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日々の業務のほとんどがChromebookで済むと言う話は本当か

先に言っておくと、EC屋としての話ならば「NO」だ。
画像加工をしないEC屋は居ないし、企画職だとしても膨大な様々な形式のデータを融通するためには、なんだかんだ煩雑なOSが必要になる。

Chromebook神話のようなモノは、実際には何を崇めているのだろう

IT人間と、"被れた"マネジメント層はChromebookが大好きだ。
「Chromebookを導入するとコストが下がる」
「Chromebookは新しいOSで、よく管理され、素晴らしい」
「Chromebookで無駄が省ける」
「Chromebookはクラウドでデータ管理をするので安全である」

こんなところだろうか?
どれもまあ、意味がわからないと思う。
言葉はわかるが、何故そうなるのか、この話をしている人々はほとんど誰も知らないのでは無いだろうか。

ただ、上記の神話に共通するものがある。

「Chromebookは安い」
「Windowsは高い」

この話が全ての前提になっていると思われる。
確かに安い。
3世代以上前のマシンでサクサク動く軽量なOSなのだから。
それはもうハードのスペックは低くて良いのだから、安い。

30,000円未満の機種が多いし、どれもChromeOSを動かすには十分なので、スペック差など無いに等しい。

ちなみにメモリ1GBのChrome bitを持っているが、仕事に使わないなら動画も見れるし何の問題もない。

これだ。
普段からテレビに挿しておいて、アマプラ動画を観るときに使っている。

安くて動きも良いPCであることは分かったのだが、何をもってコストの削減を謳えるのか?

それはまあ、安いPCを買えば、高いPCを買うよりも差額分だけコストは低い。
それが50台分積み上がったら、なかなかの金額にはなるだろう。

だが、そんな部分のコスト削減をした程度で利益が上がるのか?

多分、変わらない。
むしろ、営業成績は下がるだろう。

理由は簡単だ。
あなたたちの仕事の大半は、Outlookで行われるメールで締めているからだ。

① Chromebook導入は、前段階の「仕事のクラウド化」を成してから行わなければ、ほぼ必ず失敗する

高度にDXが進んだ企業では、おそらくOS依存型の業務がほとんど無くなっており、マシンスペックによる生産性の高低は無視できる。

属人的な業務を完全に無くさないと、Chromebookの恩恵は受けられない。

平たく言うと「Outlookを辞めてGmailに」「Excelを辞めてスプレッドシートに」業務が移行できていないと、そもそもWindowsから変えることができない。

後述するが、Chromebookの恩恵を受けられるのは「営業」「事務」「接客」だ。
業務ツールをクラウド化しやすく、フローを定型化しやすい業務はChromebookに向いている。

逆にChromebookに移行できないのは「Web屋」と「デザイナー」と「エンジニア」だ。
Photoshopが使えないChromebookは画像加工に向かないし、マシンスペックが低くては動作テストさえできない(Dockerが動かない、という一点だけを取っても)ので、彼らの仕事はMacか、 Windowsか、Linuxでやるしかない。

「ChromebookでLinuxが動くぞ!」というエンジニアの方は好きにすると良い。
そんなあなたは美学を実行できるだけのスキルがあるのだから選択肢を持っている。

幸い、ハイスペックなChromebookというものは存在するのだから。

個人的にはThinkPadにLinux入れた方がRMSみたいで格好いいと思うが。

② Chromebookの導入は、業務の定型化を済ませてから行わなければ失敗する

先述したように、Chromebookは定型業務に向いている。
私のようなEC屋が、もしChromebookを導入するなら、まずは受発注と接客部門から始める。

・G suiteの導入をして、メールを全てGmail、エクセルや資料は全てGoogleドライブやグループウェアに格納し、ローカルにデータを持たせないようにする。

・ブラウザ操作可能な受発注の管理ツールを導入して、在庫、受発注、顧客の管理を全てオンラインで行う。

・顧客対応ログはCMSでのみ管理して、可能なら上記の仕組みを全て連携させる。
・電話も上記のいずれかに連携させる。

そうすると、全てのデータはシステム内にまとまり、メールとエクセルが全て平等な環境に(権限は接待するにしても)開示される。

③ クリエイタージョブにはChromebookを導入しない

先述したように、全ての職種にChromebookは適応できない。

・Photoshopが動かないのでデザイナーはMacかWindows
・Dockerが動かないのでエンジニアは何か好きなPCを使わせろ。(彼らは勝手に選ぶ)

そしてもうひとつ、Chromebookは「非定型業務」に向かないので、便利屋はWindows等の方が良い。

それでもChromebookが使いたいなら、まず自分だけ導入したらどうか

変な話だが、経営層はChromebookで良い。あなたがメンバーから報告を受けて意思決定する立場ならば、コミュニケーションツールは充実しているChromebookにしてみると良い。

多分、Chromebookを正しく描けていないだけだから。

あと、安価なChromebookはあまり軽くないものが多いのは気をつけた方が良い。
せっかくスペックで比べる必要がないのだから、見た目と軽さで選ぶと良い。

持ってて格好いいPCが欲しいなら、ちょっと高いものを買うと良い。
ちなみにSamsungのChromebookはすごく良い感じのが多いので、輸入品を探すのもありだと思う。

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