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生きようとする気持ち

88歳の父。

絶対に体調が悪いんだ!と言い張り、毎週末救急車騒動を起こした7月。

私も弟も振り回されて辟易とした。

搬送先で色々調べても、入院するような悪いところはないと帰された。

だから病気じゃないんだよと話しても、またよく週末には(なぜか週末土曜日になると)救急車騒動を起こす。

搬送先を変えて3度目。

悪いところはないと言う医者に、帰れと言うことは死ねと言うのか!と我が儘を言いまくり、取り敢えず3日間入院となった。


我々兄弟はひとまず入院騒動が起きないと一息。

でも退院してきたら、またこの騒ぎを繰り返されるんじゃないかとビクビクしていた。

3日が過ぎ、何とリハビリが主の病院へ転院することになった。

予定は1ヶ月程。


顔が見たいからお見舞いに来てって力ない声で電話をもらったので、先日顔を見に行った。

あまり重症患者が居ないリハビリ病院だけあって、雰囲気は明るくスタッフも男性が目立つ。

病室に入ると、すっかり病人になった父が居た。

食欲が全くないと言うので処方されてる薬を見ると、胃腸の働きを正常にするものばかり。

確かに大したことはなさそう。

ただ問題は。


死にたいと何度も呟き、そのうちに泣き出す。

完全に鬱状態だ。

だから食欲もないのだな。

コロナ禍のせいで人と交流するのがとにかく好きな父がダメージを受けているのは感じていた。

それがこんな形になったとは。。。

精神科の治療をしてもらおうとは思わない。

ただ死にたいと泣きながら生きているのが幸せとは思えない。

何とか気持ちが上向きになってもらえないかな。


知人のお父さん101歳。

高熱が出て救急搬送され、体力の消耗も激しいし、今後を考えると施設に入所した方がいいのではと提案された。

それでも家に帰る!と根性で歩いて帰宅するまでに回復した。

生きようと思う力があると101歳でも驚異的に回復するのだ。


死にたいとベットの中で嘆く、医学的には問題がない88歳。

その差は生きようと思う気持ちだ。

まさに“病は気から”を痛感させられる。


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