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みなさんこんにちは、まっつんです。毎日自作の物語を考え投稿しています。マンガにしてくれる方やイラストを描いてくれる方を募集しています。
みなさんは鏡の向こう側に行きたいと思ったことはありますか?僕はあります。なぜそう思うのかというと、小さいころ仮面ライダー龍騎という仮面ライダーを見たからです。この物語、他のライダー作品と少し違って仮面ライダーになれる人たちは鏡の前でないと変身できないという設定があるのです。そして戦う時も鏡の中に入って戦います。その設定は幼いながらとても面白いものだなと思いながら見ていました。また鏡に幽霊が映り込むとか、もう一人の自分が鏡の中で話し始めるとかいろんな要素がいろんな作品の中で見られます。そういう作品を見ると現実の世界でも鏡でなにか起こるのかもしれないと思ってしまいませんか。今日はふとそんなことを考えたので鏡に関する物語を考えました。


タイトル【鏡界師】
昔から私の地域では様々な鏡が作られてきた。私の家系は代々この地域にある鏡をいくつも作ってきたのだが、その歴史も祖父母の代で終わってしまい、二人とも私が小さいころにはすでに亡くなっていた。なぜ私が鏡に興味を持ったかというと科学者である父の部屋に隠されている本を見つけたからだ。祖父母の代まで鏡を作っていたのだから当然父も作っているところを見てきたはずだ。しかし父は私が幼いころから鏡に関わらせないよう育ててきた。私はずっとそれを不思議に思っていた。父の部屋で見つけた本、中を見てみるとこの地域の山の上に不思議な鏡が眠っていると書かれていた。あとはぐちゃぐちゃで解読すらできなかった。私は山を登った。整備されていない道で何度も転びそうになりながらどうにか山頂まで到達した。

下の街を一望できるほど高く、そして空は青くとてもきれいな景色だった。「なんだあれは?」崖付近に1つだけ鏡があった。これがあの本に書かれていた鏡なのか。もう何百年も経っているはずなのにその鏡には埃や垢が1つもついていなかった。あまりのきれいさに私は思わず見とれてしまい鏡に手を近づけた。すると鏡がまばゆく輝き、私の目をくらませた。光が弱まってきたので私はゆっくりと目を開ける。しかし私に何も変化は見られなかった。「なんだったんだ。」家に帰ると、両親が心配そうな顔で私を見ていた。「こんな時間まで何をしていたの?」母が言う。「友達と公園でずっと遊んでいたの、それで気が付いたらこんな時間になってて。汚れは転んじゃって付いたものだよ。」「公園って小学生か」母に笑われる。その時の私はなぜだか今日の出来事は言ってはいけないと思い咄嗟に嘘をついていた。理由はわからない、でもなにかとんでもないことをしてしまったような気がして。2階の自分の部屋に戻る彼女を彼女の父だけはずっと見ていた。

翌朝、いつも通り学校へ行った。だが特に変わったことはない。自分の容姿も視界も何も問題はなかった。朝のホームルームの時間になった。担任が教室に入ってきた。「今日この学校に転校してきた子がいます。このクラスでみなさんと勉強する事になったので紹介します。」クラスのみんながざわつき始める。男子どもは可愛い女子に、女子はかっこいい男子に期待をしていた。扉が開き、背の高い男子が入ってきた。当然のように女子たちがざわざわし始めた。私は特に興味がなかったので、どうでもよかった。「宮下蓮(みやしたれん)です。よろしくお願いします。」小さくも多きもない声で彼は自己紹介をし軽く頭を下げて席についた。なんか不思議なやつ、蓮に対する私の印象はその程度だった。一瞬彼と目が合い、慌てて目をそらした。
昼休み、「なつみ、トイレいこー!」同じクラスのれいなが私にそういう。「いいよん!」れいなと私は幼稚園からの幼馴染で、なんでも言い合える数少ない心を許せる友達だ。決して友達が少ないわけではない。昨日の出来事をれいなに相談しようかどうか鏡の前で悩んでいると明らかに人間ではない化け物が私を睨んでいた。勢いよく後ろを振り返るがそこには何もいない。再び鏡の方を向くとやはり何もいなかった。気のせいかそう思い安心すると、個室かられいなが出てきた。れいなの方を向くとそこにはさっき見た化け物が彼女のそばに立っていた。「れいなそいつ何?」なつみが聞くとれいなは「何のこと?」と言う。「とぼけないでよ、あんたのとなりに化け物みたいなやつがいるじゃん!!!」「何そんな焦ってるの?しかも何もいないじゃん。怖いんだけど。」れいなは大笑いしている。見えていないのだろうか。「怖いのはどっちだよ」叫んだなつみはトイレを勢いよく飛び出し屋上へと向かった。「どうなってるんだ」息を切らしながら歩くと男性が1人立っていた。立ち止まると「君も見えるんだね。」振り向いた男性がそう言った。「あんたは宮下蓮、、、君もってどういうこと?」「見たんだろ、あの化け物を。」「・・・なんで知ってる?」なつみは戸惑う。「君は僕と同じオーラを持っている。だから君が見えるって確信したんだ。それにさっき君があの女の子とトイレに入っていくのが見えた。トイレには鏡がある。化け物は最初鏡でしか目視することは出来ない。だが一度鏡で見てしまえば鏡を介さずとも視野にいれることができるようになる。誰だってあんな化け物を見たら最初は怯えるに決まっているよね。」笑いながら蓮がそう言った。「これは一体何なの?」「鏡界師、、、。」「え?」「君は鏡界師(きょうかいし)の力を手に入れたんだ。」鏡界師、私が得た不思議な能力。宮下蓮と鏡界師、この2つに出会ったことで私の人生は大きく狂い始める。


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