消された「山口敬之記者会見」動画:性被害者は笑わない発言の真実

伊藤詩織vs山口敬之事件の摩訶不思議の一つに、この事件についての動画がなぜかYOUTUBEから削除されるという現象があります。
昨年12月の東京地裁判決当日の山口敬之さんの記者会見動画も1週間後には削除されていました。
12_18、14:00「山口敬之記者会見」生中継◆出席者:山口敬之、小川榮太郎、他◆司会:花田紀凱|「週刊誌欠席裁判」のライブ ストリーム』が、それです。

何度も繰り返して言及される「被害者は笑わない」発言も、もとはこの動画内での山口さんの主張を切り取ったものです。

山口さんの発言を書き起こしてみました。

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12_18、14:00「山口敬之記者会見」生中継◆出席者:山口敬之、小川榮太郎、他◆司会:花田紀凱|「週刊誌欠席裁判」のライブ ストリーム

1:05:00すぎから。山口敬之が記者の質問に答えて。(約2分30秒)
『本当の性被害を受けた方は、顔を出すか出さないかではなくて、それを訴えることは、ボクは当然の権利だし、それを受け止めるのは社会の義務だと思います。ただ、伊藤さんは性犯罪被害者ではありません。伊藤さんは自分でお酒をたくさん飲んでしまって、タクシーの中で嘔吐して。ところが伊藤さんは海外のテレビで「私は嘔吐していません。私はお酒に強いんです」とおっしゃっています。これも嘘なんですね。タクシーの中で吐いたことは、タクシーの運転手さんが証言しています。要するに伊藤さんのように、必要もない嘘、それから、本質的な嘘をつく人が、性犯罪被害者だと言って、嘘の主張で出てきたことによって、さっきタイラさんからもありましたけど、私のところにも、「性犯罪を受けたのです」と言ってご連絡をくださる方が複数おいでで、お目にかかった方もおります。お時間をとって、会ってくださったんですが、詳細はね、先ほどタイラさんが言ってくださったんでアレですが、本当に性被害に遭った方は、伊藤さんが本当のことを言っていない、それから、たとえば、こういう記者会見の場で笑ったり、上を見たり、テレビに出演してあのような表情をすることは絶対無いと証言してくださったんですね。で、それは、本当の被害者の方が、いま伊藤さんは世界中で露出をしてイロイロなところで本当の性被害者として扱われている。たとえば今年の参議院の代表質問では共産党のキラヨシコという方が、伊藤さんが性犯罪被害者であることを前提に代表質問を行いました。そういうことが繰り返されて、BBCやニューヨークタイムズやフランスの24とか、あるいは本を出されると、本当の性被害に遭ったMe Tooの方が嘘つきだと言われると言って出られなくなっているのだとすれば、これは非常に残念なことだなあと、思います。』

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もとの発言を読むと「詩織さんは性犯罪被害者ではない。彼女は嘘をついている」という前提を示した上で、それを補強する材料として本当の性被害者の感想を使っていることが分かります。
つまり、「本当の性被害者の意見では、詩織さんの 『あの』振る舞いは変だ」ということです。「一般的に性被害者は笑わない」ではありません。あくまでも、個別具体的な詩織さんの言動を念頭に置いているわけです。


ところが、マスコミのフェイクニュースでは、意図的に読者を勘違いさせるゴマカシをやっています。
山口さんが「一般的に性被害者は笑わない」と言ったという虚構の上で「しかし、伊藤さんは笑っている。だから彼女は性被害者ではない」と山口さんが貶めたと報道したのです。
そして山口さんの意図とは全然違う方向、すなわち「性被害者は笑ってはいけない!」という方向に読者を誘導しましまた。
しかも、もとの山口さんの発言は伏せた上でこれをやってのけたのです。
マスコミって、本当に悪の組織ですね。


次は、山口さんの一審の時の代理人・北口雅章弁護士の発言をご紹介します。
発言のすべてを書き起こしたわけではありません。
なお、言い間違いと思われる部分もそのまま書き起こしました。

