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原田慶太楼が誘う、吉松隆の世界~名曲全集179~一流のオーディエンスを目指して

これもまた、先月のミューザ川崎シンフォニーホールのコンサートです。更新をサボると大変です。

いつも楽しみな
ミューザ川崎シンフォニーホール

東響の定期演奏会、名曲全集179回。指揮は原田慶太楼、チェロソロは、宮田大。オール吉松隆のプログラム。
セットチケットを買ったので行ったのですが、吉松隆って作曲家は知らなくて、、、。
でも、苦手と決めつけていた現代クラシックだけど、これはイケル。調整もメロディもなく、私にはかなりハードルが高いのです。動機が出てきて展開して、次はああなり、こうなり、、、掛け合いやカノン、転調、、アテンポ。クライマックスへの盛り上がり、なら、なんとかついていくけど。聞くまではちょっと不安でした。
でも、そういう不安を吹き飛ばす曲の素晴らしさ、引き出す原田慶太楼の力、宮田大の迫力。不安なんかすぐに吹き飛びました。知らないって、困りますね。食わず嫌いは良くないです。

相変わらずお得な
2階席に陣取ります

吉松隆の作曲は、モーツァルト、ベートーベン、ラベル、ワーグナーに見習うのではなく、自然に見習った音楽なんですね。風、木々、炎、鳥、雫、空、虫、息、命、、、。
そういうものからインスピレーションを得て、そういうものに寄せた音楽の、なんと自由で美しいことか。退屈するかと思ったら、全くそうはならない不思議。
弦より、管楽器や打楽器の使い方の生き生きと映えること。テクニックも、オーケストレーションも素晴らしい。原田慶太楼が美しい音を紡ぎ出す、あの指揮棒、あの呼吸。上手いなー。
宮田大の熱演に唸る。主役はチェロだけど、宮田大はチェロと一体化してましたよ。まさに、ケンタウルスになってた。それにしても良い音だったなー。
そうそう、曲目は、チカプ、チェロ協奏曲「ケンタウル・スユニット」、カムイチカプ交響曲。オール吉松隆のプログラムでした。

お気に入りの名曲全集

名曲全集は、よく知らずに行っても裏切られない。毎回、素晴らしい企画です。
吉松隆、渋谷生まれの慶応大学中退。プログレッシブロックが好きだったお坊ちゃんが、一筋に美しい音楽を求めた結果がここにある。いや、生活に追われない環境って、羨ましいなあ。才能を開花させるチャンスを生かせるから、、、

名曲全集は東京交響楽団の定期演奏会で、ホールは大好きなミューザ川崎。音が最高です。他のホールに行ったら、あれ?と、思うようになりました。素人の私でも、ある程度聞き慣れて来ると耳が訓練されるのね。この年齢になっても進歩できるのは嬉しい。しかも、セットチケット買うと、普通なら聞かない作曲家、演奏家、曲目を聞くことになり、世界が広がります。今回はまさに、まだ活躍中の本人と一緒に聞くというめったにない体験をさせて貰いました。ステージに上がった吉松隆。風貌を見て、何か納得するものがありました。いやー、本当に楽しかったです。
一流のオーディエンスを目指して、楽しみながら歩んで行きたいです。

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