あともうすこしで
あともう少しで届くのに。
もう少し手を伸ばせそうなのに。
あと少しのところで。亡くなっていってしまう。
歯がゆい。
こういうことだったのか。
あなたしか持っていない記憶が、まだたくさんの浮き上がっていない、公になっていないことが、もう既にあの頃がどんどん遠のいていく。
まだわたしたちが気づいていない、あなたしか持っていない記憶に手が届きそうなのに。
「孫たちに、これからの子どもたちに」「これから生きていく人たちに」『こんなおもいして欲しくない』と口を開いてくれたあなたに会ってみたい。その地に行ってみたい。
戦争から76年ってこういうことだったのか。
それでもわたしたちはまだ、精一杯手を伸ばし続けることをやめたくない
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