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清原果耶のベストアクト『まともじゃないのは君も一緒』のテレビ神奈川初放送と、前田弘二監督の次回作クラウドファンディングに3万円支援した話

清原果耶は率直に言って、誰もが認める日本女優のクイーン候補の1人だと思う。高い演技力。上品な顔立ち。受け答えや読書歴から伝わる知性。所属事務所は日本最大手のひとつアミューズだ。12歳の頃から将来を見込まれてきたことが、2014年のアミューズフェスでグランプリを受賞した記事の見出し『第二の吉高?』からも伝わってくる。
では彼女、清原果耶の出演作のベストはなんだろうか。『透明なゆりかご』?『蛍草 菜々の剣』?朝ドラ『おかえりモネ』も素晴らしかったし、今日から公開の宮藤官九郎脚本『1秒先の彼』もなかなかの映画だ。

でも少なくない映画ファンが「清原果耶のベストは『まときみ』じゃないのかな」と言う。2021年に公開された映画『まともじゃないのは君も一緒』のことである。W主演のもう1人は成田凌。素晴らしい映画だった。映画にリズムがあり、脚本に機智があり、俳優にユーモアがあった。特に清原果耶のまじめくさった優等生顔から繰り出すポーカーフェイスなおかしさの強みが生かされていたと思う。

でもこの映画は、ヒットしなかった。公開時期は2021年の3月19日。清原果耶主演の朝ドラ『おかえりモネ』の放送がNHKで始まるのは2ヶ月後の5月17日である。なんで知名度が上がる朝ドラの前に封切ることになったのかはよくわからない。そもそも当時の邦画をとりまく状況は「映画館文化が存続するか否か」というコロナ禍なのだど真ん中であり、今年こそ100億と言われた『名探偵コナン 緋色の弾丸』が公開直後に緊急事態宣言を喰らって東京大阪の映画館がシャットダウン、70億にとどまる状況だったのだ。コナンでこれなのだから、中小の日本映画などあの嵐の中の小舟に等しかった。

でもこの映画は、今も輝きを失っていない。清原果耶の新作映画に合わせた旧作放送で『まともじゃないのは君も一緒』を選んだテレビ神奈川は本当にセンスがいいと思う。様々な配信サービスで見ることができるので神奈川県民以外も見てほしいが、とにかく清原果耶の魅力を余すところなく生かした映画になっているのだ。

前田弘二監督の次回作はすでに決定している。主演に倉悠貴、ヒロインには芋生悠、更に成田凌、宇野祥平の出演も決まっている。きっと今回も素晴らしい映画になるだろうが、前作がコロナ禍に苦しんだ影響もあって、公開規模に難儀しているようでクラウドファンディングを募っている。僕も3万円支援した。CDBちゃんにとっての3万円というのは日本円で言えば94億円くらいの貨幣価値である。それほど良い監督だし、期待できそうな映画なのだ。

テレビ神奈川で、あるいは配信サービスで『まともじゃないのは君も一緒』を見て、いい映画だなと思ったら、映画代とパンフ代くらいの金額でもいいから支援して頂けると幸いである。きっとそれが、次のいい映画を作ると思うので。

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