千里一歩(Senri Ippo)

小説を読み始めて8年、ついに念願の執筆をしました。賛否両論のコメントを沢山頂けると、励…

千里一歩(Senri Ippo)

小説を読み始めて8年、ついに念願の執筆をしました。賛否両論のコメントを沢山頂けると、励みになります。皆様の作品も読ませて頂きます。

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まよなかのべんとうや

「お先に失礼します。」  疲れきった顔で井上知之は職場の先輩達に向かって頭を下げた。厚手のコートを着て職場を出る。腕時計を見るともう深夜十二時をまわっている。長い長い一年が終わる、今日は仕事納めだ。大学を卒業したのが一年前だとは信じられないほどの体感時間だった。思わず深いため息をつく。社会人一年目で既に疲れきってしまった。あと40年働き続けるのだと思うと、ぞっとする。  終電で帰る途中、Twitterを覗くと大学の友人が華金を謳歌する写真をあげている。向かいのガラスに映る自分

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