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[32]夏の残像

秋草に夏の残像
     朝顔青し 


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残暑が厳しい。
まだしばらく夏は続くのだろう。
そう思っていたが、
一雨ごとに朝夕の涼しさは増し、
あっという間に秋はやってきた。

田んぼの稲は日増しに頭を垂れ、
青々と茂っていた空地の夏草も、
いつの間にか弱々しく、
鮮やかさを失い始めていた。

そんな空地の中、
季節を間違えたのではないかと思うような、
青々とした葉と色鮮やかな青い花が生い茂っている。

琉球朝顔というらしい。

琉球朝顔は一般的な朝顔と同じ種類の植物でありながら、
花が朝だけでなく夕方まで咲き続けるそうだ。
また、場所によっては11月頃まで花をつける。

あまり出かけることもなく、
ほとんど自宅で過ごしたこの夏。
ぼんやりしているうちに、
あっという間に過ぎていった夏。

だれが何と言おうと、
まだまだ夏は続くんだと言い張るような
鮮やかな葉と花の色に少し違和感を覚える。
そして、
静かに確実に世界が秋に変わっている中で、
うっかり取り残されたように、
まだ夏の終わりを受け入れ切れていない自分も、
こんな風に違和感を放っているのかもしれない。

世間の流れに取り残されたはみ出し者同士、
親近感を感じるなんて言ったら、
彼らに苦情を言われるだろうか。
あるいは風のように流されるだろうか。
私たちは今を精いっぱい生きているだけだと。

確かに私は、
周りなどお構いなしのその生命力に、
惹かれて立ち止まったのだった。

私もそうなろう。

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