「伊藤詩織事件の6つの誤解」で書き忘れたこと

前に『伊藤詩織事件の6つの誤解』という文章を書きましたが、一つ重要なことを書き落としていました。

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山口さんは詩織さんを介抱するためにホテルに連れ帰った

「Black Box」P79 詩織さんと捜査員A氏がホテルの防犯カメラの映像を調べる。
『確認した映像には、タクシーから降りる山口氏の姿が映っていた。しばらくそこに立っていた山口氏は、やがて上半身を後部座席に入れて私を引きずり出した。そして、歩くこともできず抱えられて運ばれる私の姿を、ホテルのベルボーイが立ったまま見ていた。』
『この映像を見て、初めてA氏は事件性を認めたようだった。』

この表現によって多くの人が勘違いをしてしまったのです。
「山口のゲス野郎は、酔った詩織さんを無理矢理ホテルに連れ込んでレイプしておきながら、いけしゃあしゃあと『同意があったからレイプではありません』とぬかしてやがる。こんな外道は***を切り落としてしまえ!」と。

山口さんの主張を正確に言うと、性行為の同意を得たのは4月4日の午前2時の時点です。
酔いから醒めて起き上がった詩織さんの方から誘ってきた、というのがその内容です。

その数時間前の、山口さんが詩織さんをタクシーに乗せた時点では、性行為についての同意・承諾はありません。
なぜなら、山口さんは、車中で嘔吐した詩織さんの状態を見て一人で帰すのは危険だと判断したため、一時的に休ませるためにホテルに連れ帰ったのですから。

だから、防犯カメラの映像やホテルマンの証言の中の詩織さんが、足元もおぼつかない様子だったとしても当然なわけです。
そういう状態だったからこそ、親切心から彼女を介抱するために山口さんは自分が投宿するホテルに連れてきたのですから。

そもそも詩織さんはその間意識がなかった旨を主張していますし、ホテルの部屋に入るなり嘔吐しまくりました。これを考えれば、山口さんの判断は妥当でした。
もちろん、未婚の女性に対する配慮は欠けていたかもしれません。が、状況が状況ですからね。

「いいや俺は信じない。酔い潰れた女をホテルに連れ帰ったのは、性行為目当てに違いない」
……と、多くの人が思いたがっていることでしょう。
私もかつては「下心があったから、わざわざホテルの自室に連れ帰ったんだろ? このスケベ野郎!」と思っていました。
しかし、結果的に性交渉を持ったからといって、最初から意図していたと決めつけるのは、あまりにも厳しすぎる見方です。
スケベ心から連れ帰ったなら、避妊具くらいは用意するでしょう。

ついでに言っておくと、詩織さんが爆睡している間に吐瀉物で汚れたブラウスを洗ってあげたのは山口さんですよ。
彼の親切な面については徹底的に無視するという態度は如何なものかと思いますよ。

あと、「救急車を呼ぶべきだった」と言う人がいますが、その必要はありませんでした。
やはりこれも詩織さんの、「意識のない私を引きずって」的な表現を散々聞かされたことによって勘違いしてしまっている人が多いと思います。
詩織さんは、脇で支えながらも自分の足で歩けることができたし、タクシーの中でも山口さんとイロイロ会話していたとのことです。
つまり、深刻な酩酊状態ではなかった、ということです。(意識があったんでしょ)

JUSTICE FOR NY
裁判資料
https://www.justiceforny.com/cont7/32.html
反訴状
『反訴被告(原告)が援用するタクシー運転手の供述内容、具体的には、当日、本件ホテルに向かう途上のタクシー内で、「二人とも寿司が美味しかったというような話」をしていた』

ともあれ、救急車に頼る必要がなかったことは明らかです。
詩織さんが結果的に急性アルコール中毒にもならず、みごと回復した事実からも分かることです。

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山口さんは鬼畜の強姦魔みたいな誤解を受けていますが、実は単に気さくで親切なオッチャンなのではないでしょうか。

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