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人+良=食

「あいつを空腹にさせると厄介」
「もう食べ終わったの?もしやダイソン?」
「残飯処理班」

私は小さな頃から言わずもがな食いしん坊で、目立った好き嫌いもなく(強いて言えばところてん)、食べる行為そのものにとてつもなく大きな幸せを感じていた。

そんな私が特に愛してやまないのが「卵」。奴のすごいところは、焼こうが茹でようが生だろうが、何をしてもどんな状態であれ美味しくいただけてしまう変幻自在かつ万能なところ。

優秀な奴も最近では、鳥インフルエンザの感染拡大により、「卵不足」が深刻化。泣く泣く価格は高騰し、値段を気にせずとりあえず卵10個入りパックをカゴに放り込んでいたあの頃がもはや懐かしいくらいだ。

あ〜卵料理が食べたいぞ。だいぶ前に行ったので、正しい情報かどうかはさておき、「卵料理は言えばここですわ」な店をピックアップ。誰もを虜にしちゃうとっておきな一皿を君(黄身)だけに教えよう。

見よ日本洋食の誇りよ

圧倒的なビジュアルと味で庶民を黙らす。
(黙れ)

好きな5文字はオムライス。歩くとき心なしか身構えてしまう5文字の街と言えば池袋(いけぶくろ)。「キッチンチェック」は西池袋のロサ会館1階にあり、髭のシェフの看板が目印。店内はカウンターのみで、お客さんはただただ手と口を動かすだけで私的な会話は一切なし。シンプルに目の前の食と向き合っているように見える。ご飯はみんなと食べるから美味しいセオリーを一瞬で覆す空間と化していた。オムライスとの対話を静かに楽しみたい日はぜひ。

食べ歩きの大先輩

コンビニのレジ横コーナーに置いてほしい。

築地に行ったら食べない人はいないんじゃないか説の「築地山長」の串玉(100円)。築地で借り物競争があれば一発で借り物を見つけられるだろう「築地山長」の串玉(100円)。ここまで愛されているのなら、コンビニのレジ横に展開してほしい。サクッとお会計を済ませて片手に持ったまま出社したい。あわよくば全国のコンビニ関係者に伝わりますように。

又の名はQOL爆上げ定食

お座敷だったとき今日の靴下が心配になる。

赤坂でお腹を空かせた働きマンたちがこぞって押し寄せる「やげんぼり赤坂店」。お漬物と小鉢と炊き立ての白米といただくのは、焦げ色がひとつもない美しく絵に描いたような卵焼き。「主役はこの私である」と言わんばかりの貫禄で、いつもはお弁当の色味引き立て役が一気に主役に抜擢された豪華定食である。


メニューは親子丼オンリー

カウンターでいただく覚悟の親子丼。

「本気」と書いて「マジ」と読む。「親子丼」と書いて「マジ」と読む。溜池山王の「きすけ」のメニューは、名物の親子丼のみ。相当な自信がないとメニュー1本化は難しいはず。でもそんな心配はご無用。余計なお節介。秋田産の比内地鶏とじゅんわり甘みが溢れ出す卵と割下が「マジ」を表していた。もしも外国人の友達ができたら「これが日本人が本気でつくる正真正銘の親子丼だよ」って紹介する予定。

愛という名の出汁が溢れる

withウーロン茶でも酔える。

おいおい〜居酒屋まで行って卵焼きかいな〜笑ったね?その心、笑ってるね?渋谷の道玄坂で営む「千両」は老若男女で賑わう老舗の大衆居酒屋。おしゃれ今どき進化系居酒屋に行くには気が引ける、渋谷でひっそりと隠れて飲みたい私の希望を叶えるには打ってつけの場所なのだ。飲みたいと言ってもお酒は飲まない(飲めない)ので、ウーロン茶で乾杯。卵焼きが進む進む。卵焼きのためのウーロン茶。ウーロン茶のための卵焼き…。もう何でもよい。こんなに満足なんだから。

特別出演

デザート枠での特別出演を勝ち取った

「こんなところに喫茶店?(仮)」のようなテレビ番組があれば間違いなくVTR3本目あたりで放映されるであろう、「横浜第二合同庁舎 喫茶室」。一般利用も可能とのことで、扉を開けると昭和モダンの世界が待っていた。まず食券を買って好きな席に座るとマスターが「いらっしゃい」と食券を取りに来てくれる。自家製のプリンは、芯がある弾力加減と卵本来のやさしい風味と口当たりが絶妙。同僚と取引先のお客さんと友人と、もちろんひとりで訪れてもOK。ひと息つきたい午後3時を癒してくれること間違いなし。いい場所を見つけてしまった。

卵の供給が落ち着くことを願って

あらためて卵の素晴らしさを感じたところで、私たちの食卓にも無理なく帰って来れるように、いつか卵革命が起きることを願いたい。すべての卵ラバーに幸あれ。

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