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おひなさまは春を告げに

約束通りに晴れた朝。

振替休日だから布団干せる!

洗濯物も干してから庭作業。

あ、その前に忘れずにお雛様を出さなくちゃ。


私のお雛様って実はない。

子供の頃から飾っていたのは母のお雛様。

いつの頃からか私が出すようになっていた。

寮に入っていた頃は春休みに帰宅したときに、まだお雛様を仕舞ってなかった。

早く仕舞うもんじゃないの?と言うと綺麗だからって返事が。

お雛様をいつまでも仕舞わないと、娘がいつまでもお嫁に行けないって言うじゃん!

でも私のお雛様じゃないからそうじゃないのかな。

それも玄関に飾ってあるなんてみっともないよと文句を言いながら片付けていた。


それでも同級生の中では早くに結婚して家を出た。

実家のお雛様はいつの頃からか床の間に一年中飾られるようになっていた。

出したり仕舞ったりがしんどくなったんだろうな。

そんなので怪我したりしても困るし。

母が施設に入所し、お雛様だけは実家の床の間に残った。

お雛様について母は気になっていたようだ。

一昨年の正月明けだったか、あのお雛様は私にくれると言い出した。

その足で実家に行き、お雛様を家に連れてきて飾った。

それ以来母のお雛様は我が家に居る。

昭和初期の古いお雛様の顔は上品で美しい。

ガラスケースに入った小さな5段飾り。

五人囃子の小道具がなくなったりしているけど見慣れた姿。

今年も春の訪れを告げに来た。





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