「性交渉は午前2時」の産婦人科カルテで詩織さんは詰んだ

前にも書いたかもしれませんが、私は最初は山口敬之さんがレイプ犯であると信じていました。
2017年に伊藤詩織さんが彼の悪事を記者会見を開いて告発した時、嘘が混じっているとは思いましたが、レイプそのものは疑いませんでした。
「歩けないのにホテルに引きずり込まれた」とか「レイプドラッグを使われた」といった部分は作り話だと見抜きましたが、それでも彼女の主張の6割くらいは本当だろうと考えていました。

それが逆転したのは、彼女が事件当日に受診した産婦人科のカルテに『coitus(性交)AM2~3時頃、コンドームが破れた』と記載されていることを知った時でした。

性交渉の時間が午前2時から3時なら、詩織さんのレイプの主張は成立しません。
もしレイプがあったなら、ことが終わった3時からホテルから出て行く朝5時数十分までの間、レイプ犯と同じ部屋の中で何をしていたのでしょうか?
監禁されていて逃げ出せなかったのなら納得できますが、詩織さんはそんなこと主張していません。

「Black Box」では早朝5時ごろのレイプを主張し、その後逃げるようにホテルから出たと書いてあります。
後になって、レイプ事件を捏造しようと考えた時に、産婦人科医に申告した『AM2~3時頃』ではストーリーが成立しないと気づいた、それで早朝5時からレイプが始まったことにした、と考えれば説明がつきます。

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また、性交渉の時間が午前2時から3時なら「Black Box」P54に書かれているような、山口さんから差し出されたTシャツを反射的に着用するに至る前提条件そのものが存在しないことになります。

ここに書かれているのは、早朝5時にレイプされて、パニック状態になって急いで部屋から出ようとした、だから差し出されたTシャツを反射的に着てしまった、という状況設定ですよね。(これはこれで不自然ですが……)

しかし、性交渉は午前2時から3時で、それから2〜3時間たってから部屋から出たのなら、自分をレイプした男のTシャツを咄嗟(とっさ)に着るような状況ではないはずです。

むしろ、詩織さんが山口さんのTシャツをわざわざ身にまとったという事実が、レイプなど存在しなかったことの証拠となるのです。

性交渉の時間が2時か5時かで、彼女の行動の意味内容が全く変わってしまうのです。

Hanadaプラス
2019年12月18日 公開
【独占手記】私を訴えた伊藤詩織さんへ「後編」|山口敬之
https://hanada-plus.jp/articles/260
『朝起きてトイレから戻ってきたあなたは、浴室に干されていたブラウスを手に、
「ブラウスが少し生乾きなんだけど、Tシャツみたいなものをお借りできませんか」
 
あなたのブラウスは化繊の薄手のもので、朝までに相当程度乾いていたため、濡れて着用できない状況ではないように見えました。

しかし、私としては別に断る理由もなかったので、パッキング途中のスーツケースを指し、
「そのなかの、好きなものを選んで着ていっていいですよ」
と言いましたね。

あなたはスーツケースから、私のTシャツのうちの1つを選び、その場で素肌に身に着けました。』

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ちなみに、2015年4月30日に高輪署が受理した詩織さんの告訴状では、準強姦被害の時間は4月3日の夜11時30分から翌4日の朝5時30分の間となっています。
『意識不明』という設定ですから、時間が特定されていないのは当然です。

性被害者を侮辱した「伊藤詩織」の正体 【後編】|小川榮太郎
2019年11月20日
https://hanada-plus.jp/articles/231
『被告(山口)は伊藤詩織(25)を酒に酔わせて姦淫しようと企て、東京都渋谷区恵比寿の飲食店「鮨の喜一」で同女に飲酒を勧め、同女を酔いのため意識不明の状態に陥れて抗拒不能にさせた上、平成27年4月3日午後11:30から4月4日午前05:30頃までの間、東京都港区のシェラトン都ホテル233号室に連れ込み、意識不明の同女のパンティーなどを脱がし全裸にした上で、同女の体の上に覆いかぶさるなどして同女を姦淫したものである。』

この時点ではまだ「朝5時ごろに目覚めたらレイプされている最中で、逃げ込んだトイレから引きずり戻され暴力的にレイプされかけて膝を大怪我した」という設定を考えていなかったのでしょう。

かと言って産婦人科で申告した午前2時から3時頃という時間を高輪署に申告することはできません。
前述したとおり、この時間帯だとレイプが成立しませんから。

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詩織さんはもしかしたら、産婦人科のカルテに『coitus(性交)AM2~3時頃』と記入されたことを知らなかったのかもしれません。
カルテが医師法に根拠を持つ文書で、5年間の保存義務があることも知らなかった可能性があります。
それで「朝5時のレイプのストーリーでも行ける!」と考えて、創作した話を「Black Box」に書いたのでしょう。

ところが、運命の2017年6月。詩織さんは件(くだん)の産婦人科医院を訪れてカルテを見てしまったらしいのです。


カルテに書いてあったのは、『coitus(性交)AM2~3時頃、コンドームが破れた』。

彼女がカルテを見たとしたら、この時点で引き返せばよかったのですけどね。

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なお、ここまで述べたことに対して、「そんなことを言っても、東京地裁はカルテの信用性を否定したじゃないか! 裁判官が認定した事実にケチをつけるな!」と言う人がいるかもしれません。
これについては、また回を改めて。

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