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ケーススタディー: イギリスのコロナ感染の推移グラフについて論理的に説明できるか試してみた

これまでに得た情報と知識で、イギリスの感染状況を論理的に説明できるか試してみました。

イギリスと日本の新規感染者数と死亡者数のグラフです。

イギリスで最も大きな感染は、2020年11月頃から始まったアルファ株の感染です。アルファ株はデルタより毒性が高いため多くの死亡者を出しています。

2021年4月ころにデルタ株が出現しますが、日本のように明確な感染のピークがありません。ワクチン接種も4月頃から本格化しました。

その後7月頃からデルタ株感染が始まり、非接種者の感染とブレークスルー感染者が増加してきますが、日本のようにアルファ株の何倍もの感染者は出ませんでした。これはイギリスではアルファ株感染者が多かったため、新型コロナの抗体保有者が多くいたこと、ワクチン接種後に中和抗体が高い状態の人が多かった事が原因と考えられます。

その後、ワクチン接種から時間が経過し免疫が低下した人たちに、順次ブレークスルー感染が起こるようになりデルタ株感染が継続して発生したと考えられます。

直近の感染者の増加はでは、オミクロン株のブレークスルー感染が急増していることによります。

アルファ株からデルタ株へ移行した時期

ワクチン2回接種率の推移

CFRの推移です。
CFRは、死亡者数を感染者数で割った値で病原性の強弱の目安になります。医療崩壊が起こった時もCFRは上昇します。
イギリスのCFRは、アルファ株のときが高く、その後ずっと減少傾向です。


イギリスの入院率の推移です。
2021年7月以降、デルタ株にブレークスルー感染した人たちの入院が継続して発生しています。接種からの時間経過による免疫低下のため、継続的に入院者が発生していると考えられます。

ブレークスルー感染の特徴は、明確なピークがなく長期に渡って感染が継続することと考えられます。(免疫低下した人が次々に現れるため)


新型コロナの実効再生産数の推移です。
イギリスの数値が急激に低下しています。
このような状況が生じる理由は、ロックダウンによる人流の制限、または抗体保有者の増加による集団免疫の形成の2つが考えられます。
イギリスでは、厳しいロックダウンなど実施されていません。

よって、オミクロン株感染が拡大・縮小していることは、間もなく感染も終わるということです。
(意外なことに日本の実効再生産数が1を超えて上昇していますね)


まとめ

イギリスの感染状況について、これまで記事に書いてきた内容と整合性が取れる範囲で感染状況のグラフを説明できたと思います。

デルタ株感染がほぼ完全に収束した日本とイギリスの違いは、接種からの時間経過による免疫低下が引き起こしたブレークスルー感染の有無の差と考えられます。
イギリスと同じことが起こるとすれば、日本も今後、どの変異株にも感染していないワクチン接種者の間でブレークスルー感染が広がる可能性があります。しかし、広がったとしてもイギリスより小規模になると考えられます。


イギリスでオミクロン感染が終息したら、80%以上の人が抗体を保有するのではないかと思います。(インドのニューデリーでは抗体保有率 97%)
3回目の接種を早めに行った人は、デルタとオミクロンの感染を免れるので、インドのように90%超にはならないと考えられます。
(ワクチン接種では、2019年の武漢株に特異的な細胞免疫が得られると考えています。よって自然感染で得られる抗体と比較して変異株に対する有効性が低いと考えられます。)

ワクチンでは集団免疫を達成できないとされています。

間違いが有ればコメント欄でお教え下さい。よろしくお願いします。


参考記事

以上