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甲生からの眺め

豊島を自転車で1周すると、風景がゆっくりと動きます。高松からの高速艇が豊島の家浦港(いえうらこう))に付き、レンタサイクルを借ります。家浦を出て、唐櫃(らと)から甲生(こう)へ向かう道沿いには、山本みかん園、東洋オリーブさんの農園があります。下り坂は時々止まるのがおすすめ。空を見上げると、檀山の岩肌と色づいた木々、初冬の青がくっきり鮮やかです。

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↓下り坂からの眺め。

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甲生は南に面した日当たりのいい土地です。稲作と畑作、牛もいました。植松さんが民泊にしている棟は、牛小屋でした。「ルツ&ミツ」というお惣菜屋さんになり、その後民泊になったのです。

豊島の長老が農協に勤めていた頃、甲生では人参を栽培してタネを大阪の種苗会社が買いに来ていたと言います。檀山では菜の花を栽培して、そのタネが買われていきました。タネが買われていくというのは、他の植物と雑交配しない優良な土地です。
長老は「甲生の人は野菜づくりが上手だった」と、懐かしそうに言います。長老の援農企画を快く受け入れ、収穫量の高さで栽培実績を上げていった甲生地区。今も、街道沿いから見える菜園では青々としたほうれん草や株の立派な白菜が育っています。近年のイノシシ被害から田畑を守る術として電柵がありますが、甲生地区では隣り合う土地が共同で広い柵を設置しています。今年のお米の収穫量は満足する出来だったと、植松のお父さんが喜んでいました。



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