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12_18、14:00「山口敬之記者会見」生中継◆出席者:山口敬之、小川榮太郎、他◆司会:花田紀凱|「週刊誌欠席裁判」のライブ ストリーム

4:40〜11:10 北口弁護士の発言
『伊藤さんは山口さんからの性暴力被害を訴えて、まず裁判を重ね(?)ました。それは平成27年4月4日の朝、午前8時(5時?)過ぎの時点での性的暴行ということで、ここは非常にレイプという一口に彼女はボカしていますけども、ご存知のようにBlack Boxでは準強姦と強姦というものを区別しています。日本の法律でも準強姦と強姦というものは明確に区別されてます。(中略)
 わたくしが、彼女の主張の中でおかしいと、おそらく、裁判ではなかなか、裁判所が彼女の性暴力被害の主張を認めるにはハードルが高いと思われたことは二点あります。一つは、先ほど山口さんのお話の中にあったように、彼女は、最初に訴えた、準強姦を訴えてました。つまり、私は、意識がない間、眠っている間にひょっとしたら襲われたかもしれないと非常に曖昧な言い方をしてます。それは、彼女自身がBlack Boxでも書かれていますし、山口さんに宛てたメールの中でもですね、意識不明の私に対して避妊もせずに行為に及んだとかですね。山口さんに、意識がないままに強制的にやられましたと。意識がないってことを強調されてます。
 ですから、しかも、警視庁に彼女が山口さんを刑事告訴ないし被害届をしたときも、準強姦というかたち、意識がない状態での性暴力被害を訴えています。その結果として、山口さんが被疑者として取り調べられた時も、朝の強姦被害のことについては一切聞かれていません。彼女は、意識がない、眠っている間に準強姦被害に遭ったということを訴えていたわけです。彼女が、もし、4月4日の朝、強姦被害に遭ったと、明確にBlack Boxには書かれてますけど、Black Boxに書かれているような強姦被害、意識のある女性に対して強制的な、暴力を振るうという定義(?)は訴えていたのであれば、必ず、被害届ないし、警視庁高輪署に告訴した時に強姦被害を訴えるはずなんですけど、彼女は全く訴えてなくて、準強姦被害しか訴えてなかった。
 裁判所の認定では、素人だから準強姦か強姦かは区別できなかったんでしょ、というような趣旨の認定になってますが、彼女は、Black Boxの中で強姦と準強姦を明確に区別して、彼女なりに勉強して区別して、書かれてます。
 それと、もう一つ。告訴事件。高輪警察署が彼女の被害、告訴を受理した時点で罪名を決めるのは彼女ではありません。警視庁です。警察官が彼女の主張、訴えを含め(?)て、準強姦の被疑事実だということを認定しているので、彼女はその時点では明確に準強姦を訴えていたんです。
 ところが、その後ですね、強姦に変わってしまっていると。つまり、彼女の記憶が中核的、本質的なところで変遷してしまっているという問題が一つあります。つまり、彼女の供述に対して重大な、信用性を疑う余地が出てくると。
 もう一つ私が強調したいことは。もっと重要なことがありまして。彼女が被害届を出した後の話なんですけれど、実は彼女はPTSDというですね、精神的被害を訴えて精神科のクリニックを受診しています。精神科のクリニックですと、非常に文字が読みにくくてですね、たぶん原告代理人の先生方も読みづらかったと思うんですけど。わたくしは名古屋で弁護士をしてますが、医療過誤訴訟を専門にやってますので、カルテを全部精査しました。その中で、被害当日のことについて彼女は何と話しているかと、精神科の先生なんと話していたかと言いますと、4月4日の朝5時のことについては記憶がないと書いてあるわけです。全く記憶がないものについてBlack Boxに書かれているような性暴力被害を具体的に生々しく再現するなんてことはあり得ません。(中略)
 彼女は自分の性的暴力被害、一番彼女の根幹に関わるものについて終始記憶があったと法廷じゃあ述べたにもかかわらず、その時点、精神科を受診した時点、これは事件後、4月4日から一月半ほど経った時点ですけれど、その時点で記憶が全く無かったということを明確に医師の前で述べていたにも関わらず、そのあと、生々しく性的被害を訴えてますので、そういった、忘れたものを思い出すといった記憶が本当に果たして信用できるのでしょうか。そのハードルを考えるとですね、私としてはこのような彼女の主張を認めるということはまずあり得ないだろうということで、正直なところこのような判決を見て驚いていたんですけれど。正直なところ、なぜこういうような判決が起きたのか、出たのかということは正直なところまだ検討できておりません。』

