詩織勝訴判決で分かる東京地裁のデタラメぶり

マスコミがどれだけ腐敗しているか、法律家がどれだけ無能か……。伊藤詩織vs山口敬之事件は結果的に日本社会の病を白日のもとにさらしてくれました。

特筆すべきは、東京地裁のムチャクチャぶりでしたね。
日本の司法がここまでひどいとは思ってもいませんでした。

東京地裁判決は突っ込みどころが多すぎます。が、今回は誰が見ても納得するであろう点を指摘します。

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まずは、双方の主張の違いを。

▽山口さんの主張
詩織さんがタクシー内で嘔吐したことに驚き、休ませるために投宿していたホテルに連れ帰った。
性交渉があったのは午前2時ごろ。詩織さんから誘ってきた。

▽詩織さんの主張
鮨屋のトイレに入ってから意識を喪失。
早朝5時に目覚めた時は、まさにレイプのさなかだった。
バスルームに駆け込んで、体中に傷とアザが出来ていることを確認。
再びベッドに引きずられて、暴力的にレイプされかけて膝を大怪我。

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東京地裁判決は詩織さんの主張をおおむね認めました。
が、その中に、あり得ないことが書かれています。

JUSTICE FOR NY
裁判資料
https://www.justiceforny.com/cont7/32.html
『被告は、原告が午前2時頃に起きた際、原告は「私は、何でここにいるんでしょうか」と述べ(中略)たと供述する(乙3、被告83・84頁)。しかし、原告のこの発言自体、原告が本件居室に入室することにつき同意をしていないことの証左というべきであるし、』

『以上のとおり、本件行為に至る原因となった本件居室への入室が原告の意思に基づくものではなかったと認められることに加え、信用性が相対的に高いと認められる原告の供述によれば、被告が、酩酊状態にあって意識のない原告に対し、原告の合意のないまま本件行為に及んだ事実、及び原告が意識を回復して性行為を拒絶した後も原告の体を押さえ付けて性行為を継続しようとした事実を認めることができる。』

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山口さんによると、詩織さんは午前2時ごろに起きた時『私は、何でここにいるんでしょうか』と尋ねたとのことです。
裁判官はこの言葉を、詩織さんがホテルに入ることについて『同意をしていないことの証左』と解釈しました。

しかし判決は、山口さんが『酩酊状態にあって意識のない』詩織さんをレイプしたことを判決の基礎に据えているのです。すなわち、詩織さんの、朝目覚めたらレイプの最中だったいう主張を認めているのです。
となると、必然的に、詩織さんが午前2時ごろに起きて『私は、何でここにいるんでしょうか』と尋ねるなど、あり得ないことになります。
それどころか、午前2時の詩織さんとのやり取りに関する山口さんの供述すべてが捏造になるはずです。

裏返せば、『私は、何でここにいるんでしょうか』発言を認めてしまったら、自動的に、詩織さんの早朝5時からのレイプの主張は嘘ということになります。

東京地裁の裁判官はこの程度のことも分からないのでしょうか?
あるいは、鈴木昭洋裁判長と二人の陪席裁判官たちは、「愚民どもには見破れまい」と世間を舐めきって、「この程度でよかろう」的な雑な判決を下したのでしょうか?

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山口さんの主張では、具合の悪そうな詩織さんを休ませるためにホテルの自室に連れ帰ったとのことです。

詩織さんが『私は、何でここにいるんでしょうか』と言ったのなら、彼女の記憶がスッポリ抜け落ちていたことの証左となります。
すなわち、それだけ介護の必要性が高かった(=ホテルに連れ帰った山口さんの判断が妥当だった)ことになるはずです。

したがって、この発言は必ずしも山口さんに不利に働くわけではありません。

裁判官はこのあたりの事情を理解していないのではないでしょうか?

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そもそも、鮨屋のトイレから翌朝5時に目覚めるまで意識が無かったというのは、あくまで詩織さんの主張にすぎません。

本当は意識があったのではないですか?

「Black Box」P248
『検察審査会の結果が出た後、何人かのジャーナリストから、次のような「噂」を聞いた。
「防犯ビデオの映像を見たけれど、彼女は普通に歩いていた。タクシー運転手の証言には、彼女が自分で吐いたものを自分で片付けていた、とあった。だから、彼女には最後まで意識があったんじゃないか」。そういう声があって不起訴相当の議決が出たのだ、と話している新聞記者がいる、と。』


『検察審査会宛に提出されたタクシードライバーの証言』をtassさんのnoteから引用させていただきます。

伊藤詩織事件の闇
tass
2020/08/08 08:38
https://note.com/tass/n/n24baa65dc21a
『乗り込んできたときは、2人とも寿司が美味しかったというような話をしており』
『その後、車内では2人は仕事の話をしていたように思います。男性が女性に対して「いくら貰っているの?」とか「もっともらってもいいのではないか」というようなことを言っていた記憶があります。』

次の「JUSTICE FOR NY」のサイトはなぜか現在(8月22日)非公開になっています。

JUSTICE FOR NY
山口氏の訴え
https://www.justiceforny.com/cont2/8.html
『山口氏は、タクシーが本件ホテルの車寄せに到着した後、伊藤氏に手を貸して降車させた。山口氏は居室に向かう間、伊藤氏の歩調に合わせて、伊藤氏の横に並んでゆっくりと歩いた。伊藤氏は、その際、「少し休めば大丈夫です。」、「迷惑をかけてすいません。」などと述べた。』

詩織さんに意識があったと疑う根拠はBBC樣がお作りになったドキュメンタリー番組「Japan's Secret Shame」の一場面にもあります。
それは、彼女が事件の舞台となったホテルを夜に訪問する場面です。(13分50秒ごろ)
詩織さんは客室に灯る照明等を眺めながら、聞き取りにくい英語でいろいろなことを言うのですが、最後に「It's the light. ***(聞き取れず)*** you know this... This light... Yah.... It's same」と呟きます。「この明かり。同じだ」くらいの意味でしょうか。
つまり、その夜、ホテルの照明がどんなだったか覚えているくらいの意識はあったということですよね?

意識があったから、ホテルの部屋に入った直後に、山口さんに教えられずに一人でトイレに駆け込むことができたのです。

というわけで、詩織さんの『私は、何でここにいるんでしょうか』発言は単にとぼけてみせただけでしょう。

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この事件について調べると、どう考えても山口さんの主張に具体性と整合性があって、詩織さんの主張は出来損ないのフィクションとしか思えません。

裁判官も本当は、詩織さんの早朝5時のレイプの主張を信じていなかったのではないですか?
だから、『私は、何でここにいるんでしょうか』発言を取り上げてしまった……。

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東京地裁判決には他にも、知性の欠如を示すデタラメが、そこかしこに見受けられます。

結構な額のお金と時間を費やして得た判決がこれですからね。
裁判沙汰には絶対に巻き込まれたくないものです。

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【おまけ】

詩織さんが何故か今ごろになって杉田水脈議員を提訴しましたね。
ツイートに「いいね」を押したことだけを理由に訴訟を起こすとは、相当追い詰められているのかもしれません。

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