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人生の主人公

B型事業所に勤務していたときに思っていた事

私たちには職業を選択したり、退職や転職もあるのに何故利用者さんにはないのか?

A型事業所の派手なチラシが入り、障害者でも最低賃金の時給が貰える、同じB型なのに経営しているレストランがあり、そこで働くと今の倍以上の工賃が貰える…そんな話が利用者さん達に知れ渡るようになった頃、支援学校でて20年以上も作業所のエースとして頑張ってきた利用者さんが

僕…レストランの見学に行ってみたいと呟いた

当時施設外就労が始まり工賃もあがっていったが腰痛持ちの彼には辛い作業であり、理解度も高く性格も穏やかな彼には向いておらず、かといって作業所で朝から晩まで箸入れをさせる事に疑問を感じていたのです。

利用者さんだって工賃がほしい。利用者さんだって自分の興味のある仕事がしたい。

学校を卒業して何十年も変わらない生活、恥ずかしがり屋の彼が外の世界を見たいと言うのはチャンスだと!所長に見学してみたいと頼んでみたら?私も一緒に頼みに行くよ!と話をしました。

勇気を出して彼は頼みに行ったけど、結局やんわりとなだめられそれは実現しませんできた。そして私は叱られました。

優秀で毎日通所する利用者を外に出してはいけない…と

利用者さんの事をよく考え、費用を使うのは惜しまない良い法人でしたが、良い人材は囲い込みをしなさいと暗黙の了解がありました。その後移動先でも元気で若い利用者さんが他事業所に移動させると話が進んだ時は自分の意思とは反して引き止めるよう言われ葛藤しました。

支援学校卒業後、筋肉隆々のスポーツマンだった利用者さんがたった数年で太ってしまい、体を動かしたくても一日中箸入れしかさせないのだから運動不足になってしまい、こんなに若くて元気で家庭の事情で工賃をもっともらえないとグループホームで暮らして行けないし本人の望む生活ができない。他事業所に行った方が絶対良いのはわかっていたのですがサラリーマンの悲しさで上司に従うしかなかったのです。

その利用者さんについてたグループホームの若い支援員さんが動いてくださり無事移動できたのですが、たまたまその支援員さんが疑問に思い、動いてくれたからできた事で、その出会いがなければB型事業所にまだいたかもしれません。風の噂で一般就労したときいて涙が出るほど嬉しかったです。

利用者は受け身の存在である事、事業として通所してもらえる利用者さんを手放す事は収益が落ちる事なので囲い込みは当然であるような事、割とよくある話ではないでしょうか?

その人の人生を思う時本当に現状でいいのか?この先の事を考えるきっかけや背中を押す支援者に会わないと疑問も持たずただ人生を消費するだけになるのか?

別に事業所を掛け持ちしたって移動したっていいと思う。事業所ごとに特色もあるだろうし、出るのも入るのもその人の願うものでいいのでは?人生の主人公は本人であり、支援者は伴走者でしかないのに絶対的存在の指導者にはなっていないか?そんな事をよく考えます。

相談支援員や2年という期限を区切った就労移行に興味を持ったのも自分は利用者さんを流す管のようになりたい。作業所という狭い世界じゃなくもっと世間や色々な出会いに触れる事は大事ではないか?そして今支援させていただいてる利用者さん達にただ時間を消費させるだけではなく何か掴んで次のステップに行って欲しいと願っています。今の状況は過去最大の危機ですが(笑)まぁ今ある事を頑張っていれば何かに繋がるかも?と思い試行錯誤するしかないです。

人生の主人公はあなたであると、ここのところは譲れない思いです。

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