アルコールによる泥酔は詩織さん自身が否定しています。
私は、鮨屋のトイレでの失神は詩織さんの持病ないしは体質に由来すると疑っています。

失神は、脳に送られるべき血流の低下によって生じます。
体質的に失神しやすい人が、多量のアルコールを摂取したために血管が拡張し、血圧が低下し、脳に上がるべき血流が弱くなった・・・。このように考えれば、詩織さんが失神したことも、予兆を察知してトイレに避難したことも理由がつきます。
また、失神にともなって嘔吐や腹痛などに襲われることもあるそうです。詩織さんがホテルの部屋で激しく嘔吐したことも、これで説明できます。

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意識喪失説もレイプドラッグ疑惑も泥酔説も成立しない以上、必然的に準強姦など無かったという結論になります。

思うに・・・。
詩織さんは鮨屋のトイレを出た後も意識があった。が、持病の影響もあってホテルの部屋に入ってから盛大に嘔吐し、その後寝込んでしまった。ビザの取得に躍起になっていた詩織さんは、失態を打ち消すのと山口さんに貸しを作るために性的に誘惑した。しかし、途中で相手がコンドームを持っていないことに気づいた。自分から誘惑した手前、中止することもできずに、ただ性交渉があった時間だけを頭に刻み込んで、朝一番に産婦人科に駆け込むことを考え続けていた・・・。もちろん想像にすぎません。

ちなみに、山口さんがコンドームを所持していなかったことは、レイプはおろか性交渉をする意図もなかったことの根拠になります。
さらに付け加えるなら、詩織さんはもしかしたら相手がコンドームを準備していることを前提に当夜行動したのかもしれません。

「Black Box」P131
『また、これは後に事件が高輪署の手を離れ、警視庁捜査一課に移ってからの話だが、私の友人二人が、事件の調書に協力してくれている。
 彼女たちは私を昔から知っており、事件直後にも相談していた友人、KとSだ。そんな彼女たちに、捜査員は私の男性のタイプや、過去の恋愛について話を聞いたという。
 過去の性体験や男性の好みで事件の見方が変わり、捜査に関係するものなのであろうか?』

警視庁の捜査員は、串カツ屋での詩織さんの山口さんに対する積極的な振る舞いや、ホテルの部屋での濃厚な性的奉仕についての具体的な供述を得たので、彼女がそんなことをするような人物であるのか探るために『男性のタイプや、過去の恋愛について話を聞いた』のではないでしょうか。

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くどいようですが、詩織さんに意識があったとしたら、「Black Box」の内容は前提を失います。
しかし、民事訴訟では、裁判官が無能だった上に、山口さんは不利な状況で戦わざるを得なかったために、詩織さんに有利な判決になってしまいました。
それだけのことです。

裁判官がどんな判断を下そうが、真実は厳然として存在するわけです。

たとえて言うなら、次のような話です。

1986年のサッカーW杯でディエゴ・マラドーナが手でボールをゴールに押し込みましたが、審判は「ハンド」の反則を見抜けませんでした。
しかし現在では、マラドーナが反則をしている画像がネットでも簡単に確認できます。

いくらマラドーナの崇拝者が「審判が反則をとらなかったのだから反則ではない」「あれは『神の手』だ」「今さらそんなことを問題にするほうがおかしい」「偉大なマラドーナ様にケチをつけるオマエはクズだ」と強弁しても、画像が真実を証明しているのです。

これと同じで、どれだけ詩織擁護派が「民事訴訟では〜」と叫んでも、詩織さんに意識があったとしたら、裁判判決のほうが間違いだったことになるのです。

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