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【国家総合職 法律区分】【一次試験】概観。 結局、何で何点取れれば受かるのか

法律区分とはいかなる難易度で、いかなる倍率で、いかなる得点で合格できるのか。
詳しいことは抜きで概観していきましょう。
この記事では、主に一次試験について見ていきます。


近年の実施状況

2021年度
申込者数 7601
一次合格 829 (9.1倍)
最終合格 未定(2021/5/26時点)
倍率:未定

2020年度
申込者数 8882
一次合格 885 (10.0倍)
最終合格 401 (2.2倍)
倍率 22.1倍

2019年度
申込者数 8956
一次合格 965 (9.2倍)
最終合格 449 (2.1倍)
倍率 19.9倍

以上ソース https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/sougousyoku/daisotsuteido_sougou/daisotsuteido_sougou.html#sankou

過去3年を振り返ってみると、例年、
一次試験が10倍、
二次試験が2倍、
つまり最終合格倍率は20倍

という数値で安定しています。この数値自体は今後も大きく変動しないでしょう。

この数値を見て一目瞭然のように、一次試験を突破できるかどうかが全てのカギとなります。

一次試験の試験種目、ボーダーライン

一次試験では、以下の試験種目が課されます。

基礎能力試験(マークシート式)
40題3時間
知能分野27題(文章理解11題、判断・数的推理(資料解釈含む)16題)
知識分野13題(自然・人文・社会(時事含む)13題)

専門試験(マークシート式)
40題3時間
必須31題(憲法7題、行政法12題、民法12題)
選択9題(刑法3題、商法3題、労働法3題、国際法3題、経済学・財政学6題。以上18題から任意に9題選択して解答)

一次試験の採点対象はこのマーク試験のみです。
そして配点ですが、基礎能力:専門=1:1.5となっており、専門試験は1問あたり1.5倍で計算されます。
つまり、基礎能力40点、専門60点の計100点満点の試験と捉えるとわかりやすいと思います。

そして、気になるボーダーラインですが、実務教育出版の公務員試験ガイドに一次合格ライン推計一覧によると、以下のようになります。

スクリーンショット 2021-05-26 20.09.08

法律区分は年度によって難易度の差が大きいのでかなり揺れがありますが、どの年度でもギリギリかつ確実に滑り込むなら、基礎25点、専門25点あたりがリアルな線になってくると思います。
ちなみに私は2021年度(令和3年度)の受験生なのですが、基礎27点、専門23点で一次試験合格でした。難易度は例年並みと言われています。

一次試験突破の大まかな戦略

攻めるべき分野
一次試験は、とにかく専門試験勝負です。専門試験の出来が合格に直結します。
ですので、試験勉強の大半の時間は専門試験に費やしましょう。
法律区分を受験する方の中には、秋の教養区分に落ちて法律区分を目指すという方も多いと思いますが(私がそうでした)、過度に基礎能力試験対策に時間を使いすぎるのは禁物です。法律区分の基礎能力試験は教養区分のそれと比べて難易度が一段落ちるので、教養区分でうまく行かなかった方も、それを気にしすぎることなく、十分な時間を専門対策に回してください。
(特に、自分が受験時に、法律の勉強をしていると文章理解や数的処理も自然に上達しているような気がしました。民法の難解な論理構造などを苦しんで習得した後であれば、地頭が良くなってるのか、教養区分対策をしてた頃よりもすんなり解けるようになった気がします)

そして、中でも民法と行政法の攻略が最優先かつ最重要分野です。
この2科目で専門40問中24問を占めます。極論、民法と行政法を全問正解しちゃえばボーダーに乗ります。そのぐらい大事です。
この2科目を学習の主軸に据え、計画を立てていきましょう。

得点目標を立てよう
ある程度学習の指針が立ったところで、得点目標を立てましょう。
まずは、専門試験の得点目標を立てます。その上で、先程の合格ライン推計などを見ながら、基礎能力試験の目標を設定します。

私は、以下の三段階で目標を設定しました。

理想:民11/12、行10/12、憲5/7、選択6/9 計32 基礎15
現実:民10/12、行9/12、憲5/7、選択5/9 計29 基礎19
死守:民8/12、行8/12、憲4/7、選択5/9 計25 基礎24

長期的には「理想」ラインを前提に勉強し、試験が近付くにつれて「現実」ラインに想定を落としながら勉強バランスを考えてました。
「死守」ラインは、普段の勉強では目標にしないラインです。これを目指してしまうと基礎能力の出来次第では落ちてしまうので。これは本番でのメンタル維持も兼ねて「最悪ここまでは落としても大丈夫」という自分への安心材料として設定していました。(ただ、この得点でも例年ボーダーには乗ってます)

ちなみに、本番の結果は以下のとおりです。

民6/12、行7/12、憲5/7、選択5/9 計23 基礎27

いや〜上手くはいかないもんですね笑 全くプラン通りに行きませんでした笑 説得力がなくなるんで言わなくても良いものだとは思いますが、リアルに知ってもらいたいので掲載しました。基礎能力で覚醒してますね笑 何があったんだろう笑
まぁ受かってたので結果オーライですけどね。皆さんは自分のプラン通り得点できるよう応援しています…笑

でも、私が受けたときは民法難しかったっぽいです。他の人も苦戦していたようです。

まとめ

法律区分の一次試験は、大体「このぐらい取れば受かる」というのが決まっています。
高い倍率に惑わされますが、淡々と合格ラインの水準を目指して知識を揃えていけば受かります。
あと、倍率が高い事情としては、総合職って、公務員試験の中では日程が早い方なんですよね。一次試験直後にTwitterを開いてみると、「総合職むずかった〜 でも試験の雰囲気味わえてよかった!」とか「次の〇〇職に向けて良いリハーサルが出来た!」みたいな声が割と多くて、場馴れのために受験してる人が相当数いるんだなってことを試験後に知りました。
なので、実質倍率は実はそんなに高くないんじゃないかと思います。

ともあれ、合格ラインを突破すること。その一点に集中してください。決して難しい試験ではありません。正しい戦略の下、要求水準の知識を備えていけば合格できます。

それでは。

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