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七草日記

絵やマンガなどの創作物、WEB記事やTwitterに書ききれなかったこと。あとは映画やいろいろな作品について、ネタバレを含むのでTwitterなどに書けないことなどを書いていきた… もっと読む
絵やイラスト、身の回りのプライベートなこと、それからむやみにネットで拡散したくない作品への苦言など… もっと詳しく
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2024年2月の記事一覧

試写会で見た『オッペンハイマー』に日本の観客として感じたこと

映画『オッペンハイマー』の試写会に行ってきました。日本中の映画関係者が来ているのではないかと思うほどの大劇場満員の試写で、受付だけで大行列でした。 まずはこの映画の配給に手を挙げてくれたビターズ・エンド社にお礼を言いたい。アメリカで映画賞総なめ状態にも関わらずこの映画の公開はなかなか決まらなかった。『正欲』『熱のあとに』など優れた日本映画の配給を支える一方、こうした火中の栗を拾うような作品も配給してくれるのは映画ファンとして足を向けて寝られない。 『オッペンハイマー』の映画技

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』伊藤健太郎の完全復活と、映画をめぐる論争について思うこと

伊藤健太郎の日本アカデミー賞優秀助演男優賞の受賞は嬉しい驚きだった。もともと僕は『冬薔薇』『静かなるドン』と伊藤健太郎の演技の良さについて書いてきて、去年の文春シネマのベスト10にも『静かなるドン』を入れた。映画を見ればわかるがあれは明らかにDVD媒体向けに作ったコンテンツを、伊藤健太郎の演技があまりにいいので劇場公開展開した映画だと思う。静かなるドンというのは漫画原作で、そんなに真面目にリアルな話ではない。ヤクザの跡継ぎ息子が昼間はサラリーマンという、昭和末期に連載がスター