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あなたを待つ日々と甲州街道と、きのこ帝国

彼は優しいLINEをくれるかと思えば、連絡が取れなくなることもあった。

原因は知っている。


・心を病んでうつっぽくなってしまう時がある
・仕事が忙しいと周りが見えなくなる

からだ。

初めて連絡が取れなくなった時は、最後に会った時から少しそっけなくなっていたので、あぁもう飽きられちゃったのかなと割り切っていた。

しかし1ヶ月後、いきなり連絡が来た。

退屈な会社の忘年会帰りの22時ごろ、
「ちょっと飲まない?」と。

嬉しかった
京王線のトイレでちょっぴり泣いた

涙でよれた化粧を直して、待ち合わせ場所へ
どこのお店に行ったかは忘れてしまったが
その時の彼の姿はずっと忘れない

1ヶ月がその頃は長かった。久しぶりの彼は髭がたっぷり伸びていて、サンタクロースみたいだった。赤いニットを着ていたし12月だったから余計だ ↓ちょっとふざけてみる

顔はとても疲れていた。もともと元気ハツラツ!みたいなタイプでは無いし、言葉数が多い人でもないけど、気分が表情に出るのでとても分かりやすい。

「久しぶりのシャバだ〜」と言っていた。本をたくさん読む人で、文学なども好きだが中でもヤクザモノがお気に入りらしく、彼らしい表現に笑った(山口組に関する本をインスタにあげるくらいには好き)。

その1年半後くらいに、もう一度連絡が取れなくなった。

2回目こそ、しんどかった。彼のことを分かったつもりになっていたけど、たくさん会っていた時期だったから「私にもっと色々話してくれればよかったのに」と、頼ってくれなかった事に悲しくなったり、好きな人すら救えない自分を責めり...

重いかもしれないと思いつつ、純粋に生きているのか?と心配だったのもあり、何度かLINEや電話もしたが返答なし。辛くて、体も心もバラバラに引き裂かれそうな気分。毎日毎日ただただ湧き上がる負の感情に飲み込まれないように、必死だった。

しかしその3ヶ月後、また彼から連絡が来た。

「仕事辞めてまた転職した。いつもノーレスでごめん」

と。

私はさすがにもう、怒っていた。心配の連絡に一言も返事がないなんて。だから半年ほど無視して他の人と遊んだりしていた。

(そういえば、同じ日に同じ映画を観ていたことをきっかけにインスタでまた連絡を取り始めたのだった...彼とは不思議な縁を感じることが数回あった。それはまた今度)

でも今思うと、彼は「ごめん」と謝っていたし、早めに許してもよかったのかも知れないな。なんて


それ以降、1日以上返信が空くと不安にはなるけど、3ヶ月空いてもちゃん返事をくれた人なのだから大丈夫と、この曲を聴きながら待っていた


ベタすぎてちょっと恥ずかしいが、

日々あなたの帰りを待つ
ただそれだけでいいと思えた

は、まさに彼への私の想い、そのまんまだった。

不安もあったけど、待っているのも幸せだった。

本心だった。

でもそんな自分とは裏腹に、現状維持がイヤでどんどん前に進んで行きたく、白黒ハッキリさせたい自分もいた。だから、ずっとは待っていられなかった。

それだけでいいってずっと思っていたかった。そんな“懐の広い人”になりたかった。

でもあなたが好きいてくれたのは、ちょっと毒舌で奔放なわたしだったね。わたしがわたしのままではあなたとずっと一緒にはいられなかった。でもあなたは素のわたし(の一部分)が好きだったよね。変わっても変わらなくてもきっと一緒にいられなかった。笑えるね

会いたいなあと言うことも
憚られる春が過ぎて

穏やかじゃないね
口癖だけ置いていった
忘れてもかまわない
でもたまに思い出すよ

あの頃、彼も私も京王線沿いに住んでおり、よく甲州街道沿いや線路沿いを2人並んで歩いた。

短い距離でも、思い出の場所。そんな場所が映画でフィーチャーされ、恋人2人が楽しく、しかも彼も私も好きなきのこ帝国を歌いながら歩いているなんて...これもまた笑える。

3回観るくらいには坂元裕二が好き。音楽もどんぴしゃ

ということできのこ帝国は見事、わたしが「失恋・片思いソング」を挙げる際、必ず上位にランクインしてくる。挙げる際と言っても人に話したりはしないので、自分の中で挙げるだけだが。

『疾走』はカラオケで歌うと気持ちよく、自分の声質にも合っているのか評判が良いためずっと聴き続けていた曲だった。でももう、カラオケでは歌えないなあ。

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