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モノリナを奏でたら豊島が震えた

豊島(てしま/瀬戸内海)で地震はとても珍しいことです。しかも今日は震源が瀬戸内海でした。賑やかな場所で地震に気づく人はほとんどいません。

唐櫃の清水前に建つ六角庵。ここは毎週火曜日の午後、いっぷく茶屋になります。コーヒーとお菓子のお茶会に固定の料金はなく、缶に入れていくスタイル。今日は年内最後の開催と聞いた常連さんが集まり、座る場所を詰めていろいろな話が飛び交っています。

空気が動いて、静かな音が聞こえてきました。タイトル画像にあるモノリナです。ドイツ発祥の音楽セラピーの楽器を演奏する方がいらしていました。弦が共振して音を幾重にも響かせます。音に柔らかな声がのってきたなーと見ていたら、グラグラ。大地が揺れました。

土地が喜んでいるとわたしは思いました。あの場所に20人弱はいたのに、時を止めることなくスーッと溶け込んできたモノリナ。聞こえてはいただろうけれど関心を払わない人たちが不思議でした。当然、地震にも声が上がりません。わたしだけに聞こえていたのかな、声が音にのってながれていく様が。

豊島の六角庵で、モノリナ。強烈なであいでした。時と場所とあとひとつ、それが揃って初めてなし得る異空間。モノリナをお腹の上にのせて演奏してもらうと、体の中に大きな宇宙が開いたような感覚でした。両手は無防備に上向きです。思いもよらない身体値でした。

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