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α1衝撃で思い返す写真文化の進化

Sony α1が発表され、カメラ好きにとっては衝撃的なニュースで新しいカメラの可能性を久しぶりに感じたのですが、このタイミングに頭によぎったカメラ(ハード)の進化による写真(フォト)文化への影響を思いつくままに振り返ってみます。

・AE化(自動露出)[1960-70年代]
 カメラに露出計が内蔵されカメラに詳しくない人でも手軽に写真が撮れるようになってきた。
一家に1台という時代、全国に現像所が出来て高度成長の波に乗って写真は「撮ってもらう」から「自分のカメラで撮る」に変わっていった時代
(ほぼ同じタイミングで、フィルムは白黒からカラーに..)

・フラッシュ内蔵[1975年]
 ピッカリコニカの衝撃によって、室内でも気軽に写真撮影できるようになった。
観光地での記念写真がお決まりだった写真文化が、まだ外に出られない赤ちゃんが写せるようになり、赤ちゃんを中心にファミリーフォトが一気に拡大した時代

・AF化(オートフォーカス)[1977年/1985年]
 ジャスピンコニカ(コンパクト)、α-7000(一眼レフ)の衝撃によって、ピンぼけ写真がなくなり、カメラマンは構図により集中できるようになった。
運動会の写真はどうやって撮ったらいいの?を一気に解決してくれた機能でもあり、カメラメーカーでは望遠やズームのようなカメラのバリエーションも拡がった、F社のCMが有名ですが、写真の年賀状がブームになった。
実は、AF化の恩恵はこれ以外にも視力がよくなくても写真を撮り続けられるので、年齢を問わず裾野が広がり、業界には大きな恩恵を与えることになっていきましたね。(定年後の趣味は写真..というシルバーが激増)

・デジタル化[1995年]
 QV-10の登場(Win95もこの年に発売)以来、写真現像しなくなった=プリントする習慣がなくなった。
レコードがCDに変わったように、フィルムは何時無くなる?と業界はプリピリしはじめた時代、バブル終わったのに「写るんです」が業界の予想を裏切りバカ売れし、その後生まれた「写メ」文化が拡大していくまではカラーフィルム全盛が続く。
「写るんです」「プリクラ」が一世風靡したが、業界人の視線では低品質の写真が売れる現実が理解出来ず、ネクタイをしたサラリーマンがプリクラの列に並んで、売れている理由を一生懸命考えていた。

・高感度化/高画素化[2000年代]
 フィルム品質と比較されながらも機能で劣っていたデジタルカメラもデジタルの欠点が消されていき、フィルムでは撮影できなかった明るさでもストロボ無しで撮影できるまでに至り、写真作品の幅がより一層拡がった。
「高くて使い物にならない」から、「金払えば使えるようになった」、徐々に、「我慢すればデジタルでも良い」(フィルム代や現像代がいらないので)に変わっていった時代。デジタルクロスと言われた2006-7年頃を境に、iPhone上陸と重なっなる時期、雪崩が崩れるかのごとく業界の再編が始まった。
デジタルに市場が置き換わった後は便利なスマホに太刀打ちできず、一般大衆の市場が趣味の市場に変化する時代へ、デジタルのメリットで技術的なハードルは下がり"カメラ女子"に代表される、新たな層の市場も生まれたりする。

・リアルタイムAF化[2019年] 
オートフォーカスの測距点が多くなり、ソフトウェアの進化とあわせて、遂にSonyがα6400を発売、動いている被写体でも常にピントが合うので早く動く被写体でもピンぼけがなくなったことで、失敗写真の数は確実に減っているだろう。
機能的には大きな革新と思うが、マーケティング的にはマイナーチェンジのごとくあまりインパクトが強くなく伝わっている(感じている)のが残念。

・2021年のデジタル一眼レフカメラ
 高感度/高速連写/高画素・・・これまでは相反するスペックを目的別の機種ラインナップで各メーカーでは補って来たが、Sony α1に代表されるであろう1台のカメラで満たされるようになった。
(既にカメラ機能に加えて動画機能もハイスペック機に統合されている)
カメラは過去にオリンピックイヤーに革新的な新製品が出ていますが、CanonのRFシステムでの新製品の噂もあるので、そちらにも期待。
(宣伝効果を狙いこの時期に新製品発売する)
これまでN社vsC社の対立構造がミラーレス時代になりS社vsC社になったのは時代の流れかな?頑張れN社

・これからの一眼レフカメラ
 一言でメカ好きの観点でもワクワクします。
球面受光素子、屈折率可変レンズetc... 実現するだろうか?
一方で、カメラ本体の小型化はミラーレス化でほほぼ小型化には収斂した感じがする。(電池や省電力[熱対策]による小型化はまだ期待できる?)
やっかいなのは小型化が進まないレンズ(AFや手ぶれ補正機能により大型化してる)、ガラス素材の改良やソフトウェアと組み合わせた収差補正に期待したいが、既存技術の延長ではあまり期待はできないかな..

アナログ時代に君臨したメーカー別のフラッグシップ機の共演で写真市場が活性化されることを期待したいが.. 業界生き残りの方が大変な時代。
CanonのRFシステムで感じたが、写真品質のスペックが確実にワンランク上がっている?と感じる。今まで撮れなかった作品がとれる、今まで難しかった撮影が簡単になる。益々プロ泣かせ?
まだ、手にしていないが、これらを手にしたら自分でどんな作品が撮れるのか楽しみだ。

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