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初めての公園暮らし。

家を飛び出した某年12月。この年は例年になく暖かいと言われていた冬でした。それでも冬は冬。きっと寒かったに違いありません。
恐らく寒かった様な気がする。なぜ、こんなに他人事のように言うのか。当時は様々な事において考えると言う事を放棄し、思考が麻痺を起こしていたのだろうと思います。

iPhoneを握りしめた私は、小型のスーツケースに最低限の着替えや肌着、基礎化粧など出張に行くような荷物。それから印鑑と預金0円の通帳、手持ちのお金が約1万ほど。
最低限の文房具、各種充電器、PC。包丁ケースに三徳包丁などを入れ、ミニまな板、ツールナイフにキャンプ用ガスバーナーとクッカー。
家に残っていた缶詰とカップ麺、インスタントコーヒー。あと新品のジンのボトルと、飲みかけのジンを水筒に詰め替え、厚着をしダウンジャケットを羽織り、手袋にマフラー、ニット帽を被り、一張羅のリーバイスのジーンズを履いて家を出ました。
家を飛び出したと書けば悲惨なイメージですが、上記に記載した荷物たち。まるでフラっと出張とキャンプを兼ねて出かける様に、私は初めての公園暮らしを開始したのです。

先の未来がまったく分からない。
何をしたらいいか分からない。仕事もお金も無い。でも子供たちは実家に居るのだから雨風はしのいで、腹は満たされ学校に通い、暖かい布団で眠ることができるだろう。早く仕事をみつけて子供達と一緒に暮らすと言う夢と希望を心に誓い、冬の夜空を一人眺めていた。

しかし、心に誓って動いた行動にしては、阿呆で無謀な行動だ。まぁ、私は悲惨と言う思考が少々欠如している人間だ。毎日消えたくて、毎日何とか生きたくて、毎日眠い私は超ネガティヴで超ポジティヴ。
自分を貶すのはこの辺りでお終いにし、公園暮らし時々ネカフェ等で生活していた時の記録を思い出しながら記そう。その時の経験を得て今の私が在るのだから。

今の私が在るからこそ、遠回りはしたけれど、親子三人で喧嘩もしながら笑って暮らしている「現在」がこうしてあるのだから。

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