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詩織さんは「Black Box」の中で強姦致傷の被害事実を描写しています。
しかし、北口弁護士の話では、警察が山口さんを取り調べた時は準強姦のことしか訊かなかったそうです。

これって、山口さんに有利で詩織さんに不利な事実です。
だからでしょうか、マスコミはこの部分を記事にしませんでした。

おしまいは、山口さんが詩織さんを虚偽告訴罪等で刑事告訴したこと、その他です。
なお、詩織さんが犯罪容疑者になっていることについては現在もマスコミは隠しています。NHKも「バリバラ」で彼女を出演させましたしね。

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12_18、14:00「山口敬之記者会見」生中継◆出席者:山口敬之、小川榮太郎、他◆司会:花田紀凱|「週刊誌欠席裁判」のライブ ストリーム

山口敬之発言。1:10:15から。
私は伊藤さんを虚偽告訴と、それから名誉毀損で刑事告訴しています。これは、今年して、それは受理されて、今、捜査が進んでいるはずです。ですから、これも是非、フェアに。伊藤詩織さんは容疑者なんです、いま。伊藤詩織容疑者と書いていただきたい。まあ、記者的に言うとね、逮捕状が執行されて容疑者となるという原稿の書き方もありますが、捜査に着手していれば、これは容疑者ですから。
 なにしろ、伊藤さんの虚偽告訴、それから名誉毀損の刑事捜査が今進んでいるけれども、私のところには、捜査の進捗状況、一切教えてくれないんですね。じゃあ何で伊藤さんのところに、私の「逮捕状出したよ」とか、それから、その「執行ができませんでしたよ」っていうことが、連絡が行ったのか。私は何を聞いても教えてくれないけど、何で伊藤さんだけ、そういうことが起きるのかは、私は分からない、ですね。』

1:13:10ごろから。東京新聞のカシワザキ(女性記者)の質問。ベッドについて、メールの記述と裁判での供述が変わっていると指摘。
山口敬之の回答。1:14:10ごろから。
『変わっていないので、どこが変わっているか指摘してください。』
(中略)
山口敬之。1:14:55ごろから。
『この判決文に書かれている、そのメールというのは、伊藤さんが、私……、その事案が起きたのが4月の3日の未明(?)から4月の4日の朝にかけてなんですけれども。その後で、伊藤さんが私に対して、最初は「お疲れさまでした」というメールだったんですが、意識のない中で不本意な性行為をされたという主張をされた後で、私がそういうことではなかったんですと。私は伊藤さんがその時覚えていると信じていたので、いやそうではなくてあなたは酔った結果、私のホテルの部屋に入ってくる経緯となったのだということを事後のやりとりのメールの中で書いています。それは確かです。ただ、それは、その時に何が起きたかを詳細に時系列で書いているメールではないんですね。これは、裁判資料をご覧になりましたか? (中略:カシワザキ記者の返事)
 裁判資料を見ていただければ、ここには閲覧制限、かかっておりませんので、当時のメールのやりとりがすべて出ています。これを読んでください。
 それで、私は、結果として、私が連れて行ったのではなくて、あなたが酔ってしまったから、結果として私のベッドに寝ることになったんだということを書いています。で、それについて、この判決は、伊藤さんの主張をすべて一方的に根拠なく真実・事実と採用しているから、そこに矛盾があると指摘していますが。私として全く矛盾があると思っていないので、是非裁判資料を、メールを読んでいただいた上でね、是非もう一度私に取材をしてください。』(1:16:58)

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ベッドの位置の問題については、山口さんはもっと丁寧に説明すべきでしたね。

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消された動画と言えば、詩織さんが2017年の5月29日に記者会見した動画も現在ではYOUTUBEから削除されているそうです。
なぜ?

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